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春の和歌紹介

春の和歌を見ていきましょう。百人一首から!

花さそふ 嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
詠み人:入道前太政大臣(にゅうどうさきのだじょうだいじん)
現代語訳:桜の花を誘って吹き散らす嵐の日の庭は、桜の花びらがまるで雪のように降っているが、実は老いさらばえて古(ふ)りゆくのは、私自身なのだ。

うまいっ。うまいですね。さすが。太政大臣つかまえて「うまいですね。」じゃないんだよ。「降る」桜に「古」くなっていく自分を重ねた掛詞。日本語に同音異義語が多くて良かった。強風で舞う桜。儚い命。お洒落ですね。誰ですか、洒落に「駄」とか付けたのは。本来粋で洒落だったのです。「花さそふ」は、春の嵐が桜を誘って吹く、という意味。お洒落ですね。ああ、お洒落だ。まあ、インターネットが無いと日本人はぼーっと自然を見て100個思うことがあるのだ。和歌の自然観を感じるたびに、地球温暖化のない時代に生きたいな…と思う。異常気象が怖いから。とにかく当時の権力者は、こんなに洒落ていたのか…。私は人の性的なスペックの要素に「和歌が上手い」が入っている世界線がかなり好きなので、当時の文化を復活させたいのです。つまりアウトプットのセンスを簡単に見ることが出来て欲しい。

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
詠み人:周防内侍(すおうのないし)
現代語訳:短い春の夜の、夢のようにはかない、たわむれの手枕(たまくら)のせいでつまらない浮き名が立ったりしたら、口惜しいではありませんか。

はーセクシー!色気の塊!
陰暦2月頃の月の明るい夜、二条院で人々が夜通し楽しく語らっていた時のこと。周防内侍が眠かったのか何かに寄りかかって「枕がほしいものです」とつぶやき、すると時の大納言・藤原忠家(ただいえ)が、「これを枕にどうぞ」と言って自分の腕を御簾の下から差し入れてきた。要するに、「私と一緒に一夜を明かしませんか」とからかった。それに対し、内侍が機転をきかせてこの歌を詠んだのだ。ウケたでしょうね。とのこと。忠家と恋愛譚に発展しているので周防内侍が忠家のことをキモおじと思っていたかちょっと気になるワ♡と思っていたかわかりませんが、キモおじと思っていた場合飲み会でのセクハラに対してこんな返しをしなければならないなんて平安貴族は大変ですね…けれど勉強になるというか、これがキモおじではなく好きな人だったら、こういう風に返せばちょっと「えっ///おもしれー女」となりますね。彼女は他にもセクシーな和歌を詠んでいます。女性の性欲を日本で初めて表象した女???平安の与謝野晶子じゃん。逆か。

今気づきましたが、私はどうやら百人一首の短歌1つに対して100個言うことがあるようだ。長くなってしまうのでこのへんでやめよう、、、




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