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「不動産豆知識15 公図」FM笹谷部長 Vol.109

FMグループ社内報Vol.109【投稿者:笹谷部長】

今日は皆さんも日頃見慣れた公図のお話です。
見慣れてはいるけれども、そもそも公図とは何ぞや?と疑問に思われる方も多いかと思いますので、その起源、意味、目的について解説していきます。

公図は法務局に備え付けられている地図の一種で、不動産の売買取引きにおいて欠かせないものです。その起源は明治時代の地租改正にまで遡ります。それ以前は、豊臣秀吉が行った太閤検地により石高に応じて年貢を納めていましたが、明治政府の行った租税制度改革により地租として土地に対して税金を賦課する制度になりました。

この時代に課税対象を表す為に作られた改租図が公図のもとです。つまり公図はとんでもなく大昔に作られたものなんです。
また、目的が税金の算出である為、当時の農民は税負担を軽くするために実際の土地面積よりも小さく作図していたようで、これが今でいう所謂 “縄のび” です。
実際測量士に測量をしてもらうと、登記面積よりも実際の面積の方が大きい事が多いです。

このように、公図はあまり正確な地図とは言えません。
現在、国の事業として地籍調査が実施されており高精度の地図が作成されてはいますが、都心部での進捗状況は低い状態です。

次に公図の持つ意味と我々が使用する目的です。
公図には地番が書き込まれており、その線は筆界を表しています。筆界とは登記された土地の範囲を区画する線です。
前述のように公図はあまり正確な地図ではありませんが、土地の並び順や区画線の曲がり具合などの地形的な特徴は比較的正確だったりします。
つまり売買対象の土地の地番確認や、道路との間に他の筆が入っていないかなどの確認に使えます。

道路が細い物件や、私道に面した物件、河川に面した物件等々、公図をじっくりと読み込むとその物件に隠れた問題点が浮かび上がってきます。
現地調査や役所調査を実施する前に一度じっくりと公図を眺めて物件に隠れた問題点が無いか考える癖を付けておくことが、皆さんの不動産への理解をより一層深めてくれるはずです。

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