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向日葵の沼

誰からも理解されない
頭が割れそうだ

緑の中にいると心が落ち着く
木漏れ日に呼応して風までも光っているようだ
なんて美しい
これを描かないなんてどうかしてる
美しものは残しておくべきだ

どれだけ書いても理解されない
こんなにも美しい色を使ったのに

僕の絵は絵ではないと言われた
人は人にすぐ絶望を与えようとする
父もそうだった
僕は描くことは辞めない
僕は間違っていない

この鮮やかさを
この美しさを
誰かに理解してもらいたい

でも誰も理解してくれない
僕を悪魔だと言う
頭がおかしいと言う
そんなことはない
僕の絵はまだこんなに美しい

ああ、わからない
確かに絵を描いていたのに
 気が付いたら辺りはくらい
怖い
何かに呑み込まれるような感覚がする
僕の絵はまだ美しいだろうか

少年は僕は悪魔だと言った
そうだろうか
ああ頭が揺れる

絵が描きたい
絵が描きたい
でももうアイデアも出ない
筆も持てない
誰からも理解されず
僕の作品は誰からも愛されず僕は死ぬんだ

―――時代はようやく彼に追いついた
鮮やかな色も筆のタッチも誰も彼を馬鹿にしない
本当に彼を理解している人はいないかもしれない
それでも彼の作品は世界中で愛されている―――

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