雑味が残る01

雑味が残る。

珈琲とか、ワインとか、その領域では特に使われる表現。ボンヤリとした、なにか別の味が混ざっている感じ。味覚的異物感。望みの一色に染めきれないおぼろげな不満。あるいは、狙っている純度を保てないことを割り切れない薄いストレス。そんなニュアンスだろうか。

実は、仕事の自己評価でも類似の感慨に包まれることがある。クライアントやその先では、それなりのリアクションがあったとしても、自分の中ではあるひっかかりが残ることがままある。プロデュースはもちろん、コピーでも、クリエイティブディレクションでも、ファシリテーションでも、もっとこうすれば良かったとか、あそこはあれじゃないなとか。
能天気に生きていきたいと願っているが、一方で当然後ろを振り返ってもいる。反省と言うほど殊勝ではないが、つい改善点を見つけてしまう。すると、もっといい味を求めて、アタマが回り始める。理性と言うより、どちらかと言えば食欲に近い。強欲とわかっちゃいるが、ホントはすべて納得したい。後味よろしく、雑味は極力消したいと思うのである。

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・夕方、後がないならもうワイン。今日という日を反芻しつつ。