見出し画像

Perseverance(Mars2020)のココが新しい!! 〜探せ、生命の痕跡!〜

日本時間7月30日午後8時30分(予定)に アメリカの新しい火星探査ローバーPerseverance(Mars2020)アトラスVロケットで打ち上げられます。アメリカから火星探査ローバーが打ち上げられるのは約9年ぶりです!今回のローバーは火星を動き回るだけだと思ったら、それは間違い。では、どこが今までの火星ローバーと異なり、新しいのでしょうか?今回の記事では、このミッションを4つのポイントに分けて紹介していきます。

画像3

このミッションはNASAとJPL(ジェット推進研究所:NASAの研究所)が共同で行います。探査機自体は9年前に打ち上げられた火星ローバーCuriosity(キュリオシティー)を基にして設計されました。ミッションの愛称はPerseverance(忍耐)と呼ばれます。火星で生命の痕跡を探したり、地質を調査したりすることが目的です。また、将来の有人火星探査に向けた新しい技術の試験も行います。火星には、約半年後の2021年2月18日に着陸する予定です。

1.サンプル採取

Perseveranceローバーは、ドリルを使って火星の土壌を掘り、砂や岩を採取します。そして、世界で初めて地球へ持って帰る(サンプルリターン)ための準備をします

火星では、ローバーの先についているドリルを使って地面を掘り進めます。次に、ローバー本体にある「チューブ」と呼ばれる細長い容器にサンプルを詰めていきます。最後にサンプルを密閉した後、火星の表面においていきます。

画像2

画像3

さらに詳細な様子は、以下の動画で見ることができます。

ここでアメリカがこれまで開発し、火星を走ったローバーを紹介します。

画像4

ちなみにオポチュニティーは2019年2月まで運用されていました。耐久年月をはるかに上回った15年間の調査を行ったことは驚くべきことです。。

画像5

大きさの比較 左から:オポチュニティー、ソジャーナ、キュリオシティー

2.ジェゼロクレーター

画像6

Perseveranceローバーは、火星のジェゼロ・クレーターに着陸します。この場所は、約40億年前に湖で、水が存在したと言われています。上の写真を見ていただくと左上にのような地形があるのが分かります。実際に水がこの川を流れ、湖に水を供給しました。NASAの調査と研究により、最も生命の痕跡が見つかる可能性が高いということで着陸地点に選定されました。
以下の写真は、上の全景中に黒で囲まれている場所を拡大した写真です。ローバーはこの辺りに着陸します。地形に注目していただきたいのですが、写真左から右にかけて川の地形が分かると思います。そして、三角州と呼ばれる地形も見えます。これらの地形は、火星には水があり、水が作り出した地形が今でも残っていること、そして、そのような場所にはかつて存在した生命の痕跡が見つかる可能性があることを示唆しています。もし、Perseveranceが生命の痕跡を発見したら、世界を揺るがす世紀の大発見だと思います。

画像7

3.火星でドローンを飛ばす!

画像8

今回のミッションでは、史上初、火星でドローンを飛ばします。なんと、火星のみならず、他の惑星の大気中で飛行機を飛ばすのは、これが初めて。名前は、Ingenuity(創意)。目的は、火星でドローンが飛ぶのかという試験飛行のような意味合いが強いです。このドローンには、カメラも搭載され、上空から火星の写真を撮る予定です。なお、Ingenuityは、ローバーへ腹這いになるようにして搭載されます。

画像9

(画面真ん中下、黄色い場所にいます)

また、Ingenuityだけでなく、今回のミッションではいくつかの新しい技術がローバーで試験されます。例えば、火星の大気の主成分である二酸化炭素から酸素を作り出す機械が搭載。将来の有人火星着陸に生かされます。

画像10

4.サンプルリターン

このミッションで集められたサンプルは、2026年から2つの段階を経て、2031年頃地球に帰還する予定です。そして、これがなかなかスゴい、、、、、、、、、

まず第一段階のミッションでは、2026年にヨーロッパの宇宙機関が開発した火星探査ローバーが打ち上げられます。そのローバーは、Persevearanceが置いていったサンプルの詰まった「チューブ」を回収します。

画像11

次にローバーが集めたチューブを火星に着陸しているランダーに移し替えます。

画像12

その後、ランダーからチューブ(サンプル)の入ったロケットが発射されます。ちなみに、これは地球以外から打ち上げられる初めてのロケットになります。

画像13

このロケットがそのまま地球へ、、、、と思いきや、火星の軌道上にいる探査機がこのロケットをキャッチ!!!!!!そして、帰還用のカプセルに移されて地球へ帰還します。。。。。地球への帰還は2031年頃。。。。。。。

なんとも壮大、、、、、、、、、、、

これをやり遂げたら、驚くべき発見が待ってそうです。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

この火星ミッションを調べていると、研究者の方や技術者の方に対して尊敬を抱きます。特にサンプルを集めて、チューブをつめ、保管する場面など「これを火星でやるのかー!!!!」と思いました。成功を祈っております。

このミッションには、3人の日本出身の研究者の方が関わっています。同じ国に住んでいる人間として、誇りに思います。私もいつかNASAで働きたい。宇宙の面白さとか素晴らしさを広めることができたらいいなと思います。

そして、最後になりましたが、この火星ローバーには新型コロナウイルスと戦う医療従事者に敬意を示すためのプレートが取り付けられました。コロナウイルスと懸命な戦いをし、私たちを守ってくださる世界中の医療従事者の方に感謝申し上げます。

画像14


(写真は全てNASAのホームページより)

参考になるページ













この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?