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KOPIKOとか自分の帰る場所とか

寒いよお、ブリュッセルが寒い。用事でしかたなく数日ブリュッセルにきているのだがリスボンと比べるとやっぱり寒い。リスボンもこの週末は寒いらしいのだが、たぶんここはもっと寒いはずだ。

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美味しい珈琲をもとめて寒い朝の街にでたら、昔よく行っていた中国食材店の前をとおりかかったので入ってみた。KOPIKOを見つけた。東南アジアに住んでいた時にはどんな店でも街角の小さなキオスクでも道端の屋台でも見かけたKOPIKOだが買った事はなかった。思い出すとアジアだけでなくてアフリカでもそこらじゅうで売っていたから、じつは世界中で売っている飲み物だ。クリームと砂糖とインスタント珈琲の粉が一緒になった3in 1の粉で、味はなんだか人工の香ばしさを付けたすごく甘いコーヒー牛乳を粉にした感じのジャンクな飲み物なのに、急になんだかこのジャンクな飲み物がなつかしくてつい買ってしまった。寒いので体が甘みを求めてるのね。

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最後にブリュッセルにきたのはコロナの始まる直前だった。たった4年前だけど以前あったレストランがなくなって新しいレストランになっていたりと変化したところばかり目につく。変わったのはコロナのせいかもしれないし、コロナがなくても入れ替わりの多い大変な商売なのかもしれないしわかりません。

寒いけれどよく晴れた日だった

用事も終わって友人達とチャイニーズで夕食をとりその後に友人宅でお茶をのみながら話してるとき「帰る場所ってどこなの?」と聞かれてうまく答えられなかった。

私の帰る場所ってどこだろう?いままで人生の半分以上を「外国人」として暮らしてきた私の帰る場所ってどこなんだろ?私のホームってどこなんだろう?いつかは日本の両親の家に戻って近所のみなさんと農業でもするのかなと本当に思っていたのに、両親がなくなったら相続放棄をすること(するはめ)になり帰るとおもっていた家は相続しなかったので、いままでぼんやりとホームと思っていたところは帰る場所どころかたぶんもう一生戻らない場所になった。

いま帰りたいと思うのは家族も親しい知り合いもいないリスボンの4ヶ月しか住んでいない狭い部屋で、トフがシッターさんと待っているところだ。たった4ヶ月でもそこがホームで帰る場所なんです。でもいつかは必ず引越すので、それはポルトガルのどこかかもしれないし日本かもしれないしベルギーかも他の国かもしれなくて、そしてどこに引越そうが数か月でそこがホームになる。「帰る場所ってどこ?」と聞かれてもうまくこたえられないのは、自分にとって帰る場所ってその程度の概念だからなんだろう。

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友人達と遅くまで昔話や噂話をしてそれからホテルに戻った。彼らに会うのは楽しい。当時は辛くてどうしてこんなところに来る選択をしたのだろうかと自分の選択をずっと後悔していたけれど、でもその選択がなけれがこの人々と知り合うこともなかったのだから I guess it was a good decision after all. どんな選択をしようがその選択をしなければ得られなかった嬉しいことが必ずあるのだから、どんな選択でも結局はその選択がよかったんだ。

いろいろあった1日でした。




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