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汗と涙の結晶 #毎日ネタ出し51日目

【タイトル】

汗と涙の結晶

【あらすじ】

戦いはいつもそこにある。

いつ何時、どこで戦いが始まるのか。それは誰にも分からない。誰と戦い、誰が勝ち誰が負けるのか。戦場は常にそんな緊張感に包まれていた。

今日も私は戦場に乗り込む。これは生活のためだ。本当は戦場になんか出向きたくない。でも、生きるためにはこれしか選択肢はないのだ。

今日も憂鬱な表情を浮かべ戦場へとたどり着いた。周りを見渡すと、私と同じような人がたくさんいる。彼らの顔を見ると、私と全く一緒だ。こんなところに来たくない。もう帰りたい。彼らの表情がそう悲痛の叫びを上げていた。

しかし、そんな彼らといつ戦うことになるのかも不明だ。もしかしたら隣の彼と戦うことになるかもしれない。

その時は残念ながら容赦はできない。でないと、この戦場では生き残れないからだ。

変な同情は周りにも迷惑をかけることになる。やるならやる。これが戦場のルールだ。

気づけば遠くの方で既に戦いは始まっているらしい。緊張感は更に増していく。

そしていよいよ私の前にも戦いがやってきたのだ。

「次は吉祥寺〜吉祥寺〜。お出口は左側です」

車内に流れるアナウンス。そして、電車を降りるため席を立つ数名の人。それが開戦のゴングだ。

私達は一斉に座席を勝ち取るために動き出す。そう、この戦いとは、満員電車での座席争奪戦だった。

満員電車はとても辛い。でも生活をするためにはこの電車に乗って職場へと向かわなければならない。そんな苦痛を少しでも和らげてくれるのが、座って電車に乗ることだ。

座席に座れれば休憩に、座れなければ拷問になる。まさに天国と地獄だ。だからこそ、絶対に負けるわけにはいかない。

まずは座席の前にポジョンをとること。良いポジョン取りが出来なければ、その時点で負けは確定する。さらに、誰の前に立つのかも重要だ。早めに降りそうな人を選びその前に立つ。しかし、その人が早めに電車を降りるとは限りない。こればっかりは経験が物を言うのだ。

そして、吉祥寺などの大きな駅では電車を降りる人も多い。なので、戦いは一気に加速するのだ。

私は今日もそんな不毛な戦いに挑んでいる。いつか、この悲惨な戦いが終わることを夢に見て。

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