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「不動産豆知識20 瑕疵担保責任(契約不適合責任)」FM笹谷部長 Vol.144

FMグループ社内報Vol.144【投稿者:笹谷部長】

今回は売主の違いによる瑕疵担保責任(契約不適合責任)の違いについてのお話です。

皆さんが普段やり慣れている、新築の建売住宅やリノベーション済みマンションなどは、売主が宅建業者なので瑕疵担保責任(契約不適合責任)の内容も熟知している事と思います。
物件の引き渡しの日から2年間の責任を負うというアレですよね。

ところが、売主が宅建業者ではなく一般の法人だった場合はどうなるでしょう?この場合、買主が一般消費者の時には、消費者契約法という法律が掛かってきます。
消費者契約法は、消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する特約を無効としていて、原則的に瑕疵担保責任(契約不適合責任)の全部を免除することはできません(消費者契約法8条1項3号)。
また、同法第10条には「消費者の利益を一方的に害する条項の無効」という規定もあり、責任の全部免除ではなく、一部免除の場合であっても消費者の利益を一方的に害するものである時には無効とされてしまいます。

ちょっとややこしいので話を整理すると、売主が一般法人の場合、瑕疵担保責任(契約不適合責任)の全部免責は出来ないし、一部免責も原則として出来ないという事になります。
本来、瑕疵担保責任(契約不適合責任)は民法上の任意規定である為、有り・無しを自由に決めて良い訳ですが、売主が一般法人の場合にはこのような縛りが入る訳です。

それでは具体的には、どれくらいの期間の瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負えば良いのでしょうか?
実はこれについては明確な規定がありません。宅建業者売主の場合と同等の「引き渡しから2年間」としておけば、不備を指摘される事はないでしょう。実際、全日や全宅の契約書雛形を見ると「引き渡しから2年」となっています。

売主の都合により期間を短縮する必要がある場合であっても、過去に3か月とした特約が無効となった判例がある為、私個人的には売主に訴訟リスクは説明の上で、1年程度に留めておくのが無難なところと考えます。

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