Green Cityを発信する国際園芸博覧会
こんにちは!
11月に入り、紅葉で色づく景色が待ち遠しくなります。
前回の記事から少し時間が空いてしまいましたが、今回は、国際園芸博覧会の歴史を簡単にお話ししつつ、私たちが博覧会を通じて発信したいGreen Cityについてお伝えしたいと思います!
国際園芸博覧会とは?
国際園芸博覧会は、国際的な園芸文化の普及や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決等への貢献を目的に、国際園芸家協会(AIPH)の承認を受けて開催される国際的な博覧会です。
国際園芸博覧会には、その開催規模に応じてA1、B、C、Dの4つの区分があり、2027年に横浜で開催を予定しているものは最上位のA1に分類されます。
37年前に日本で初めて開催された国際園芸博覧会
実は、1990年に日本でも同じA1の国際園芸博覧会が開催されています。
日本で初めて、さらにアジアで初めて開催された「国際花と緑の博覧会」です。大阪で開催され、2,000万人以上の来場者や83ヵ国・55国際機関の海外からの参加、212企業・団体の参加があり、国内でも関連したイベントが多数実施され、日本をあげて賑わっていたようです!
当時の日本は、バブル期の真っただ中でもありましたが、地球温暖化や酸性雨など環境問題に目が向き始めた時代でもあり、「自然と人間との共生」をテーマに、「花と緑と人間生活のかかわりをとらえ、21世紀へ向けて潤いのある豊かな社会の創造をめざす。」という狙いで開催されました。
当時の様子をYouTubeに投稿されている方がいらっしゃいましたので、参考までに共有します。4月~9月の約半年間、夜も22時頃まで開催されており、季節や1日の時間でも違った雰囲気を楽しめる博覧会だっただろうなと思います。
現在、会場跡地は「花博記念公園鶴見緑地」になっており、地元の皆さんはじめ色々な方に愛され、博覧会が掲げていた「自然と人間との共生」は引き継がれて、人々の生活に溶け込んでいるように感じられます!
国際園芸博覧会のあゆみ
国際園芸博覧会は、1948年にヨーロッパの園芸家たちが国際園芸家協会(AIPH)を設立し、1960年にオランダのロッテルダムで開催したのが始まりです。当初は、花き・園芸産業の普及や発展を目的としており、1960年以降、オランダやドイツ、フランス、イギリスなどヨーロッパ各地で開催していました。
A1規模で、ヨーロッパ以外で初めて開催されたのは、1980年のカナダでした。それ以降、日本(1990年)、中国(1999年、2019年)、タイ(2006年)で開催されており、2023年には、中東地域で初めてカタールで開催される予定です。
2000年以降、A1以外も含めると、開催都市はヨーロッパから様々な地域に広がり、国際園芸博覧会に対する世の中からの期待も徐々に高まっているように感じます。
その背景として、各博覧会が発信するテーマは様々なものの、「持続的な環境創出や新たな経済の活性化、これからの豊かな都市・暮らしのあり方の創造につなげていくこと」を主軸においたものが多く、時代の流れに合っているからなのではないか、と思います。
例えば、1990年(開催国:日本)のテーマ「自然と人間の共生」は、環境政策や生物多様性などの取組に影響を与えるきっかけとなりました。
また、2019年(開催国:中国)のテーマ「Live Green, Live Better」は、「持続可能で環境に配慮した社会」を強く推進する意味が込められています。
さらに、「スマート園芸博覧会」と銘打って、史上初、会場内を5Gがフルサポートする国際園芸博覧会となり、「人・科学技術・自然・文化が融合することでより持続可能な社会に進んでいける」というメッセージを発信する良い機会になったのではないかと思います。
Green Cityを発信する国際園芸博覧会
2027年に横浜で開催する国際園芸博覧会のテーマは「幸せを創る明日の風景」であり、「植物・生命を主役に、改めて、人と自然(植物、生命)の関係を見直し、2050年にあるべき世界を見据えた自然資本の社会・暮らしを共創する博覧会にしたい」という想いを込めています。
このテーマは、国際園芸博覧会の開催承認を担う団体であるAIPHが提唱する”Green City”を踏まえたものです。
AIPHの提唱するGreen Cityは、緑地を都市に融合させ、自然と人工環境を統合することにより、よりよい 生活と経済活動を可能とする都市像であり、AIPHはこれを推進するために様々な活動を行い、国際園芸博覧会におけるGreen Cityの推進も博覧会の成功要因の1つとされています。
私たちの博覧会が、AIPHの提唱するGreen Cityをより一層推進する機会となるだけでなく、日本がこれまで培ってきた自然と共生する文化や暮らしの知恵、科学技術、感性を融合させて、「生活が自然と共にある未来」を日本から世界に発信するきっかけとなることを目指しています。