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「絵本と育児」の講演を聞いて。

「絵本と育児」というテーマで講演会があるというので
何となく申し込んで行ってきた…ら、
私、なんでペンとノート持ってこなかったんだろうって
地団駄踏んで後悔するくらいにいいお話が聞けて、
親となった今、涙なくして聞けないくらいの感動があって、
家に帰ってから猛然とメモしたものをベースに
忘れたくないことをここに記しておこうと思います。

(投げ銭形式なので無料で最後まで読めます。2405文字)


お話してくださったのは、えほん館の店主、花田睦子さん。
京都の嵯峨芸術大学で非常勤講師もされているそう。

絵本とは、人に読んでもらうもの。
そして誤解を恐れずに言えば、絵本とは道具である。
愛情を伝えるための道具。
絵本はいくつになっても読んであげてほしい。
いつか、必ず終わりがくるのだから
その日まで読んであげたらいい。

7歳の息子は寝る前の読み聞かせが大好きで
寝るのが遅くなって、
「もう今日は本読むのなしね」と言おうものなら
泣いて抗議するくらい。
私はなるべく早く、なるべく早く寝てもらいたいし、
声に出して本を読むのは面倒だし、読みながら頭の中では
全く違うことを考えているくらいに適当に読んでいるのだけど。
(いやぁ人間ってこんな器用なことができるんだなってくらい
読むのと考えるのと同時進行でできる、お話は全く分かっていない)

でも、いつか必ず終わりが来る。
「本読もかー」といったら「いや、いいし」と言われる日が
ある日突然、しかも必ず来るのだと断言されたら
何だか急に寂しくなって、ちゃんと読もうかなぁとちょっと思う。

絵本は小さな子に読むだけのものではなく、
いくつになっても、例え中学生になっても
読んであげるもの。

0歳児~、5歳児~と対象年齢が
絵本に書いてあることもあるけれど
あれは単なる目安であって、
7歳の子が0歳児向けの絵本を読んでもいいし、
またその逆でもいい。
親はよく絵本をしつけや教育のためにと思って
選んでいるところがあるけれど、
どんな絵本がいいのかは、子どもが決めること。
どんな本を読んであげたらいいのか迷うときは、
それは子どもに選ばせてあげればいい。
たくさん読んであげて、
その中から子どもが好きな本を見つければいい。
いろいろ読んで試してみればいい。
それは親が決めることではない、子どもが決めること。
最近は、色が鮮やかでポップな本が人気だけど、
地味で色目が暗い本も読んでみてほしい。
暗い本を読んだら、性格が暗い子になるんじゃないか、
と思うお母さん方がいるかもしれません。

いいえ、そんなことはありません。
いろいろな本に出会わせてあげてください。

そう。良かれと思って買い与えた本は
たいてい息子のお気に入りになることはなく
何でもない、お話もあってないようなものが好きだったりする。

子どもは例え手の中に100億円のダイヤを握っていたって
興味がなければポイと放り出すような存在。
そんな子たちが、目を離さず夢中になって読む絵本のすごさ。

子どもが望むなら、何度でも何度でも同じ絵本を、
同じページを読んであげたらいいんです。

絵本を読んでいる間、子どもたちは喜び、楽しみを感じている。

大学で学生たちに絵本についての講義をしている花田さん。
授業で、誰でもいいから誰かに絵本を読んでもらって
感想を書くという課題を出すのだそう。
このお話が何より興味深かった。
大学生が絵本を読んでもらって、どんな感想を持つのか。

絵本を読むことから離れた学生たちは戸惑うんでしょうね
いろんな質問をしてきます。
誰に読んでもらったらいいんですか。
誰でもいいよ。
何を読んだらいいですか。
好きな絵本を読んだらいいよ。

男子学生もいるらしく

図書館の隅で男2人が絵本を読みあう姿を想像すると
笑えてきますよね(笑)

人に絵本を読んでもらって、そして思うこと。

自分が子どもの頃に絵本を読んでもらったことを思い出しました。
何の絵本を読んでもらったか覚えていないけれど、
たしかにお母さんに絵本を読んでもらっていた感触を思い出しました。
そして、自分は母親から愛されて育ったんだなということ
私もまた親を愛していたことを改めて思い出しました。

ってこのレポートを花田さんが読み上げたとき、もう涙が止まらず
一言一句ぜんぶメモしておきたいと思ったくらい。

絵本は愛情を伝えるための道具と言っていた意味が
このときようやく理解できたのでした。

何の絵本を読んでいるか、では全然なくて
絵本を読んであげること、そのものの行為もしくは
絵本を読む時間を取ってあげることで
愛情を伝えているのだなぁとしみじみ理解して、
それを面倒くさがっていた私、何なんだろって深く反省。

中には面白いレポートがあって、
101匹ワンちゃんの絵本を毎日毎日読んでほしいと
母親にせがんだことを思い出しましたという学生さん。

タイトル、101匹のワンちゃん、
101匹のワンちゃんがいました、おしまい。
って読んでくれたことを思い出しました。

って(笑)

このおかーさん、きっと私と同じタイプ(笑)
私もお話が長いときは、
話の意味が通るくらいに間を端折って読んだりするけど、
このおかーさんはさらに強者。

でもこの学生さんも、
ちゃんと母親が絵本を読んでくれたってことを覚えてて
それがしっかり愛情となって伝わっているのだから、
こんな適当でもいいんだなと励まされたり。

このお母さんもえらいですよね、
毎日毎日娘に絵本読んでって言われて、それを嫌がりもせず
ちゃんと受け入れて
「タイトル、101匹のワンちゃん、
101匹のワンちゃんがいました、おしまい」
って読んでたんですもんね、素晴らしいですよね。

もっとたくさんいろいろ良いお話があったと思うのだけど、
書き留められたのはこれが限界。
ホームページに「店長講演スケジュール」というのが載っていたので
ここをチェックして、また一般で聞きに行けそうな講演があれば
絶対行こう!って思ったのでした。

そして今しかない、子どもと一緒に絵本が読めるこのときを
大事に大事にしていこうと思ったのでした。

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