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287 『ブランド・ストレッチ』 by デビッド・テイラー

ここのブログが非常に参考になった。まんま引用します。


『ブランド・ストレッチ』 by デビッド・テイラー

最近、ブランドについての本を読みます。マーケティングの重要な目的はブランドを確立することなのかなと思っているからです。この『ブランド・ストレッチ』は、ブランドを確立した後に、どのようにブランドを拡張していくかを書いています。

ブランドを拡張することの主な利点は、以下の3つがあります。

・消費者の注意を引き、どのようなイメージかを知らせる手間が省ける。
・強いブランドは、消費者からの信用が厚いので、魅力的に写る。
・新ブランドを立ち上げるのに必要なコストが削減できる。

ただ、安易にブランド拡張を行うと既存のブランドを傷つけることにもなりかねません。この『ブランド・ストレッチ』で、6つのステップを示して、既存のブランドをより、強固にするようなブランド拡張の方法を示しています。

その6つのステップを以下にあげます。

1.コアの強化を強化する
2.ビジョンを構築する
3.ブランド・ストレッチの機会を見つける
4.アイディアを絞り込む
5.ブランド・ストレッチを実現する
6.ブランド・アーキテクチャを持つ

この中で、「2.ビジョンを構築する」、「3.ブランド・ストレッチの機会を見つける」、「4.アイディアを絞り込む」が、特に、興味深く感じたので、この3つを詳しく、ご紹介します。

まず、「2.ビジョンを構築する」のに大切なことは、将来からみて現在どうあるべきかを逆算することです。具体的には、
・4、5年後に、どんなブランドにしたいのか?
・どうしても、守りたい価値とは何か?
・ブランド・プロミスとは?
・個々の製品を売ること以上に大切な目的は何か?
の質問の答えを用意しておきます。

加えて、そのブランドが対象とする市場を広めに考えることが重要です。その失敗例として、エンサイクロプディア・ブルタニカをあげています。同社が高価な本を売っている間に、マイクロソフトがエンカルタというパソコン用の百科事典ソフトを販売して、気がつくと、百科事典という本の市場が消えていました。

そして、「3.ブランドス・トレッチの機会を見つける」は、ブランド拡張をどのように行うかということのアイディアを説明しています。コアとなる製品から製品ラインの拡張は以下の点を変更することを考えます。

・人(People)     新たな市場を考えます。
・購入目的(Purpose)  新しいベネフィットを考えます。
・使用時期(Period)  新しい使用する機会を考えます。
・場所(Place)     新しい流通チャネルを考えます。
・価格設定(Price)   プレミアムを得られるような価値を考えます。

ちなみに、製品ライン拡張とは、同一種類のバリエーションです。例えば、石鹸を考えると、通常の製品の他に敏感肌用石鹸などをそろえていくことを指します。

コア製品ライン拡張を超えた他分野への拡張は、1.消費者、2.市場、3.イノベーションについて、考えるとよい発想が生まれます。消費者については、トータルでの同種の経験、ライフステージの細分化、同様なライフスタイルについて、拡張を考えます。市場については、製品の本質的な特性を活かした拡張、ブランドそのもののイメージを使う、コア製品の補完などがあります。

実は、このライン拡張はイノベーションによる拡張が半分以上を占めます。それには、他のカテゴリーをヒントにする、社内の新技術や社内の他部門のアイディアを拝借や関係するサプライヤーからなどの社内の資源を活用する、競合の動きを参考にして、一番手になる、ブランドの強みを活かすなどがあります。

最後に、「4.アイディアを絞り込む」を説明します。これは、多くのブランド・ストレッチのアイディアから、どれが優れているかを評価することです。

ブランド・ストレッチをブランドの貢献度合いと事業性の二つの軸から評価します。ブランド貢献度と事業性のそれぞれについて、両方とも高い、事業性のみ高い、ブランド貢献度のみ高い、どちらとも低い、それぞれについて、ヒーロー、稼ぎ頭、ニッチ、金食い虫と呼びます。ヒーローを高く評価し、稼ぎ頭はブランド貢献度を高める方向に修正し、ニッチ、金食い虫は排除すべきです。

事業性についは、消費者側からの視点として、魅力と信頼性からの評価をします。企業側からの視点として、補完性とコンピタンスを持っているかを評価します。

以上、「2.ビジョンを構築する」、「3.ブランド・ストレッチの機会を見つける」、「4.アイディアを絞り込む」を紹介しました。これらを含む6つのステップから、実際に、ブランド・ストレッチを行う多くの示唆を得ることができると思います。

■■ 今日のエッセンス
■■
■■ ビジョン構築のに大切なことは、将来からみて逆算することです。
■■ 拡張のヒントは、人、購入目的、使用時期、場所、価格設定です。

ブランド・ストレッチ~6つのステップで高めるブランド価値
著者:デビッド・テイラー、出版社:英治出版、ISBN:4901234633

後悔度:★★★★★

★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?



フレームワークはわかりやすい。ブランド名は別にしていった方がいい。

ということですかね。
今夜はこんなところです。

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