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ドローンを携えて未来の深淵を覗き込むとき

2017年、僕はドローンのイベント会場にいた。

華々しい「ドローン前提社会」、5年後にはドローンが飛び交う輝かしい未来が待っている、、、そう信じていた。

それから5年が経った。

2022年現在、ドローンが最も活躍している場所はどこだろう?。それは間違いなくウクライナだ。

諮らずも、ドローン前提社会はロシアのウクライナ侵略で実現してしまった。それは、「武器としてのドローンが前提となる社会」だった。

これからの世界紛争は、間違いなくドローンが主役となる。

実はドローンという単語には明確な定義がない。一般的に言えば、遠隔操作の自律型ロボットがドローンであるという定義が概ね正しいだろう。

テクノロジーはもう何年も前からこの自律ロボを実現していた。でも、それがいきなり現れたように感じるのは、汎用化と低価格化が進んだから。

ウクライナでは偵察を行い、ピンポイントで攻撃するためにドローンが使われる。通信を搭載し、遠隔で敵の状況を確認し攻撃することが出来る。

これは凄い事だ。しかし、我々が見なければいけない深淵はもっと深い。

我々が見るべきは、ドローンによる飽和攻撃であり、AIを搭載したドローンによる無差別攻撃がすでに可能だという事実だ。

期せずして、ウクライナ前後で世の中は変わってしまったことに気付けるだろうか。それは我々がもたらしたのではなく、紛争がドローンの可能性を顕在化させたことによって起きた変化だ。

馬が、鉄砲が、飛行機が、原爆が紛争の形を変え、世の中の形を変えたように、ドローンは世界の形を変える。

世界は変わる、我々はその淵にいる。

ドローン前提社会は我々が創るものというのは奢りだった。むしろドローンが我々に適応を迫り、適応できないものは淘汰される。

世界は変わる、ドローンが我々を淵に追いやる。

それは紛争によって必要とされ、技術進化の必然として顕在化するものだったに過ぎない。

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