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Google Trendsのデータから見る「Official髭男dism」がヒットした理由とは...

今や、音楽ストリーミングの視聴ランキングのトップの常連ともなっている「Official髭男dism」。

名実ともに2019年の音楽シーンを彩ったメジャーバンドと言える彼らだが、そのヒットの理由とは何でしょうか。本記事では、音楽的な側面からのヒットの理由に加え、Google Trendsの分析データを基にしたアーティストの人気度傾向から分かる考察を加味したヒットの理由についてお届けしていきます。

特に、本記事では、音楽的に「売れる」という非常に定量的に分かりにくい事象について、Google Trendsデータを基にした論調で情報をお届けします。

早速ですが、下図が「Official髭男dism」の2017年1月1日〜2020年3月28日までのGoogle Trendsデータです。ある時期を境に爆発的に、検索人気指数が急上昇しているタイミングがあることが分かるかと思います。このデータの詳細について次に説明していきます。

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Official髭男dismの出世作「Pretender」とは...


Google Trendsのデータ上で「Official髭男dism」の人気度の動向が急上昇しているタイミングは、2019年4月28日以降となっており、直近1年間で急速にGoogle Trendsデータ上における人気度が高まっていることが分かります。

Google trendsの「人気度の動向」について補足すると、この数値は、特定の地域と期間について、グラフ上の最高値を基準として検索インタレストを相対的に表したものです。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示しており、50 の場合は人気度が半分であることを示しています。なお、0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示しているとのことです。

この前提において、改めてデータを見ると、最高値は2019年12月29日〜2020年1月4日ですので、2019年第70回紅白歌合戦への出場が影響していると推察されます。昨今、紅白離れが叫ばれてはいますが、幅広い世代の視聴者がテレビというメディアを通じてアーティストが披露する楽曲を視聴する影響度は以前高く、毎年話題性のあるアーティストとなり得たかどうかの総まとめとしての出演枠とも言えます。

彼らの場合も、2019年の紅白をピークに人気度のトレンドもデータ上で確認することができ、この印象を上手く維持しながら2020年の音楽活動を展開しているという現状かと思います。2020年3月時点では、紅白時の人気度のピーク程ではありませんが、そのトレンドは維持していると言えそうで、今後の活動にも期待が持てるデータかと言えるでしょう。

一方で、その人気に火がついたタイミングである2019年4月時の状況について次に考察していきます。

急上昇の理由は、コンフィデンスマンJPとのタイアップか...


2019年4月に人気度が急上昇した理由としては、彼らがドラマに引き続き主題歌を担当した「コンフィデンスマンJP」とのタイアップによる話題性の獲得が大きな要因ではないかと考察できそうです。

そのタイアップ主題歌は「Pretender」であり、彼らの中でも代表作と言える楽曲ですので、まさにこの1曲で今の人気を獲得したと言えるでしょう。もともと、2018年には「ノーダウト」でドラマ版「コンフィデンスマンJP」の主題歌に抜擢されており、当時インディーズアーティストとして、初の月9ドラマ主題歌への起用となった話題性もあった様ですが、Official髭男dismとして初の映画主題歌が決定したこのタイミングで、大衆的な認知を獲得したと言えるでしょう。

なお、所属レーベルのポニーキャニオンの公式ニュースでは、2019年3月12日 5:00~に映画主題歌への抜擢が決定したことが公開されており、その約1ヶ月後の2019年4月16日に彼らのYouTubeチャンネルで「Pretender」のMusic Videoが公開され、最終的にGoogle Trends上での人気度の急上昇に繋がったと推察できます。

これら定量データから、アーティストのプロモーション戦略としてはマスメディア的な話題性のあるタイアップを効果的に獲得する事と、そのタイアップ作品となる楽曲の"良さ"が両立することが必要となると言えそうです。特に、Official髭男dismのプロモーション戦略としては、Spotifyなどのストリーミング視聴にも親和性の高い(好んで聞かれやすい)楽曲を狙って制作していることに加え、YouTubeで公開するMusic Videoでも、聴き馴染みのある王道J-POPの楽曲の中にもアーティストの世界観を上手く創る工夫などがある為、複合的なヒットの理由はありそうですが、プロモーションの展開の仕方としては参考にしやすい事例かと思います。


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