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30日間の革命 #毎日小説40日目

 その日からメンバーは各班に分かれて、それぞれの役割に応じて行動を開始した。坂本と馬場は第二視聴覚室にて、集会の内容と今後の展開などを計画し、加賀、神原、手崎は集会への参加者を集めるべく、色々な学生へ声をかけていた。

 「しかし、100人集めるって結構大変だよな。3人で分担すると、単純計算でも1人33人くらいは集めなきゃいけないなんて割と無茶だよな」

 加賀は、神原と手崎と時折図書室に集まって話しをしていた。

 「だから学校で人気者の加賀君が重要になってきますよ。正直、僕は友達少ない方ですから。33人なんて数は到底達成できそうにありません。僕の分までよろしくお願いします」

 神原が自信満々と答えた。

 「わ、私も友達なんて全然いないので、無理です。私の分も加賀先輩にお願いします」

 手崎も神原に続き、弱々しく答えた。

 「ちょっとちょっと。俺1人で100人なんて集められるわけないでしょ。それに大変だって言ったけど、もう噂も結構広まっていて、白の会に入りたいって人も多いらしいから、きっと大丈夫だよ」

 「で、でも、私は本当に友達がいなくて。昨日だって声をかけるのが精一杯で、白の会の話なんてとても出来ませんでした。それに……」

 手崎は何か話したそうに、少しうつむいた。

 「それに? 何か気になることでもあるの?」

 加賀はその様子に気づき、手崎へ質問した。

 「……い、いえ。何でもありません。でも、やはり私は人と接することが苦手で……」

 手崎は、何か言おうとしたが、躊躇したような様子だった。

 「……そっか。まあ、それぞれ向き不向きがあるからな。うーん、なら俺も2年生の勧誘手伝うよ。1人じゃ難しくても、2人なら何とかなるでしょ」

 「本当ですか。そうしていただけると、私も心強いです」

 手崎の表情が少しだけ晴れた。その表情を見て、加賀も少し安心した。

 「なら、僕も手伝ってくださいよ」

 神原がそれに便乗した。

 「神原君は1人でいけるでしょ。情報処理部とか、知り合いは結構いるだろ。それにホームページとか、上手く使えば声かけなくても人を集める方法はあるんじゃないの」

 加賀の提案に神原は、

 「確かに。僕が勧誘しなくても、ホームページ上で募集すれば良かったんじゃないですか。僕としたことが、加賀君に気づかされるとは。では、ホームページからの集客は僕の分ということでお願いしますね」

 と納得した様子だった。

 「よし、これで俺たちも何となく役割が決まったな。なら神原君はネットを中心に集客して、俺と手崎さんは二人で行動しよう」

 この時の決断も、白の会に大きな影響を与えることになる。


▼30日間の革命 1日目~39日目
まだお読みでない方は、ぜひ1日目からお読みください!

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