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営業時代の話part⑩

おはようございます!

今日は「営業時代の話」をお送りします!

▼第1話はコチラ

それでは本日もよろしくお願いします!

※登場人物、企業、団体は全てフィクションです。

●言葉の重み

「結果が全て」

社長はそう言うと、タバコを吸いに喫煙室へと消えていった。会議室には重たい空気が流れている。私と本村さんはうつむいたまま、顔を上げられなかった。

営業で頑張ると意気込んでいたのに、結果がこれ。いくら社内の発表だからと言え、入社後1週間で手を抜いたのは事実。だからこそ、社長の言葉が重苦しいのしかかった。

自分は何のために転職したのか。ぬるま湯から抜け出したいから、結果を求めたいから敢えて営業になったのではないのか?

自問自答を繰り返す。

それと同時に、頭によぎるのは前の職場である。前の職場でも会議や打ち合わせは何度もあった。それでも怒られたり、何かを問い詰められるようなことはなかった。良く言えば和気あいあいとした雰囲気だった。辞める前はその雰囲気に嫌気がさしていたのに、今は何故か戻りたいと思っている自分がいることに気づく。

情けなかった。ぬるま湯から抜け出したいと思っていたが、そんなぬるま湯につかって満足していたのは自分だ。自分はもっと出来る、どこでもやっていける。そんな甘い考えを持っていたことに気づいた。

会議はそのまま終わり、すこし重たい雰囲気のまま1日が過ぎていった。藤橋さんはその後もフォローをしてくれ、いつも通りプリントを配りテストを行った。そして定時になったところでテストも終わった。

いつも通り、本村さんと帰り支度をしていると藤橋さんに声をかけられた。

「ちょっと二人とも。この後時間ある?」

私と本村さんは顔を見合わせ、

「はい。大丈夫ですが」

と答えた。

「よし、なら少し待ってて。俺ももう上がるから、この後飯でも食いにいくか」

藤橋さんは我々を食事へと誘ってくれたのだった。

To be continued…

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