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「自叙伝5 一所懸命」FM佐藤本部長 Vol.53

FMグループ社内報Vol.53【投稿者:佐藤本部長】

「トイレをきれいに掃除すると売上があがる」と言う話を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
私がその体験をしたのは29歳の時でした。その話の元祖として語られるのは、イエローハットの創業者、鍵山秀三郎氏の話です。

創業間もないころのイエローハット(車の部品販売)では、なかなか商品が売れない毎日が続き、社員の心も荒んでいた時期があったそうです。
その時、一生懸命に販売している社員のために鍵山社長が実行したことは、
せめて社員のためにトイレをきれいにして気持ちよく使ってもらおうと言うことでした。

鍵山社長は来る日も来る日もトイレをなんと素手で徹底的に磨き込み、さらに会社周辺道路の清掃も併せて行うようになりました。
毎日磨きこんでいるトイレはまるで新品のようで、トイレや周辺の道路ががきれいになるの比例して(全社員が自発的に手伝うまでには12年かかったとのこと)売上は倍々で増えました。

トイレ掃除の噂が広がり、聞きつけた他の会社から是非、参加させて欲しいと言う話が広がり、やがて自然派生的にトイレ研修と命名された研修が人気をよび、大挙して(企業研修として)参加者が増えていきました。
その頃には会社から半径2.5kmのエリアの周辺道路の清掃に広がっていました。

そんな研修に、まったく予備知識ゼロの私が会社の専務から呼ばれて、なんの説明も受けずに朝6時に一緒に参加することになりました。
それがまさかのトイレを素手で磨く研修だとは思ってもみず、まずは思いっきりドン引きでした。

そこで初めて研修のリーダーの社員の方から掃除研修の成り立ちと趣旨の説明を受け、様々な思いが頭を過りましたが、意を決して素手で洗い始めました(毎日研修で掃除されているトイレは新品同様でした)。
研修が終わり1ヵ月経ったころ、なぜか私の管轄している部署の成績は次第に延びだしました。

その後、数多くの転職を経験しましたが、いつかチャンスがあって、自分が絶対に売上を上げなければならない状況になった時は迷わずトイレ掃除をしてやろうと心に決めていました。

そして、ついにそのチャンスが巡ってきました。
前職の不動産仲介の店長を行っているときに、誰も引き受け手がいないお店を引き受けたときのことです(オープン以来2年間赤字で、あと3ヵ月で売上改善が見込めない場合は閉店予定)。
満を持して素手でトイレ掃除を始めました。掃除研修のトイレとはワケが違い、なかなか勇気はいりましたが、それはご想像にお任せします。

結果2年かかりましたが、ほぼ新人だけの店舗で、ダメなら閉店と言われていたお店はめでたく全店No.1の売上を達成することができました。
はっきり言ってなぜそうなるのかを明確に答えることはできません。しかし、良いなと思ってすすめられたことは素直にやってみる。

その素直な気持ちをいつまでも持ち続けたいと思います。

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