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マジックにストーリーを持たせる

どーも、選んでもらったカードを1番上にあげようとしたら1番下に下げてしまったことのあるえきぞちっくです( ᐛ)


マジックの演出について考える

今回はマジックの演出についての話。

よく見ているWadeというマジシャンの方のYouTubeで面白い動画を見つけた。

正直、動画貼られたところでマジックする人かマジックに興味ある人しかクリックしないと思うけど。笑

内容を簡単に言うと、マジックで起こる現象について理由やストーリーをつけようってこと。

実際にはWadeさんはストーリーという言葉は使っていないが、個人的にこの言葉が1番しっくりくる表現だと思う。


この動画の主であるWadeさんは、ある日マジックを見ていた女性から衝撃的な一言を言われます。

「あなたのマジックはタネもわからないし、すごいかもしれないけど、面白くない」

つまり、『トランプの山の中に入れたカードが指を鳴らすと1番上に上がってくる』それ自体はたしかにすごいけど、なんで1番上に上がってくる必要があったの?ということ。

僕自身が言われたわけではないが、この言葉は僕の頭の中にも深く残った。


マジシャン目線と一般人目線

マジックを見慣れていると『指を鳴らすとカードが1番上に上がってくる』というのは当たり前すぎる現象である。

1番上に上がってくるという現象でないにせよ、マジックは魔法を再現するというエンターテインメントなのだから、何かしら不思議なことが起きることは当たり前なのだ。

しかし、それはマジシャンやマジックをよく見る人の感覚であって、一般の人からすれば、不思議だけどなんでそうなるの?という疑問を持つ人も中にはいるのだろう。

不思議なことを一方的に見せるだけでは、ただマジシャンの日頃の努力の成果を一方的に見せつけている、ということになってしまうのだろう。

面白いものを見てもらおうと思ってやったものが、マジシャンのただの自己満で終わっているということも少なくないということだ。


ストーリーという理由をつける

不思議な現象がちゃんと不思議な現象として観客の腑に落ちるように見せるには、それまでの過程にストーリーという理由をつけなければならないのだ。

動画の中で、Wadeさんはこう言った例を出していた。


まずお客さんにカードを選んでもらう。

そのカードをお客さんに見えないように手に隠し持ち、デックをお客さんにシャッフルしてもらう。

返してもらったデックのトップに先程隠したカードを付け加え、

「今あなたにシャッフルしてもらったことで、たまたま選んだカードが1番上にきました」

と言って1番上のカードが先程選んだカードであることを示す。そして続けて、

「でもこれって、シャッフルしたことで1番上に持ってきたとも言い換えられますよね?私たちマジシャンは、そのシャッフルという過程を省くことができるんです。」

このように説明して、アンビシャスカード(カードが1番上に上がってくるマジック)のルーティンを始める。


たしかにこのように説明されれば、カードが1番上に上がってくることに対して疑問を持たずに素直に現象を受け入れられる。

とても上手なストーリーだと思う。


演出にこだわる

マジックをしていると、どうしてもすごい技、すごい現象ばかりを追い求めてしまう。

しかし、どれだけすごい技やテクニックを使ったところで、お客さんからすれば『カードが1番上に上がってきた』というだけのことである。

マジシャン目線で見れば差はつくだろうが、観客目線では現象はどれも同じなのだ。

であれば、『カードが1番上に上がってくる』という現象をいかにドラマチックに、時にはコメディチックに見せるか、これが観客目線でのマジックでは最も大事なことなのだ。

せっかく練習したマジックがただの自己満で終わってしまわないように、マジック以外の部分での魅せる技術を鍛えていく必要があるのだろう。


今回の話とは少し趣旨が違うが、前にも同じマジックでも演出の仕方を変えると相手に与える印象も大きくかわってくる、ということについて書いた記事があるので、興味のある人は是非読んでみてほしい。


ではでは( ᐛ)ノ

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