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【EZO SUMMIT トークセッション③ えぞコン! 北海道のチャレンジをみんなで応援】


2020年6月に発足した「えぞ財団」。2020年11月28日(土)EZOHUB SAPPOROにてえぞ財団の想いを載せた最大級のイベント、「EZO SUMMIT」(えぞサミット)を開催しました!トークセッション①「2030年北海道の未来に向けて 」、②「時代の変化、地方の可能性。大事なものの変化」に続き、今回はトークセッション③「えぞコン! 北海道のチャレンジをみんなで応援」をご紹介します。


◆EZO SUMMITの概要はこちら

◆【EZO SUMMIT トークセッション①】
 「2030年北海道の未来に向けて 」はこちら

◆【EZO SUMMIT トークセッション②】
 「時代の変化、地方の可能性。大事なものの変化 」はこちら

2030年までに北海道がやるべきロードマップを作りつつ、そのビジョンにむけて北海道でのチャレンジを、北海道みんなで応援していくことが大切です。そのために、北海道の各テーマの挑戦をみんなでブレストして、アイディアや知見、リソースの共有を測り、ビジョン実現にむけて進んでいければとおもいます。

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◆藤間 恭平:株式会社D2 Garage/STARTUP CITY SAPPORO事務局◆
2008年北海道新聞社入社。以後、新聞広告を活用したプロモーション、北海道ブランドの海外プロモーションなどを担当し、デジタルガレージ(DG)に出向。アクセラレータープログラム「Open Network Lab(Onlab)」に携わった後、18年に北海道新聞社とデジタルガレージの合弁会社「D2Garage」に参画 し、Onlab地方展開第1号となる「Open Network Lab HOKKAIDO」の立ち上げに参画。これまで10社のスタートアップ育成を支援。以後、19年にSTARTUP CITY SAPPORO事務局、20年に北海道最大のインキュベーション施設「SAPPORO Incubation Hub DRIVE」を開設。北海道から世界に羽ばたくスタートアップを生み出すべく日々爆走中

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◆幾世橋 歩:北海道電力 経営企画室 グループ事業統括グループ◆
1979年北海道美幌町生まれ。高校卒業までをオホーツク地方で過ごす。学習院大学法学部政治学科卒業後、北海道電力(株)に入社。役員秘書や立地環境部門での発電所立地自治体対応などに従事。日々の業務をこなす中でリカレント教育の必要性を痛感。一念発起し2018年3月には小樽商科大学大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻修了。2018年4月から経営企画室で経済団体や産業振興団体との対応や北海道内7空港民営化への参画などを担当しつつ、現在は「非エネルギー分野への事業領域拡大」というミッションを担い、新規事業開発や他企業との協業、オープンイノベーションの推進に奔走している。

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◆村田 雅宏:株式会社ウエス ディレクター◆
2007年から株式会社ウエス所属。北海道のアーティストを紹介するサイトの運営、ラジオ番組の制作、ライブハウスの運営、ブッキングなど、多くの部署を周り、2016年からはNoMaps音楽部門、イベントの企画・制作を担当。主にライブサーキットイベントを企画し、北海道にゆかりのあるアーティスが出演する「Sapporo Neutral」と国内外で活躍しているアーティストが出演する「ROCK DIVERSITY」を開催。また、高校の軽音部・サークルの公式大会を2016年に立ち上がった「北海道高等学校軽音楽専門部」と「全道高等学校軽音楽大会」を開催。現在は「全道高等学校軽音楽新人大会」を「北海道高等学校軽音楽連盟」の協力で開催している。2020年、新型コロナウイルスの影響により、様々なイベントが中止になる中、コロナ禍でも実施出来る企画としてドライブインシアター形式の上映を行う「あしたのしあたあ」に参加し、道内5箇所で映画上映と札幌芸術の森の野外ステージ、野外美術館を利会場に、野外フェスにある大音量スピーカーを使用せずに、音響をラジオに変えて世界一静かなフェスと題して「あしたのげいもり」を開催した。

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◆西尾 直樹:北海道大学 高等教育推進機構CoSTEP 特任助教◆
2005年同志社大学大学院総合政策科学研究科修了。2020年博士(ソーシャル・イノベーション)取得。2006年、産学連携組織の事業として「研究者図鑑」を立ち上げ、全国津々浦々300日で300人の研究者を映像インタビューで配信(のちの札幌人図鑑の元ネタとなる)。以降、京都にて地域人材の育成や官民のコーディネーター業務に従事しつつ、様々な職業、分野、地域の人々700人以上へインタビューを重ねている。2016年より北海道大学CoSTEPにて科学技術コミュニケーションの教育、実践、研究に携わっている。

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◆​嶋本 勇介:tomonasu合同会社代表社員/株式会社あしたの寺子屋 代表取締役社長◆
幼い頃から教員になることを目指す中、大学時代の塾講師のアルバイト中に「勉強はできるけれど、自分のやりたいことが見つからない」生徒に出会う。教員だけでなく、様々な人生を経験してきた大人が教育に関わる必要性を感じ、教員にならない教育の道を志すように。学校の外からビジネス・仕組みづくりの観点で教育に関わることを決意し、4年間デロイトトーマツコンサルティング合同会社で経営コンサルタントとして勤務。大手電機メーカーの全社改革や新規事業開発等のコンサルティング経験を経て、2019年に札幌へUターン。tomonasu合同会社を創業。

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◆小塚 崇彦:一般社団法人日本フィギュアスケーターズ協会代表理事、フィギュアスケーター◆
1989年2月27日、愛知県名古屋市でフィギュアスケート一家の長男として生まれ、3歳でスケートに初挑戦し、本格的にフィギュアスケートを始める。
2010年バンクーバー冬季オリンピックに出場し、総合8位。2011年世界選手権では、2位となる。現在は、トヨタ自動車所属として、フィギュアスケートを始めとするスポーツの普及に取り組む。
また野球、サッカー、ゴルフ、モータースポーツなどのスポーツ経験を活かし、スケートの用具開発や一般社団法人日本フィギュアスケーターズ協会代表理事など様々な方面で活躍。
昨年は札幌、旭川、苫小牧をはじめ各地でスケート教室を開催し、札幌2030招致を含めたウィンタースポーツからの北海道の盛り上げにも挑む。


【えぞコン!】チャレンジしているゲストと考える「これからの北海道」

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成田:1つめと2つめのトークセッションでは「2030年までの北海道に向け、こんなことをやらなきゃいけない」とか、「こういう変化の時代だよね」という話が出ました。そうしたことを把握した上で、具体的に各ジャンルにおいてチャレンジをしている人を紹介しながら、そのチャレンジについてみんなで考えるという時間にしていきたいと思います。
今回は「えぞコン」というような感じで、北海道でチャレンジするベンチャーやエネルギー、エンタメ、インフラ、教育、スポーツなど本当に大事な各ジャンルの方に集まってもらいました。それぞれ北海道で頑張っている方々の話を聞きながら自分のチャレンジに繋げて頂けたらと思います。
今回のメンバーは西尾さん、幾世橋さん、嶋本さん、藤間さん、村田さん、小塚さんです。それでは順番に4分程度お話しいただきます。まずは藤間さんからお願いします。

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「北海道のスタートアップ業界を盛り上げたい」 #スタートアップ #ベンチャー

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藤間:ベンチャーや北海道のスタートアップを盛り上げたいということで登壇させていただきました、藤間と申します。よろしくお願いします。北海道新聞社に入社をして、諸々ありまして2018年に北海道のスタートアップを応援・支援する会社「D2Garage」を立ち上げました。今もそういった札幌・北海道で活躍するスタートアップのご支援をさせて頂いております。
スタートアップの定義を最初にご説明しますと、弊社でいうスタートアップは、これまでの世界を覆した新たな世界の変革にチャレンジする企業だったり、投資などを受けながら短期間での急成長を目指す企業、世にいうベンチャー企業みたいなものを思い浮かべていただければいいのかなと思っています。

「D2Garage」という会社で勤務していまして、北海道でスタートアップエコシステムの構築を目指してイノベーションを加速するというビジョンを持っています。そのもとで、Open Network Labだったり、スタートアップ企業への直接投資で支援したり、あとは札幌市と一緒になりながらスタートアップと一緒につくっていく『次世代のまちづくりプロジェクト』をやっていたり、北海道新聞社の中にインキュベーション施設、コワーキングスペースを作ったりしてスタートアップ界隈の支援をさせて頂いてます。


『Open Network Lab HOKKAIDO』は、北海道にシナジーのある1次産業や観光などアイデアを持っているスタートアップを、アクセラレーターとして3ヶ月間で事業化まで持っていくプログラムです。これまで3年やって14チームが卒業して多方面で活躍してます。これまで投資したスタートアップは
1次産業×テクノロジー系の会社、AIを活用している会社、最近だとバイオヘルスケア系、ドローン会社など、そういった会社にもご投資させて頂いております。皆さんあまり見たことないと思うんですけど、札幌、北海道に何かしら拠点を置きながら活動しているスタートアップにハンズイフという形でご支援をさせて頂いているのが、弊社のポジションです。


札幌市と一緒に『STARTUP CITY SAPPORO』というプロジェクトも行っています。これは高校生や大学生へのアントレプレナーシップ教育、あとは国内外のスタートアップのアイデアをまちに実装して、新しいまちづくりを目指すプロジェクトですね。今年の7月にはSAPPORO Incubation Hub DRIVE(サッポロインキュベーションハブ ドライブ)というコワーキングスペース兼インキュベーション施設もオープンさせてもらいました。
北海道新聞のビルの2階にあり、アイデアを持った方がここに来て色々な繋がりを得ながらアイデアを形にしていくという空間を作っています。コミュニティマネジャーがいたりとか説明したアクセラレータプログラムと連携して資金の出資をしたりとか、あとは北海道新聞社のネットワークを使っていろんなメディア発信のお手伝いをさせて頂いております。


今北海道でのスタートアップムーブメントってどうなんだろう?という時に、資金調達額みたいな一つの数字としてみた場合、やっぱり東京にスタートアップが集中していて北海道のスタートアップも東京に出ていって資金調達している状況がある。こういった状況を変えていきたいと思ってます。
また、2030年に向けて北海道に行ってもアイデアを形にできる社会の実現というのを構築していきたいと思っています。

成田:藤間さんありがとうございます。さすがピッチ慣れしていますね!笑 続きまして、村田さんよろしいでしょうか?


「北海道のエンターテイメントを盛り上げたい」#エンタメ

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村田:北海道でイベントの企画制作を行っている株式会社ウエスという会社に所属して、NoMapsという事業でイベントの企画を担当している村田と申します。よろしくお願いします。
今日はこんな豪華なメンバーの中に自分が入るのはどうかなと思いつつも、北海道でエンタメ事業に関わる一人として、『北海道のエンターテイメントを盛り上げたい』というテーマで参加させてもらいたいと思います。

まず皆さんにお伝えしたいのが、今年のエンタメの状況です。皆さんご存知かと思いますが、ライブエンターテイメントは北海道に関わらず、新型コロナウイルスの影響を受けて、自治体とかで行われるイベントも音楽フェスもライブハウスやホールで開催されるライブもかなりの数が延期中止となっており、NoMapsも色々考えた結果、今年はオンラインがメインでの開催となりました。
そんな中今年オフラインで開催できたのは、札幌芸術の森の野外ステージと野外美術館を会場に、来場者一人一人が自分のラジオを持って映画と音楽を楽しむという、日本全国見渡してもあまり類を見ない「あしたのげいもり」というイベントを開催することができました。


このイベントは、コロナ過でもみんなに楽しんでもらえるようなイベントが出来ないかと考えたものです。NoMapsを通じて出会ったメンバーと考え、ドライブインシアター形式のイベントであれば可能性があるかもしれないというアイデアを基に、「あしたのしあたあ」という名前で旭川、江別、登別、岩内、岩見沢と開催していった中で思いついたものでした。
当日は数百人の方にご来場いただきまして、予想以上に素晴らしいイベントが開催できたのではないかなと思っております。


北海道のエンターテイメントに話を戻しますと、皆さんまずは北海道出身のアーティストやタレントを思い浮かべてみてください。結構いると思うんですが、そのアーティストとかタレントが地元にいた時から知っていたという人ってほとんどいないかなと思うんですよ。自分はウエスという会社に入って様々な仕事させてもらっているんですけども、個人的なテーマとして思っていたのは「北海道のアーティストを北海道の人に応援してもらうことってできないんだろうか」ということでした。
先ほど伝えたように、コロナ過で道外からアーティストが来てライブをするような事が今難しいですけども、こんな時代だからこそ北海道の皆さんが応援してくれるアーティストやタレントを生み出す時なのかもしれないなと今考えているところです。

イベントが出来ないのか考えた結果、「あしたのげいもり」というイベントを開催できたように、今日はEZO SUMMITに参加してくれるみなさんと北海道のエンターテイメントを盛り上げたいというテーマのもと、2030年には道民が応援しているアーティストが必ず北海道にいるという時代を作りたいなと思ってますので、エンタメに関わるお仕事をされている方は少ないとは思いますが、今日はこれを自分事としてお考え頂いて、皆さんと一緒に盛り上げていきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

成田:ありがとうございます。沖縄で言うと、オレンジレンジは全コンビニでかかっているらしいんですよね。応援し合って新たな何かが生まれる、そんな文化ができるといいなという話をよくしています。
続きまして、北海道電力の幾世橋さんお願いします。


「北海道の電力・インフラの将来ビジョンを考えたい」 #エネルギー #インフラ

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幾世橋:よろしくお願いします。北海道電力の幾世橋と申します。今色々と会社が既存事業だけだと厳しくなっている中で、これから何をしていこうか探索するために外に出て色々お話させて頂いたり、お話を聞かせて頂いたりしているところです。
私どもはちょうど今年の春に『グループ経営ビジョン2030』というのを作りましたので、それに基づいて、これからどういうことをしていこうかというところをお話させて頂いて、色々ブレストしていければなと思っております。

トークセッション①で富山社長からもありましたように、これからの北海道では先進課題がいよいよ顕在化してくると思われます。私どもは地域との共創ということで、色々な社会課題の解決に貢献していきたいと考えております。

当然私どもは地域と一緒に成長していきたいと思っていて、そのためにどういう取り組みをしていくかというところは少し紹介させて頂きます。
我々が北海道の電力系統を担っていることは、電力の自由化が進んでる今でも変わらないと認識しています。その辺を使って課題先進地である北海道の生活の質の向上のために何ができるかということを考えると、VPPやマイクログリッドなど旬な話もありますけれども、2018年の地震の反省も踏まえて災害等のリスクに備えた設備形成をしていきます。IOT等を活用した新サービス、まさに生活の質の向上ができることであるとか、総合エネルギー企業として北海道に貢献していきたいと考えています。

そういった本業がある中で北海道には非常に多くのポテンシャルがあるということも皆さんおっしゃられている通りで、イベントであれば2030年にはオリンピックやパラリンピック、新幹線という話もあります。
今私どもはちょっと厳しい状況にはなってしまいましたが、空港の民間委託にも参画していて、具体的に北海道の将来のために何ができるのかを考えているところです。

そういうことでエネルギーを外に出て考えた場合に、1次産業の発展、観光振興、ものづくりの拡大、人口減少・高齢化への対応と色々なところで我々が関わっていける素地があるのではと考えています。
既存事業があるうえでどのようなはみ出し方をしていきたいのかというと、海外での電気事業とかは北海道の課題からは遠いですが、地域創生につながる事業なども考えていきたいと思っています。エネルギー、インフラもさることながら、それ以外に私どもが持っているリソースで何ができるかということも皆さんと一緒に考えていきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

成田:ありがとうございます。北海道新聞さんや北海道電力さんがこのような取り組みにジョインしてくださるというのは物凄い力になりますので、ぜひ一緒にやりましょう。
続きまして北海道大学からお越し頂きました西尾さんです。よろしくお願いします。

「大学と地域、パートナーシップの時代へ」 #地学連携  

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西尾:皆さんこんにちは。西尾と申します。『北海道大学CoSTEP』という組織の特任助教をしています。北海道大学に来る前はもともと大阪の枚方市という所で育って、学生時代からは京都に住み、5年前に札幌に来ました。まだ5年目の新参者ではあるんですが、もうすっかり胃袋と肝臓は完全に道民になっておりまして、お腹の方もおかげさまで成長しております(笑) 。
色んな経歴があるんですけど、簡単に言うとインタビュアーとコーディネーターと人材育成みたいなことを、色んな組織や産官学民の間のところでやってきました。

CoSTEPでは『科学技術コミュニケーション』の教育、研究、実践をしています。科学技術コミュニケーションとは何かというと、まず科学を伝えるということもそうなんですが、それに加えて市民が専門家と対話をしながら新たな価値をつくっていく、というコミュニケーションもあります。
そういう意味では双方向性みたいなものも大事にしていて、平たく言うと、専門家と市民とか大学と社会というのを繋ぐ人材を育てているということですね。学生だけじゃなく社会人も受講していて、2005年に設立してから1,000人以上の修了生を輩出してきました。それぞれ色んな場所にいますが、e-learningのコースがあるので北海道だけでなくて、本州や遠くは韓国からも受講者がいます。
実際にどういうことをしているかというと、例えば記事や映像など取材を通じて研究者の研究を伝えるコンテンツだったり、、あとはサイエンスカフェという形で専門家と市民が語り合う対話の場を作ったり、アート作品で表現している展示を作ったりと色々とやっています。


ただ、双方向と言いながらも専門家とか大学側からのアプローチが根強くあります。そこで今回地域と大学のパートナーシップをテーマにやっていきたいと思っておりまして、キーになるのが『トランスサイエンス問題』です。

これまで社会に何か課題があったら専門家がアドバイスをして解決するという形を取られていましたが、今のVUCAの時代になってくるとそれができなくなってくる。そういう意味で社会と科学の狭間のところはトランスサイエンス問題といって、地域の人々とのコミュニケーションだったり、ステークホルダーとの会話というのが非常に重要視される。つまり地域と大学のパートナーシップが鍵となる問題となっています。
原発問題とか新型コロナウイルスなどまさにトランス問題なんですね。その中でなかなか地域と大学のパートナーシップをとるのは難しいんですが、一つ良い事例があったので、紹介をしたいと思います。

厚真町で工学研究員をしている岸先生という交通計画の先生がいまして、その方も以前から色んな地域で活動されてたんですが、やはり大学が地域に入ってもそこから継続していくことが難しい等の課題がありました。
そんな折に団長の成田さんが交通をテーマにした起業だったり、厚真町のコミュニティスペース『イチカラ』を立ち上げるタイミングもあって、そこでコラボレーションをしたんですね。その岸先生は、「もうこれまでに色々取り組んできた中で限界を感じたけど、成田さんとの出会いによって何か次のステージに行ける気がする」という、そういう地域の担い手となるような人との出会いというのは凄く大きいということをおっしゃっていました。
本当ならもっと色んな地域にこういう担い手がいると思うんですが、やっぱり大学とそういう人たちとの接点っていうのはまだ全然できていないので、私はこれらの問題に取り組んでいきたいなと思います。

私は札幌にくる前、いろんな地域で活躍する人たちを取材してきました。本当は地域の中に担い手となる人はいっぱいいるのに知られておらず、とてももったいない。そこで、そういう人たちを見える化してつなげる『漢方型メディア』というのを自分で考案して、「〇〇人図鑑」というのを展開してきました。このEZOHUB SAPPORO利用者でもある福津京子さんの「札幌人図鑑」も、この「〇〇人図鑑」のテンプレートが使われています。
この札幌人図鑑が今、札幌でいろんな人の可視化になっているということで、このような事例をどんどん広めていくことによって、いろんな人たちが繋がるような、人の情報発信できるような大きな仕組みを作っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。


成田:ありがとうございました。では続きまして、教育について取り組んでいる嶋本さんです。よろしくお願いします。

「どの地域に生まれても平等に教育をうけさせたい」 #教育

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嶋本:よろしくお願いします。嶋本と申します。僕は「居場所」「個別最適な学び」「ロールモデル」との接点・機会に関する地域間格差を解消したいと思って、これから色々活動したいと思っています。
もともと札幌出身で、2019年に札幌にUターンして帰ってきました。4年間東京で経営コンサルタントの仕事をしていて、去年札幌に帰ってくる中で教育の問題や現地を回りながら気づいたことを発信したりとか、コミュニティ関係のイベントをやったりだとか、その中での気づきをベースに新しいサービスや地域課題の解決を取り組んでいきたいと考えています。

コロナ禍での教育業界の変化について皆さんと振り返りたいのですが、N高校には今15,000~20,000人いて、S高校を作るなど非常に新しい動きがでてきています。それまでは、オンラインではスタディサプリのような5科目中心のサービスがとても多かったのですが、臨時休校のタイミングで色んなものが出てきました。
有名なところで言うと、本田圭佑さんが作った1ドルで通える『NowDo』だったり、RADWIMPSの野田洋次郎さんとか建築家の隈研吾さんの話とかをタダで聞けたりする『InspireHigh』などがあります。『みらいラボ』は僕らで立ち上げたのですが、高校生が日本全国の大学生の話を全国どこからでも無料で聞ける。

そしてGIGAスクール構想で一人一台タブレットが配られるようになり、実際につながれるようになったなと感じています。僕自身、サービスを作っていく中とか一緒に作っていく方々と話してく中で「教育ってオンラインで課題解決されたんだな」って思いました。
ただ振り返ってみると、休校中に学校提供のオンライン教育を受けている割合でさえ、年収600万円以上の家庭とそれ未満では20%も違うんですよね。キャリア教育とかではなくて、5科目のオンライン教育でさえこの差がある。あとはこれは僕らが単純にマーケティングが弱かったっていうのもあるんですけど、高校生みらいラボの受講生は北海道でいうと、札幌、函館、旭川だけなんですよね。なんのためにオンラインで誰でも会えるものを作ったのかっていうと、人口5,000人とかのまちにいるような、なかなか他の人たちに会えない人たちが、世界や社会に可能性を開いていくために作ったんじゃないのっていうことを改めて思いました。

それで悔しかったんで、言いにいったんですよ笑 。「こういうのあるから使ってみなよ」と。するとある人口5,000人の町の中学生の言葉が「ん~、興味ないかな。自分でいろいろ考えても無駄でしょ。クラスの中でのキャラだって決まっているし、誰かが応援してくれるわけでもない。親に言っても農家になれと言われ、学校に言っても、それなりに勉強しとけばいいじゃんと言われる。『なんか頑張る必要あるの?』って言われる環境で、なぜ今これ見なきゃいけないの?」というものでした。
それで返す言葉なくて、オンラインだけじゃだめだなと思いましたね。1回限りのめちゃめちゃいい人の話を聞くだけじゃ絶対だめだと。どちらかじゃなくて、どっちも必要なんだっていうことを改めて思いました。オンラインでいろんな人と会える空間も必要だし、オフラインで継続的にやっていくことも大事だと。
やっぱり僕らも自分の経験を思い出すと、幼少時代にサッカーを一緒にやってた兄ちゃんに「いいからこれ一緒にやろう」って言われた事って100%やったんですよ。WEB上に出てくる広告を見て、これをやろうと思ったことってやっぱりないはずなんですよね。その両方が必要なので、過疎地や離島山間地域を中心に1,000通りの居場所を作っていって、それをオンラインで繋げるということをやっていきたいと感じています。

そういう場所って世の中的に沢山あって、例えばおでん屋とかで塾をやってるんですよね。地域の大人と一緒に学んでいくみたいなことをやっていて、そういう人たちって、悩んでいることで言うと、生徒同士のコミュニティと大人同士のコミュニティが足りていない。
拠点同士も大人同士も繋がって教育や議論をできる場所、生徒同士のオンライン部活、そういう場所を1,000拠点作っていきたいです。それも、1,000拠点20人ずつ通えばN高と同じくらいの2万人になるわけですよ。このような場所を北海道に何百拠点も作っていって、そこ同士をつなげていくっていう事が出来たらなと思っています。

成田:ありがとうございました!それでは小塚さんよろしくお願いいたします。


「北海道で2030までスポーツを盛り上げたい」 #スポーツ

小塚さん


小塚:よろしくお願いします。フィギュアスケーターの小塚崇彦です。皆さんほどのちゃんとした肩書はないんですけども、オリンピックに出たりとか国際大会に出場したりしていました。
現在はスケート教室を運営したり、スケートの金属の部分であるプレートを作ったりして、スケーターの支えになるように頑張っています。成田さんとはトヨタ自動車時代の同僚ということで北海道での支援を色々として頂いていて、松田編集長とは実は飲み仲間です笑。

本当にいろんな方を通して北海道での活動が増えてきましたが、僕の活動は2つで、フィギュアスケーターを増やしたいということ、あとはオリンピックをもっと感じてもらいたいという2つになります。
1つめのフィギュアスケーターを増やしたいという意味では、『カンパイ★ファンディング』に相談して、北海道でのオリンピアンを作りたいということでお話をさせていただきました。北海道には北海道生まれの高橋成美さんがいらっしゃるんですけども、残念ながら一週間でこの地を去ってしまっているので、フィギュアスケートでオリンピックに出た方の中では、北海道出身とちゃんと言える方がまだいないのかなと思っています。
その代わりにスキーやカーリング、スピードスケートショートトラックなどたくさんのオリンピアンが輩出されていて、『北海道オールオリンピアンズ』という会があります。そこには450名のオリンピアン・パラリンピアン・スペシャルオリンピアンが登録をされていて、間違いなく北海道は環境としてすごくいい場所ではあるのですが、なかなかフィギュアスケーターのオリンピアンが育たないというのが現状です。
かと言って選手がいないというわけでもなく、僕は道東などでフィギュアスケーターが凄く多くなってきていると感じているので、是非その技術を教える人が内地の方から今よりも多く北海道中に来たらいいのかなと思っています。

最近北海道に行かせて頂いて、道東で『内地』という言葉を使ったら、「もう小塚くん随分北海道の人だね」っていう風に言われたんですけども、そんな風にまず僕自身が少しずつ北海道を知ってそこから活動していきたいということで、色んな方にお会いさせて頂いています。
今回このような形で沢山の方にお会いできるのは、僕にとって情報を集めるひとつのきっかけになると思うので、大変楽しく参加をさせてもらっています。

そして活動の2つめ、オリンピックについては、本当は今年の2月に『ウィンタースポーツフェスティバル』というものを開催しようと思っていました。これはフィギュアスケートをはじめとする、様々な氷の上の競技を実際に氷の上で体験をして、まずは知って・感じて・見て・学んで、その後に考える…そういった教育の場があればいいなという思いでイベントを開催しようと思っていました。


残念ながら新型コロナの影響で開催できずに中止になりましたが、もし開催できていたらとてもオリンピックを感じられるイベントになっていたと思います。
オリンピックには開会式がありますよね。開会式までの間に、聖火リレーをちょっと文字って、『聖電気』ということにして(※「聖火」は大人の事情で使えないため)聖電気リレーということで、選手の皆さんに電気を指さしてもらいそれをSNS上でつなげたり、開会式では実際に大物歌手の方に国家斉唱していただいたり…ということを計画していました。
最後は車の電源をぽちっと押して聖電気がつくっていうような仕掛けをしたり、体験会では氷の上と陸上それぞれで氷の上のスポーツを体験できるような仕掛けというのを用意したり、さらに閉会式も行ってその1日でオリンピックを感じてもらうというイベントになる予定でした。
残念ながら開催はできなかったんですけども、来年開催できればなと考えていますので、是非皆さんにも参加していただけたら嬉しいです。

今『東京2020』が開催できるかできないかが危ぶまれているところです。
北海道でも競歩やマラソン、そしてサッカーも開催される予定になっていましたね。できるかどうかっていう風に考えるのではなく、是非できる方向で最後まで一緒に粘ってもらいたい。東京2020で得た知識がそのレガシーとして残って『札幌2030』繋がっていくと思うので、是非皆さん、最後の最後まで一緒に粘り強く支援をしていただければ嬉しいなと思っています。ありがとうございました。

成田:ありがとうございました。オリンピックを推進している橋本聖子大臣も安平町出身ですし、2030オリンピックがあるので、今までの小塚君の活動が理解されればいいなと思っております。
これにて「えぞコン!」を終了したいと思います。ありがとうございました!


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富山:みなさん、長時間どうもありがとうございました。今回のEZO SUMMITは非常に新しい試みで、オンラインとオフラインでの開催となりまして、団長を始め事務の皆さんがセッティングを頑張ってくれました。ありがとうございました。
各セッションで話し足りないくらい本当に色んな事がありましたし、こうやってみなさんが集まって色々なことが議論できるというのは、凄く素晴らしいと思っています。そして、これをスタートとしていろんな話ができればいいと思っています。

いまえぞ財団はまだスタートして半年くらいなんですが、本当に色んな方に集まって頂いて、非常に可能性を感じています。本当はオンラインで参加している皆さんがここで繋がれたらと思うんですけれども。

なので今えぞ財団では『えぞ財団図鑑』というWebページも立ち上げようとしています。誰がどこにいるのかわかって、「全道色々なところに行けばそれぞれの先に団員がいるよ」いうようなカタチでつながれるようにして、皆さんの間で『良いたくらみ』をしてもらって「こういうことに参加したい」「こういった人とつながって何かやりたいな」といったひとつひとつが北海道を推し進めていくことになればいいなという気持ちでやっています。
積極的に行動しなかったとしても、知ることで周りに影響を与えたりということで少しでも前向きなことにつながればと思います。コロナが大変ですけれども、本当にコロナが明けた時にリアルでみなさんでワイワイやれたらいいなと思います。

本日はありがとうございました!

(編集:伊藤はるな)


◆EZO SUMMITへご参加いただいた皆様、記事をご覧いただいた皆様、どうもありがとうございました。こんな時代だからこそ、前向きにチャレンジし続けるコミュニティであり続けられればと思っています。
今回のイベントを通じて、何かしらの気づきやヒントに繋がれれば嬉しい限りです。◆

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