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ちょっとした愚痴

布団と毛布を両方かけると暑いけど、布団だけ毛布だけだとうっすら寒いという、微妙な気温。
相変わらず、季節の変わり目にブンブンに振り回されている。

毎月恒例の心療内科に薬をもらいに行った。

担当医師はフランクで親しみのある方だが、問診は雑談の域を出ない。
初診時に子ども時代のトラウマを笑って受け流されたことから、もうそれ以上は話すまいと決めたのだ。
この2年、とにかく睡眠導入剤と漢方薬の処方が欲しくて通っている。

本当ならもっと適した治療が受けられるよう病院を変えるべきなのだろうが、病院巡りをする気力体力がないというのが正直なところだ。
新しい心療内科を探すとなると、まず何はなくとも女性医師がいる病院を探さねばならない。男性医師に面と向かって自分の経験を話すことは考えられないからだ。
それから生活保護医療券が利用可能か確認し、予約をとる必要がある。そして医師に、自分の状態や過去の出来事を1から話さねばならない。
それを丁寧にこなしても、どういった反応が返ってくるかは未知数だ。
性風俗経験を打ち明けた途端、汚物に触れたように手を引っ込めた婦人科医や、30代にもなって親の影響を受けてるなんてあり得ないですよと断言した今の心療内科の担当医のような医師に、当たらないとは限らない。

目の前にいる生身の相手に、自分の口で性風俗や性暴力や虐待の話を語って聞かせるのは、匿名のインターネットで体験を綴ることとは比べ物にならないくらい苦痛で、困難を伴う。
わたしは自分の顔や名前と、性風俗や暴力被害の経歴が結びついてほしくないと思っている。それを知っているひとは最小限であってほしい。
医師だろうと福祉課の職員だろうと、友人知人だろうとそれは変わらない。
それにも関わらず、目の前の医師が信頼できるかどうか判断がつかないままに、それでも話してみるしかないのだから、とんでもない博打だ。

博打に負けたら、相手が反応を示すより早く、床がパカッと開いて、次の病院にシューッと落っこちていければいいのに。

当然、現実はパカッ・シューッとならないので、目の前にいる生身の相手から発散される軽蔑や不快感や不躾な好奇心を浴び、耐えるしかない。

正直、二度とごめんだなと思う。

今の心療内科の担当医がわたしのカルテをどう書いているか知らない。
けれど今のところ、雑談程度の問診で必要としている薬は手に入るので、もうそれでよしとしている。
わたしには今、睡眠導入剤も漢方も必須だ。手放せない。
まだ当分、毎月彼女のもとに通うことだろう。


病院からの帰り、ミスドでドーナツを買った。
今月も無事に処方薬を受け取れたご褒美。
3つ買って、あとひとつ残っているから、明日のおやつにする。

こんな面倒な人生を生き延びるには、これくらいのご褒美が必要だ。


では、また。

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