evagli

北国出身の会社員です。

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最近の記事

うまいもんがいちばん強い

8:45スタートの健康診断を終えたら、なんと11時前。 これから1日なんでも出来ちゃうじゃないの! 衝撃と共に喜びを噛み締める今、開店前の鰻屋さんの前におります。ふふふふふ。 血を抜いたあとは、とんかつや鰻を食べます。 食べて良いと決めています。 そうじゃなくても食べますけども。

    • 本当は知りたい

      電話先の父の声がとても穏やかだ。 他愛もない話題で、お互いに声をたてて笑ってしまうことが増えた。 達観しているのだろうか。 悪足掻きをしないということなのか。 諦めているというにはどこか煌めいて見える毎日だ。 残される娘の感傷だろうか。 いつか終わる人生だけれど、確実にそう遠くない内に終わると宣告されたひと。 今、父の中にはどんな時間が流れているのだろうか。

      • 不意打ち

        仕事を終えて、残業中の元上司にご挨拶。 7月に帰省してテレワークするので、フォローをお願いしたいですとお伝えした。 すると、数秒の間を置いて、それは是非そうしてくださいと言われた。思いの外、神妙な面持ちで。 「素敵な名前をつけてくださったお父さんですからね、出来る限りの時間を使っていいと思います」 飲み会の場での話を覚えていてくれた。 私が生まれた日、窓の外の風景を見て、父が選んでくれた名前。私自身が何よりも誇らしく思っていること。 ありがとうございます、よろしくお願い

        • 東京の空

          ビルから出た時に、空に夕焼けが広がっていると嬉しい。 東京の夕焼けはきれいだ。 背の高いビルが林立して欠けて歪になった空であっても、朱色に、または薄紫色に、時には金色に輝く。 時間が進めば、藍色が降りてくる。高いところから低いところへじわじわ滲んで染まっていき、藍色が満ちて夜に落ちるのはあっという間だ。 昨日も今日も贅沢な夜になった。 明日もそうであれ。

        うまいもんがいちばん強い

          おめでとうございました

          父帰宅。 仕事が終わってから電話した。 おかえりー。 優しい末の娘がなんで電話したかわかる?? すぐに察して、父は言った。 あー…すみませんね… お誕生日おめでとうございました(笑) 私たち家族が初めての恐慌を迎えていた時間の中に、 私の誕生日があった。 家族全員が忘れていても仕方ないなと思っていたから、 誰よりも狼狽していた母から連絡が来た時には少し驚いたくらいだった。 父からの連絡はなかった。 その事を気にしてほしくなかったから、私から切り出してお互いに声を出して

          おめでとうございました

          トントンしてくれたら眠れる

          部内にキラキラした人がいる。 ランチを買いに言った先で声をかけてくれて、 一緒に食べることになった。 2人のお子さんのお泊まり保育(のお迎え)と運動会が重なったお話から、PTA関連の「頼まれ事」への疑問、初めての胃カメラについて… お泊まり保育は、パパママにとってもドキドキ行事。 ママのことを思い出して大泣きしたけど、先生がトントンしてくれたから眠れたんですって。 大変なの、でも楽しいのよって、キラキラさんは笑う。 とても心地よくて、こちらまでニコニコしてしまう。 空気が

          トントンしてくれたら眠れる

          小休止

          ようやく母に電話することが出来た。 お互いに恐慌状態を抜け出せたのか、ここ数日の報告をした。 いやいや、ぎこちなかったな。 天気の話から始まるとか、会話と会話の隙間とか、初対面の相手じゃあるまいし。 でもお互いを気遣う優しい時間だった気がする。 先に父のことを話題に出したのは母だった。 病院のご飯に文句を言い、あれこれ持ってきてと要求されて持って行ったとか、夕食は進まないけど届けたメロンを大事に食べているらしいとか。 食べたいものが頭に浮かぶならいいね、と返した。 手術の

          濾過するように

          無心になるために、海を見に行くことにした。 苦手な夏の手前。今の時期が一番散歩に向いている。 タンブラーに入れたほんのり甘いアイスミルクコーヒーをお供に、電車1時間超の小さな旅。 海の香りと波の音。 打ち寄せる波に乗って小石が転がる。 日射しが汗を呼ぶけれど、緩やかに吹く風は心地よい。 寄せては返す波を眺める。 目を閉じて深呼吸する。 からだの中身を入れ換えるみたいに、同じことを繰り返す。 夕暮れも楽しんでから帰途につく。 実は財布を忘れて、現金皆無。 事前に調べてあっ

          濾過するように

          明日は荒天だと言うので、お散歩することにした。 電車にのって、海を見に行く。 あちー

          明日は荒天だと言うので、お散歩することにした。 電車にのって、海を見に行く。 あちー

          簡単に水が出ます

          父の誕生日を目掛けて帰省することにした。 会社に向かうバス。ぼんやりといつもの車窓を眺めていたら、不意に気がついた。 来年の誕生日は、ないかもしれない。 喉がひゅっと締まった。 途端、パタパタパタと音がした。 ここは公共の交通機関で、 これから仕事で、 私は私の1日をやり過ごさなきゃいけないのに。 ハンカチで目頭をぎゅっと押さえて蛇口を締める。 喉に詰まる何かを一生懸命飲み下す。 窓の外に見えるどうでもいい広告看板の文字を読んで、 なんてことない、なんでもない、と呪文

          簡単に水が出ます

          はじめまして

          自分の言葉を載せるつもりはありませんでした。 noteは見る専門。 他の方の旅行記を覗いて旅の計画の助けにしたり、 見知らぬ風景や出来事を知識として蓄えるためのものでした。 昨日。そう遠くない未来を知った日。 私自身が何を思ったのかを残すことにしました。 明るく楽しい言葉とは程遠いひと言目になってしまいましたが、自分自身に向き合うためにも必要な時間でした。 昨日の話の続き。 しっかり者の長女と言いましたが、次女との電話では泣き崩れたそうで。末の妹が踏ん張りすぎましたかね。

          はじめまして

          あけびの実が見たい

          今日、父の余命が宣告された。 全くもって平気ではない。 それでも兄からの連絡に、冷静に受けとめるふり、を選んでいた。父と一緒に直接医師の説明を受けた母と兄の痛みを思えば、実家から離れた場所にいる私が、彼らより心を乱してはいけない気がしたから。 程なくして、更に離れた土地に住む姉から電話。さすが長女は落ち着いていた。安定のおねーちゃんにも、なるべく帰省できるようにすると告げるに留まった。 まだ、誰にも、泣き言は言えなかった。 いつになったら、言っていいのだろう。 今、ポロ

          あけびの実が見たい