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企業の元社長です。数多くの困難とほんの少しの喜びの日々。感謝と反省以外の思いは封印し、…

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企業の元社長です。数多くの困難とほんの少しの喜びの日々。感謝と反省以外の思いは封印し、自分の知識や経験をこれからの人のために。時々の書評や音楽評は箸休めにつき読み飛ばして下さい。保護猫里親です。

最近の記事

コロナといた夏 #安倍首相辞任に思うこと

東京オリンピックでの日本勢メダルラッシュの興奮も冷めやらぬ中、パラリンピックの序盤、酷暑のなか早くもいくつかのドラマが生まれつつあった...今年の春先までだれもがそんな光景を予想していた2020年8月最後の金曜日の夕方。 かわりに現実のトップニュースになったのは、コスプレまでして自ら誘致したオリパラの1年延期を余儀なくされ、レガシー(政治的遺産)のひとつを失っただけでなく、ご自身の健康すらそこねてしまった安倍首相の辞任の報道でした。 ちょうど1年前にはフランスの

    • ファレルとJAY-Zによる正しい弔意の示し方 #Entrepreneur

       先日お亡くなりになった俳優さんへの弔意の寄せ書きをめぐって、炎上した先輩格の俳優さんが謝罪に追い込まれていました。好感度の高いこの方は、お亡くなりになった方と親しかっただけに、なんの疑問も持たずに書き、なごやかに写真を撮り、SNSにアップされたのでしょう。  話は変わりますが、ファレル・ウィリアムスがJAY-Zをフィーチャーした新曲 Entrepreneur のオフィシャルビデオがYouTubeにアップされました。 BLM(BLACK LIVES MATTER)の流れ

      • 女性管理職比率の政府目標が大幅未達 国と企業がかかえる矛盾

        1. 政府が17年かけた目標達成率が25%? 8月15日の帝国データバンクの発表によれば、2019年の女性管理職比率は平均で7.7%(前年比0.5ポイント増)でした。  政府目標だった「2020年までに少なくとも30%」は大幅な未達に終わったことになります。ちなみに現在女性管理職比率30%以上の企業は7.1%(前年比0.3ポイント増)でした。  同調査では約半数の企業が、今後も女性管理職登用を推進させていく、とした一方で、今後その数が「増加する」とみる企業と、「減少する」

        • 詐欺師が会社にやってきた 社長がM資金詐欺にひっかかる4つの理由

          1.ある日の役員応接(わたくしの経験。しかも2度) 客:「ところで、○○さん。ご苦労も多い中、あなたは本当に頑張っていらっしゃる。今日はそんなあなたを応援するつもりでまいりました」 わたくし:「恐縮です」 客:「実はここだけの話ですが、国は産業の育成と国家の発展のため、ごく少数の選ばれた経営者だけが手にでき、自由にご利用頂ける資金を管理しています。今回この資金をあなたに委ねるにあたり、わたくしが仲介させて頂くことになりました。この資金は、無利子、無担保、無税、使

        コロナといた夏 #安倍首相辞任に思うこと

        • ファレルとJAY-Zによる正しい弔意の示し方 #Entrepreneur

        • 女性管理職比率の政府目標が大幅未達 国と企業がかかえる矛盾

        • 詐欺師が会社にやってきた 社長がM資金詐欺にひっかかる4つの理由

          サマソニのない夏

           思いおこせばちょうど1年前。20周年アニバーサリーイヤーということで例年以上に大物が目白押しだった2019年サマソニ。最終日のマリンスタジアムの大トリはあのチェーンスモーカーズ。かれらもよかったけど、盛り上がったのはその前を務めたZEDD。音響やビジュアルまで含めた迫力あるステージアクトの素晴らしかったこと!  東京オリンピック・パラリンピックの影響で、もともと20年8月のサマソニは計画されておらず、9月の連休に今年限定のスーパーソニックが予定されていました。  し

          サマソニのない夏

          思い当たる人は要注意 急加速しそうな#働き方改革 その②

          1.オリコのケース 8月14日の日経新聞によれば、4月に就任したばかりの飯盛新社長が以下のような考えを明らかにしたそうです。 ①RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)活用で定型業務を自動処理、審査業務も自動化して事務処理体制を改革し、600人分の仕事量を削減 ②一部の部署で採り入れている週休3日制の対象拡大、出社人数を調整 ③人事政策は成果で処遇する「ジョブ型」へ  元経営者としての想像ですが、以前から温めていたお考えを新社長方針として、またコロナに

          思い当たる人は要注意 急加速しそうな#働き方改革 その②

          思い当たる人は要注意 急加速しそうな#働き方改革 その①

          1.あらゆる危機を機会にしたい経営者  コロナ禍による4月以降の在宅勤務や時差出勤が現在も部分的に継続している企業もあると思います。いったんはおさまりかけた感染者数も再増加に転じてます。なので今後の会社方針もはっきりしないまま夏休みモードに入ってしまった、という人も多いのではないでしょうか。  企業は第一四半期決算の発表を終え、第二四半期も8月か、9月まで。その後は下期を迎えます。一部の好調企業を除き、上期にかつてない打撃を受けた側の経営者が下期を迎えるメンタリティとは一

          思い当たる人は要注意 急加速しそうな#働き方改革 その①

          書評「げいさい」会田誠 文藝春秋刊

           油絵作成の過程と心理状態をここまで詳細かつスリリングに書き込んだ小説があっただろうか。会田さんの本業にとって ”最も大切な命題と密接に関わっているはず(本文より)” の一夜。  4年の執筆期間をかけた芸大受験浪人中の自伝です(会田さんは架空の主人公だとツィートしてましたが)。  エッセイを除けば、小説はやはり半自伝的な96年の傑作「青春と変態」(ちくま文庫)以来なので、普段あまり縁のない純文学雑誌(文學界3~5月号に初出)を購入しました。  地方出身の主人公、東京で浪

          書評「げいさい」会田誠 文藝春秋刊

          自分にはもう見られなくても 子や孫が生きる世界のために コロナ後のSDGs

          1.コロナ対策もSDGs  新型コロナウィルス感染症対策一色でやや影が薄くなった感のあるSDGsの取組み。例のピンバッジをつけている人も昨年の今頃と比べると減った気がします。とはいえ SDGsの17の開発目標のうち、ゴール3は「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。  ゴール3の具体的なターゲットの一つとして、2030年までにエイズ、結核、マラリア等の伝染病の根絶、様々な感染症の対処、があります。新型コロナウィルスは想定外のウィルスだった

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          香港国家安全法の標的はやはりあの男だった #FreeJimmy #FreeAgnes

           6月30日に施行されたばかりの香港国家安全維持法。過去に遡及できない規定があったにも関わらず、8月10日に同法違反容疑で逮捕者された10人のうちの1人は、北京政府の長年の標的だった71歳の香港人、ジミー・ライ氏(黎智英)でした。香港唯一の民主派寄り大衆タブロイド新聞アップル・デイリーの創刊者です。  同時に逮捕された、民主派の女神的存在であるアグネス・チョウ氏(周庭)が日本では有名です。彼女の動向も心配ですが、ライ氏は彼女の生まれるずっと以前から北京政府と戦ってきました

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          不正はなぜなくならないのか

          1.急増する企業不正  8月10日の日経新聞一面記事によれば、粉飾決算や着服など資産流用、といった国内会計不正が過去5年間で3倍に急増したそうです。大半が上場企業で、記事の中で例に引かれた企業はいずれも大手上場企業か、その子会社でした。  コーポレートガバナンスコードが浸透し、社外取締役が拡充されて久しいはずの上場企業でこれはどうしたことでしょう。  わたくしはある時まで他山の石のケーススタディのつもりで、不正があった企業名を個人的なメモに記録していました。やがてそれ

          不正はなぜなくならないのか

          ビフォーコロナの最後のボーナス

          1.ビフォーコロナの最後のボーナス  8月5日の経団連の発表によれば、今年の大手企業の夏の賞与は2年連続のマイナス、昨年比で2.17%減の90万1147円だったそうです。  新型コロナウィルス感染症の影響下にあることを考えるとかなり高い水準に思えます。意外に多くてほっとした、という感触が大手企業の社員の間では多かったのではないでしょうか。  実際には感染拡大前の業績を前提とした妥結だったそうで、コロナの影響は冬の賞与支給時にでるだろう、と言われています。  中小零

          ビフォーコロナの最後のボーナス

          会社は明日、昨日のリスクマネジメントで対処する

          1.ある会社の社内通達  始まりはたしか今年1月末頃の中国渡航の制限から。やがて制限は禁止の通達にかわり、国内出張も禁止へ。手洗いやうがいやマスク着用の励行、不要不急の集まりの自粛、会合や会食や飲食の制限(三密の回避)、そして時差出勤、在宅勤務へ。  これらを受けてTeamsやZoomの使用上(あるいは使用禁止)の指示、会社の端末の持ち出し規則やセキュリティ対策などの通達。平日夜のみならず、週末や休日の過ごし方の注意、さらには会った人の記録を残すことまで推奨する、といった

          会社は明日、昨日のリスクマネジメントで対処する

          「今の上司とあわなくて辛い、異動できなければ辞めたい」と考えている人へ

          1.上司は選べない 最終面接で「対人関係には自信があります!」とキラキラ顔を輝かせて語っていた君。聞けばサークルやゼミ、あるいはアルバイト先で大事なことを任され、中心人物となり、目標を達成しました、と言っていたね。  それが最近どうしたことだろう。社会人になって洗練されてきた一方で、あまり元気がなさそうだ。 「上司とあわなくて辛い。異動できなければ会社を辞めたい」  なるほど。それが原因か。誰の言葉だったか、「人は退職するのではない。ただ人間関係から立ち去るだけ」と聞い

          「今の上司とあわなくて辛い、異動できなければ辞めたい」と考えている人へ

          コロナ禍で経営トップが考えていること

          1.実は 「どうなるのかわからない」  結論から言うと経営トップも「これからどうなるのかわからない」というのが正直なところです。  そもそもトップというのは「どうなるのか」を見通したり、説いたりすることの専門家ではないのです。  もちろんトップに「どうなるのか」への洞察が必要ないはずがなく、それをあるトップは自分で熟考し、またあるトップは部門役員や経営企画部門、外部コンサルタントに考えさせて答申を受けているでしょう。  アフターコロナ、ウィズコロナの世界について、

          コロナ禍で経営トップが考えていること