「具体化」と「抽象化」の思考法
自分で考える力を身につける
〈目次〉
1.はじめに
2.思考の質を向上させる「具体化と抽象化」
3.具体化の思考のスキルを身につける方法
4.抽象化の思考のスキルを鍛える方法
5.おわりに
1.はじめに
先行き不透明な現代において、私たち一人一人が自ら考える力が求められています。
そんな考える力を向上させる上で、「具体化」と「抽象化」という思考法を身につけておくことは、とても有効です。
今回は、ビジネスに限らず、あらゆるシーンで活用できる「具体化」と「抽象化」という思考法について解説したいと思います。
2.思考の質を向上させる「具体化と抽象化」
①具体化とは
具体化とは、「漠然とした物事をはっきりとした形にすること」を意味します。
抽象的な法則や傾向などをもとに、アウトプットを生み出すための思考法です。
例えば、ある物事の傾向をもとに、新たな商品企画のアイデアを具体的に考えることができます。
②抽象化とは
抽象化とは、「複数の情報に共通する要素を抜き出すこと」を意味します。
重要ではない細部の情報を取り除き、物事の本質をとらえるための思考法です。
例えば、ある成功事例のやり方をそのまま踏襲するのではなく、成功の共通点はなにか?と抽象化することで、自分の状況に置き換えて考えることができます。
3.具体化の思考のスキルを身につける方法
上司や周りから「具体的にはどういうこと?」と言われることが多い方は、まずは物事を具体化することから意識してみることをおすすめします。
①「5W3H」
何から具体化したらよいか分からない」という場合は、「5W3H」というフレームワークに当てはめて物事を整理しましょう。
When(いつ:時間)
Where(どこで:場所)
Who(誰が:人物)
What(何を:課題)
Why(なぜ:理由)
How(どのように:方法)
How Many(どれくらい:規模)
How Much(いくら:価格)
説明や報告を行う前に、抜けている要素はないか。また「5W3H」にそって問題や課題を整理することで、トラブルの原因の特定や改善策の検討などを抜け漏れなく行うことができます。
②実務で使うには?
具体化の思考スキルが特に役立つのは、第三者に情報を正確に伝えたり、アイデアを実行したりする場面です。
抜け漏れなく情報を伝えることで、相手との解釈のズレをなくすことができます。
また、アイデアが漠然としていると、「どこから手をつけてよいか分からず、なかなか行動に移せない」という状況に陥ってしまうこともあります。
例えば、業務効率化の改善プロジェクトにおいて「5W3H」を使うことで具体的な計画や実行に落とし込むことができます。
4.抽象化の思考のスキルを鍛える方法
上司や周りから「要するに、どういうこと?」と言われることが多い方は、まずは物事を抽象化して伝えることを意識してみることをおすすめします。
抽象化の思考のスキルが特に役立つのは、物事の全体感をつかんだり、第三者にイメージを伝えたりする場面です。
何かを説明する際に、各論から話し始めてしまうと、話の全体像がとらえられず、その結果、相手にうまく伝わらないことがあります。
「今から話すのは、要はこういうことです」と最初に話の方向性や大枠を示した上で具体的な説明を行うと、より伝わりやすくなると思います。
5.おわりに
具体化の思考法と抽象化の思考法は、いずれも一朝一夕で身につくスキルではないと言われています。
上司や取引先とのコミュニケーション、ミーティング、資料作成、私生活のさまざまな場面において、実際に試してみることで、すこしずつ身につけていくことができると思います。
以上
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