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Be Place シニアの居場所探しは遊牧民

屁は付かない理屈を考えてみた

● ビープレイスとは?
 「~Be Place~、そこが場所になる」という意味です。よく「中高年の男性には居場所がない」といわれますが、役職定年後の会社の中での疎外感やリタイア後に家庭内で感じる居心地の悪さなどを総称して指摘されるときの決まり文句ですね。まあ、これまで長く築いてきた生活のルーティーンから外れるわけですからそれも仕方のない一面だったりしますが、別に悪いことをしているわけではないのだから、ネガティブにならずやっと手に入れた時間や選択の自由を武器に自信をもって自分の居場所を探しませんかという考え方です。

● 居場所の評価、三つの「軸足」
 では、どうやって探すのか。たとえば「どこそこにある場所」といった具体名が分かりやすいのですが人によって自分なりに納得できる場所というのはかなり個人差があります。それは好みや慣習にもよりますが、多くはここに挙げた三つの要素が自分にとってそこが居場所として適しているのかどうかを判断する基準になるのではないでしょうか。

 「空間軸」
  物理的な場所という意味です、目に見えるところ。
 「時間軸」
  その場所におけるタイムスケジュール、時間帯の良し悪し。
 「役割軸」
  場所がもつ特有の他者との関係など。

 ひとつの場所であってもこれらの要素は互いに影響しあい変化もします。たとえば、これまで自分なりに馴染んでいたはずの会社という場所も役職定年によって職場という空間は同じですがそこでの役割が変わることによって風景が変わります。また、定年後の家庭空間は家のみならず家族構成も全く一緒なので何も変わらないようにみえますが過ごす時間の違いによって空間支配権が変わります。熟年離婚のきっかけに多いですね。これは時間軸のずれが役割軸を崩してゆくケースです。
 このように三つの要素は変化することがあるので、まったく新しい場所探しですべてが自分なりに満たされているところが見つかれば最高ですが、すでにある場所であっても自分がもつ軸足を多少組み替えることによっても居心地が良くなることもあります。まあ、「気持ち次第で青い鳥を見つけた」、「思い過ごしも年の功のなせる技」といった割り切りの視点で解決するケースもありですね。

● 探す心構え、三つの「しない」
 基本的に無理はしないことです。変に気負って仕事の延長の勢いになったり周りの視線を気にしたり、また最近よくある「世の中に何も貢献していない」とか、「肩書がなく、自己紹介で無職と言いづらい」といった社会的な同調圧力からくるストレスなどまったく気にしないことです。逆に居直るくらいが良いでしょう、自分の居場所探しですから。

 「無理しない」
 よく「趣味を持ちましょう」というメッセージがありますが、アプローチ    して続けばラッキーぐらいに思った方が良いです。何が面白くなるかは自分にとっても未知なることですからきっかけとして取り組むことは大切ですが無理して頑張る必要はありません。
 「期待しない」
 最初から自分向けに用意された居場所などないぐらいの気持ちでいた方がヒントはつかみやすいです。自分に向かなければいつでもさあ次へ、しなやかにいきましょう。
 「決めつけない」
 中高年はある程度の人生経験・社会経験を経てきているので自分自身にとっては初めての場所や体験も仮説や情報収集に基づいた先入観を持っています。どちらかといえばネガティブな印象を持つことが多いのですが、逆に過度な「あるべき論」に固執するあまり実体験との落差に落ち込み、通り越して怒りに達するケースもあります。これが逆によく言われるオヤジの負の生態と揶揄されることのひとつなので、気を付けましょう。

● 具体的な「Be Place」
 在職中から始めるひと、定年退職したひとでは環境や状況が違いますし、「居場所の三軸」の組み合わせも種々雑多にありますが、まずは手始めのひとつとしていちばん身近にありながらどうも先入観や風評によってネガティブにとらえられている傾向の強い「図書館」に代表される公共施設の利用など、ダメもとで覗いてみたりするのもどうでしょうか。

●シニアの居場所探しを難民というなかれ、目指せ孤高の遊牧民。
    Be Place!


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