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やるべきことをやり切っているか?チャンスを掴むためにやってきたこと。

「まずは僕自身がエンジニアとして『1』になることを頑張りましたね。やりたいことをやる前に、やるべきことをちゃんとやると決めたんです。」

今回インタビューをした田中は、もともとエンジニアとして入社し、今年から分社化した株式会社コジカジの取締役に就任しました。

エバーセンスには、自分で自分のキャリアを描く「セルフキャリアパス制度」があり、こうしたキャリアチェンジもめずらしくありません。

以前、「もともと経営にも興味があったんですよね」という言葉を聞いてから、じっくり話を聞きたい…!と思っていたので、念願のインタビュー。

本人も、あまりこういう話はしないので…と言っていましたが、これまでずっとやりたいことに向かって行動し続けてきた熱量を、ひしひしと感じる時間となりました。このnoteで少しでもその熱量が伝わったら嬉しいです。

話し手:田中智章(株式会社コジカジ 取締役)
聞き手:真辺藍(コーポレート)

自分で作れる人になりたかった。ものづくりを軸にした就活。

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真辺 エバーセンスへは中途でエンジニアとして入社したんですよね。前職でもエンジニアだったんですか?

田中 システムエンジニアでした。前職は大きな会社だったんですが、就活のときから自分でものづくりができる人になりたい、と思っていたんです。

真辺 就活時からそこが軸にあったんですね。

田中 大学院でコンピューターサイエンスを専攻していたんですが、自分たちで企画を考えて、ものをつくって世の中に出して、フィードバックをもらうという授業があったんですよ。

真辺 すごく実践的ですね。楽しそう…!

田中 そうなんです。それがすごく楽しくて。実は大学まで10年くらい野球をやっていたんですが、大学院に行って野球をやらなくなったら打ち込むものがなくなってしまって。そこで、たまたま授業でサービスづくりと出会えたんです。やってみたらめちゃくちゃ面白くて、一気にのめり込んで。野球のように打ち込めるものを見つけられたなと思いました。

真辺 ものづくりにも企画や実際に作る人、といろいろ選択肢があったと思います。エンジニアにした理由はなんですか?

田中 エンジニアか、企画をしてディレクションする人か、迷いましたね。自分自身はディレクションに向いていると思っていました。でもちょうどその頃IT業界で、「ディレクションだけする人はイケてない」という風潮があったんです(笑)

真辺 そんな風潮が…(笑)

田中 よくプログラミングって料理に例えられるんですけど、「料理ができないのにレシピを考える人が今のIT業界には多い」という意見があって。それに対してはいろんな考えがあったと思いますが、当時の僕は、自分でもプログラミングができるようにならないとダメだなと思ったんです。

真辺 まずは自分で作れるようになりたいと。それでエンジニア志望だったんですね。前職でのものづくりはいかがでしたか?

田中 大きい会社なので、1年半かけてシステムをつくる、というような大きなプロジェクトに携わることができました。でも関わる人数も多いので、実際に知っているのはプロジェクトのごく一部。なので次は、もっと自分で全体のことを把握して作れる人になりたいと思ったんです。

真辺 それで、転職先としてベンチャーを探したんですね。

田中 もう一つ、経営者に近いところで働きたいとも思っていました。大学院の授業で、自分たちの考えたことでお金を稼いだり、価値を生み出したりすることのおもしろさを実感して。そこから経営にも興味があったんです。

真辺 たしかに経営者との距離は大企業とベンチャーでは全く違いますよね。エバーセンスとの出会いはどこだったんですか?

田中 教育分野のものづくりに興味があって、それを軸に探していたところ、Wantedlyで連絡をもらったんです。当時の僕はシステムエンジニアで、WEBもアプリも未経験。実績と言えるものはあまりなかったんですが、当時はメンバーを増やしている時期だったので、第二新卒のようなポテンシャル採用だったのかもしれません。

真辺 スカウトだったんですね!

田中 「カジュアルに話してみませんか?」と言われて、何度か会社に来て話したんですよ。それが選考だと全く思っていなくて、「採用の面接を受けるにはどうしたらいいですか?」って牧野さん(社長)に聞いたら、これがそうだよって言われて(笑)

真辺 エバーセンスは、いわゆる採用面接っぽくないってよく言われますよね(笑)

まずは自分がちゃんと「1」になる。やるべきことをやると決めた。

真辺 エバーセンスに入社したのが2017年。そこから3年半エンジニアをして、実際に思い描いていたような仕事はできましたか?

田中 そうですね。前職のように一部ではなく、プロジェクト全体を把握しながら開発することができました。エンジニアだけではなく、編集やデザイナーがいまどういう動きをしているのかを理解した上で仕事が進められるんですよね。

真辺 全体がよくわからないまま、言われたとおりに開発する、ということがないんですね。

田中 そうなんです。エンジニアの中でも、1つのプロジェクトを担当するのは1~3人程度。なので、一人ひとりが全体の動きと自分の役割を把握しながら仕事しています。

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真辺 他にエバーセンスのエンジニアの特徴ってあるんですか?

田中 エンジニアの領域に偏りがないですね。たとえばアプリなら、iOSもAndroidも触ることができる。WEBエンジニアの場合も、インフラ・サーバーサイド・フロントエンドと一通りやることができます。もちろんそれぞれに得意・不得意はあるけれど、全部触ることができたのはよかったですね。

真辺 全体的に経験を積みながら、エンジニアとしてのものづくりにしっかり向き合えたんですね。

田中 はい。ただ実は、入社当時はブレブレだったんです(笑)エンジニアとしてものづくりもしたいけれど、もともと興味のあった企画もやってみたい、という感じで。当時の上司にも、何がしたいのか、何が得意になりたいのか、ということをよく聞かれていました。

真辺 そこからどうやって方向性を決めていったんですか?

田中 僕はエンジニアとして採用されているので、まずはそこで価値を出さないと次にはいけないよ、と上司に言われたのが大きかったです。やりたいこともいいけれど、いま何ができるの?と。やるべきことをまだやれていない、という状態だったんですよね。

真辺 まずはエンジニアとしてきちんと結果を出そう、ということですね。

田中 そうですね。よくチームビルディングでは、3人で仕事をしたときに、3ではなくて3.5や4にしていくということを考えるのですが、当時の僕は、僕自身がちゃんと「1」になるということを頑張っていました。

真辺 自分自身が「1」になる…。当たり前なようで、それってすごく大事なところですね。

田中 やるべきことをちゃんとやる、ということですね。なので、2年間はエンジニアとしてものづくりにちゃんと向き合う、と決めました。そこからは成長スピードもぐっと上がったと思います。やらないことを決めたことで、迷いがなくなったんですよね。

社内でできないことは自分でつくる。個人事業主という副業。

真辺 昨年(2019年)の夏ごろにはマネージャーも経験していましたね。エンジニアとして着実に実力をつけたからなんだなぁと今話を聞いていて思いました。

田中 そうですね。2017年にエンジニアとして頑張ると決めて、2018年にはWEBチームのリーダーをやったり、個人事業主をやってみたりしました。

真辺 個人事業主…知らなかったです!なぜ始めたんですか?

田中 純粋にエンジニアとしてスキルアップしたかったからですね。当時社内での仕事は、既存のWEBサイトの運用がメインでした。社内的にも影響範囲が広いサービスで学びはたくさんあったのですが、一方で、1からサービスを開発する経験はなかなか積めなかった。なので、個人事業主としてWEBサイトの構築などをするようになったんです。

真辺 社内にない仕事だから自分でつくっていこうと。

田中 そうですね。普段の仕事もあるのでアドオンでやっていましたが、その分早く経験が積めたのはよかったです。最近はプログラミングを教えていますよ。もともと人に教えるのが好きで、人が頑張っている姿を見て自分も頑張ろうと思えるタイプなので、すごく良い時間になっています。

真辺 はじめた当初からは副業をする理由が変わってきたんですね。

田中 たしかに、今はスキルアップのためというよりは、純粋にそういった喜びの方が強いですね。

真辺 個人事業主になるのも大変なイメージがありますが…もともとすぐ行動に移せるタイプですか?

田中 とりあえず行動してみる、というのは大事にしていますね。僕自身経験があるのですが、自分がやっていると思っていても、意外とまわりからはそう見えていないこともあって。それだと意味がないなと。今のコジカジでもそうですが、行動が伝わると、まわりも応援してくれるんです。だから、とにかく動いてみるのが一番だなと思いますね。

チャンスは突然。想像とは全く違う場所に行けた。


真辺 株式会社コジカジの取締役には、どんな経緯で決まったんですか?

田中 今年の1月に、デスクの近くに牧野さんがふらっと来たんです。エンジニアの上司たちも近くにいて、「コジカジを分社化するんだけど、どう?」って聞かれて。すぐ「やりたいです」って答えて…そのまま決まりましたね(笑)

真辺 たえこさん(※下記note参照)の時も早かったけど、牧野さんって本当にそういう感じよね(笑)

▲たえこさんのインタビューnoteはこちら

田中 1月の仕事始めがあって、その翌日くらいだったと思います。2019年の年末時点では、2020年は上司の役職を1つ上げて、僕も1つ上のポジションに…と思っていました(笑)そうしたら、全く別の場所に行けてしまった。

真辺 取締役ということで、経営にも近い念願の場所ですね。少しずつ経営についても勉強しているんですか?

田中 どこに投資をすれば事業が成長するか、という視点で物事を考えられるようになりましたね。今はまだ、会社に『コジカジ』という1つのプロダクトしかないので、その事業計画だけを考えれば良いのですが。ただ、メンバーの賞与を預かっているので、来期の予算を考えた時はかなりお腹にきました…(苦笑)

真辺 それは確かにお腹にきそうです(笑)ものづくりについては、これまでとどんなことが違いますか?

▲9月にリリースした家事アプリ『コジカジ』

田中 今までと一番違うのは、作っても評価されない、ということですね。エンジニアのときは、プロジェクトがあって、それをスケジュール通りにクオリティ高く作れたら良かった。もちろん、そのプロジェクトがどういう結果になったのかは知っていましたが、最終的にそこに責任を持っているのはプロダクトオーナーだったんですよね。

真辺 なるほど。エンジニアとしては作るもののクオリティを上げる、というところで貢献していたんですね。

田中 そうなんです。でも今は、僕がプロダクトの責任者です。作るのは始まりにすぎない。ユーザーに喜んでもらって、使ってもらって、最終的に売上につなげるのが僕の仕事です。ちゃんと数字や売上を伸ばさないといけない。そこが自分事になり、これまでと全く変わったところですね。

今はまだ道半ば。まずは結果をちゃんと出したい。

真辺 責任者として、やること・見るものがガラッと変わったんですね。

田中 そうですね。それに今はコジカジのエンジニアも兼務している状況です。なので、エンジニアとして作るときと、責任者としてプロダクトを考えるときの切替えが大変ですね。

真辺 開発と企画…。確かに1人の頭の中でそれをやるのは大変ですね。どう両立しているんですか?

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田中 今年の夏にアプリを開発していたときは、日中は開発、夜は企画、という風に時間をわけていましたね。ただ、企画に関しては土日もずっと頭の中で考えていますし、常に考えるのが習慣になっている気がします。

真辺 いろんなものをコジカジと結びつけて考えるようになっているんですね。大学院のときから目標としていた、サービスを作りたいという想いは実現できていますか?

田中 やりたいことはできていますね。ただ、やはり結果がまだ出せていないので、実現できたとは言えないです。楽しいけれど、それだけじゃない。まだまだ無心で頑張らないといけないなと思います。

真辺 今後もやることがたくさんありそうですね!

田中 やりたいこと、やった方がいいこと、やれないことがたくさん出てきていますね(笑)今後1年くらいは、とにかくコジカジの成長のために力を尽くしたいと思っています。たくさんの方に使っていただいて、喜んでもらうために、どんどんサービスを良くしていきたい。サービスが伸びてきたら、もう少し人数を増やして、僕自身ももっと経営やメンバーのマネジメントまで手を伸ばしていけたらいいなと思っています。どれも道半ばなので、とにかく行動あるのみですね。

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株式会社コジカジ 取締役
田中智章

ものづくりがしたい、という思いで新卒からエンジニアへ。大手企業でSEを務めた後、もっと自分自身でものづくりができるように、とベンチャーへの転職を決意。2016年9月にエバーセンスに入社し、エンジニアとして様々な経験を積む。2020年3月、分社化した株式会社コジカジにて取締役に就任。最近の楽しみは、独身時代からの趣味であるレゴで息子と遊ぶこと。

インタビューを終えて

毎回メンバーのインタビューを重ねるごとに、ものづくりへの姿勢がまっすぐで嬉しくなります。キャリアの描き方も人それぞれで、今回のようなキャリアも、エバーセンスで実現できていることが嬉しいなと思いながらインタビューをしていました。
個人的には、キャリアの方向性に迷っていた時期に、やらないことを決めたことで前に進めた、というエピソードがとても印象的でした。もしもこれからの働き方に悩んでいる方がいたとしたら、このnoteが少しでも背中を押すきっかけになれば良いなと思います。
私自身もコーポレートとして、一人ひとりがエバーセンスでご機嫌にキャリアを積み重ねられるように、働き方や組織のあり方をより一層考えていきたいです。同じように組織づくりに携わるみなさん、いっしょに頑張りましょう…!

【取材・文】真辺藍 【撮影】鈴木満明

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