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「不動産豆知識27 その他の重要な事項」FM笹谷部長 Vol.195

FMグループ社内報Vol.195【投稿者:笹谷部長】

今日はお客さまへの説明義務のお話です。

皆さんご存じのように我々宅建業者には、買主や借主に重要事項の説明義務があります。
最近では賃貸住宅管理業法の施行により、管理を委託する不動産オーナーに対して管理業者による。管理受託契約の重要事項説明が義務付けられたのが記憶に新しいところです。

我々宅建業者がこの説明義務に違反した場合には、行政庁から指示処分や業務停止処分を受けてしまいます。また媒介契約は、民法上の準委任契約に当たるため、我々は善管注意義務を負っており、債務不履行により損害を与えた場合、損害賠償請求を受ける場合もあります。

このように、法律的にも非常に重い責任があると同時に、大小様々な同業他社がひしめく不動産業界において、いかに一般消費者から信頼され安心して取引を依頼される会社になれるかが重要になってきます。
その第一歩として、まず心掛けたいのが正確な情報提供です。

宅建業法第35条には我々が説明すべき事項が列挙されています。
ここから更に施行令・施行規則・国交省令などにリンクしたりしている訳ですが、基本はコレです。そしてこれら の事項は重要事項説明書として各物件ごとに都度作成しています。

ところが、困ったことに事はそう単純には行かないのです。
これらの法的に必須な説明事項とは、別に「その他の重要な事項」というものがあり、これも我々宅建業者にとって説 明義務があります。

宅建業法47条にこうあります。
「宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、故意に 事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない」

そしてその対象として
◆宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等 の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取 引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業 者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの◆
とあります。

ややこしいので、かなり強引に簡単に言いかえると、こうなります。
『物件に関してお客さまの購入モチベーションに影響を与える事項は、説明義務がある』。

昔から言われている具体例としては、越境・浸水被害・近隣の建築計画・騒音・臭気・暴力団事務所・高圧線・事件事故自殺・法地・擁壁などさまざまなものがあります。
また、最近では民法改正により「契約不適合」という概念が出てきました。

これは、お客さまは何を目的として物件を購入するのかをはっきりさせ、その目的が達せられない物件を提供してしまった場合には、債務不履行責任を問われる事になりかねないという事です。
「バルコニーからの眺望が良い所が良い」とか「子供が喘息なので、空気がキレイで療養できる場所が良い」とか「騒音がうるさいと夜眠れないので静かな環境が欲しい」とか人それぞれ色んな事情があるかと思います。

我々がやるべき事は、これまで以上にお客さまの声に耳を傾け、購入動機・購入目的を明確にし、そのお客さま独自の事情が有れば、それも聞き出してケアして行く事ではないでしょうか。

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