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週に一度、会って話して見えてきたこと|ジェーン・スー&堀井美香 対談 1/3

Podcast番組「OVER THE SUN」も大人気のコラムニストのジェーン・スーさんと元TBSアナウンサーの堀井美香さん。おふたりに聞くと「特に話すテーマは事前に決めていない」という同番組は、9月には配信100回目を迎え、リスナーからのお便りもますます多く寄せられています。話すこと、ともに語らうことーーそこで生まれたおふたりの関係やご自身の変化とは? これまでの配信を振り返りつつ、お話を伺いました。

文/アケミン 写真/高見知香

堀井美香
1972年生まれ、秋田県出身。’95年にTBS入社後、2児の出産を経て、数々のアナウンス、ナレーションを担当。'22年3月、同社退社後、現在はフリーアナウンサーとして活動。現在もTBSラジオのPodcast番組「OVER THE SUN」は続投

ジェーン・スー 
1973年生まれ、東京都出身。作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティ。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」などで活躍中。連載、著書多数。最新刊に『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)

週に一度、ここに来れば必ずおしゃべりできた

ジェーン・スー(以下、スー)「OVER THE SUN」はコロナ禍で始まったよね。ステイホームで外出もままならない時期に、週に一度スタジオに来れば必ず美香ちゃんとおしゃべりできた。これがわたしとしては、とてもありがたかったですね。 

堀井美香(以下、堀井)ほんとにね。そして9月には配信100回目を迎えたなんて。ひとえに聞いてくださっている互助会メンバー(番組リスナーのこと)のおかげですよね。 

堀井「OVER THE SUN」の収録では、スーちゃんと掛け合って話していくうちに、自分のなかにあるモヤモヤが少しずつ言葉になって「あ、自分はこんなこと考えていたんだ!」とハッキリと形になっていったことが何度もありました。 

スー 話して言語化していくことって、すごく大切な作業だよね。

“一見くだらないおしゃべり”が実は必要なわけ

堀井 この番組は、あらかじめテーマも決まっていないし、リスナーさんからのお便りをきっかけに、話が思わぬ方向に転がっていったこともたくさんありましたね。
 
スー ときにくだらないと思える話でも、人と人との"温度"を感じたり、ぬくもりのある会話をわたしたちが続けていった。そしてその様子が、結果としてたくさんの方に聞いてもらえた。
そう考えると会話の内容そのものが有意義かどうかって、実は大した問題ではないのかも。とくにコロナ禍では、友達とのくだらないやりとりって、なかなかできなくなってしまったよね。
 
堀井 わたしたちのおしゃべりが誰かの役に立っていたとしたら、ありがたいことですよね。

 スー すぐに役に立ったり、内容のある話をすることが"成長"とか"学び"だと思われがちだけど、必ずしもそうとは限らないんだよね。たまにこの番組でも話すけど、一見するとムダに見えることって実は今の時代、すごく必要なのかもしれない。 

堀井 なにか有意義な議論をするだけが、「話す」こととも限らないですよね。

 スー まぁわたしたちの話はくだらなくて申し訳ないですけど(笑)、これからも温もりのある会話を続けていければと思いますね。

第2回に続く

(ジェーン・スー&堀井美香 対談:記事リンク一覧)
【1】週に一度、会って話して見えてきたこと
【2】「おもしろおかしく」でいい。更年期も話してみる
【3】「中年は無理しない」変化する価値観、どう向き合う?