バイオリズム

昔は仕事・勉強=何時間も齧りついて取り組むこと、だと思ってそうしていたのだが、最近は仕事も、楽器の練習も、勉強も、最高2時間で切り上げて違う仕事・活動(例えば別の仕事に取りかかるとか、家事するとか、ちょっと歩くとか)に切り替えている。恐らく、この方が私の身体に合っていそうな予感がしている。

私の場合はひとつのことに取り掛かって2時間ぐらい経つと注意散漫になってくる。散漫になるとお尻から腰にかけての筋肉がムズムズしだして、心臓のあたりもソワソワする。それを無視してしまうとぐったりとくたびれて、何かをする気力が底を尽きてしまう。
そうなる前に違うことに移ってしまえばムズムズとソワソワは消失し、案外新しい集中力が生まれて楽しくやれる。元気も続く。
楽器の練習や勉強のように習得が必要なものなら、数日おきに2時間だけさらったり問題を解けば、案外思い出せるようになっていく。
本当に少しずつだが。真水の中に加えた砂糖をかき混ぜずに放っておくと、少しずつ少しずつ全体に広がっていくのに似てる。

この2時間周期の「ムズムズ→切り替え→新たな集中」は私の身体の、1種のバイオリズムだと思う。
このバイオリズムに気づくのに20年近くかかった。

本当に小さい頃は自然にこの周期に従って過ごしていたと思うけど、自我が芽生えた思春期以降は
、何となく何時間も机に向かい合える人が偉いと思っていて、そうしなければならないと思っていた。特に高校〜大学は何時間も勉強・練習・研究する人が多かったので、その取り組み方が自分に合ってるか疑うこともなかった。

たぶん高校〜大学は、何時間も勉強するのに慣れている人が集まっていたんだと思う。
みんな大学受験を経験するから、恐らく、缶詰になって勉強するのが当たり前だった。
そうするものだと周りから教わって。
そのため、「とにかく毎日何時間も取り組むならば、その仕事はうまくいくorその技能は習得できる」って発想が固定されていったんだと思う。
私が20年かけて気づいたのは、「これが実は、人によっては成り立たないかもね」という前提だ。

今のところはやはり、何かに取り組むにも身体の感覚を信じる必要がある気がする。
私の場合は、お尻がムズムズしてきたら止める。ただ実は、ムズムズしてきた頃にはすでに疲れ始めている。できれば、そろそろムズムズしてきそうだなと思ったタイミングで止める。
その代わり数日おきに触る。勉強のときとかは、身についてきたと感じたら2週間〜2ヶ月ぐらい空けることもあるけれど、それでも時々は触って、身体のより奥まで浸透させるように取り組む。肌に塗ったオイルを馴染ませるように。

毎日何時間もかけて詰め込んでもいいけれど、私たちの身体のバイオリズムにさえ合っていれば、恐らく自然と技能は身につくと思う。競技や芸事のプロになるならそうも言ってられないかもしれないけどね。
あと、バイオリズムを探った結果、毎日何時間も取り組む方が合ってたという人もいると思う。
それも自分の身体に馴染むのがそのやり方だったと実感できたということだから、私は大いに喜ぶべきことだと思う。

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