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次代の芸と久遠の道(2024年5月2話)

 5月22日(水曜)、身分証明書を更新するための書類を、区役所の分館(福祉庁舎)に提出し、無事に手続き完了しました。筆者は2年に一度、このためだけに証明写真を撮っているらしいです。

 さて、それでは5月後半の記事になります。

 令和時代の日本列島を舞台に、美少女キャラ達と主人公あなたが紡ぐブログマガジンです。

私小説『地球学徒の日記


5月25日(土曜)
第8回 横浜トリエンナーレ
「野草:いま、ここで生きてる」

 デジタルアートセンター横浜では、土曜出勤の有無が週によって異なりますが、月末に土曜出勤日がある時は、午後に外出などの企画を実施する事があります。

神奈川県 横浜市 ⻄区
神奈川県 横浜市 ⻄区

 私達は今日、月末土曜の企画として横浜美術館を見学し、そこで開催されていた展覧会「第8回 横浜トリエンナーレ」を拝観しました。

 今回のトリエンナーレのテーマは「野草:いま、ここで生きてる」で、これは中華民国の文学者LuXun(周樹人)の詩集『野草』(1927)に由来しています。そのため企画者も、北京を拠点に活動している芸術家が中心になっています。

 この展覧会は、絵画などの伝統的な美術だけでなく、映像・音響を駆使して、作者の社会的メッセージ(戦争や環境問題など)を訴える事に重点が置かれた「現代アート」であり、一般的な美術館とは大きく印象が異なっていました。尖ったテーマに加え、大きな音が鳴る作品もあり、鑑賞者の中でも評価が分かれそうな展覧会でした。

 ただ「今のままで本当に良いのか?」「(日本人は)見たくない現実から目を背けていないか?」みたいな事を伝えたいのだろうな、という事は分かりました。

 横浜美術館だけでなく、西区・中区の複数の施設を舞台とした、大規模な街ぐるみ展覧会になっているようです。


新宿
Bellflower

東京 新宿区 四谷 内藤新宿町
東京 新宿区 四谷 内藤新宿町

 美術館の見学を終え、日報を書いて解散した後、ネネカさん達は四谷新宿(新宿三丁目駅)に向かいました。今夜ここの会場で、以前からお世話になっている「よる。」様の生誕ライブがあります。

 私達は新宿三丁目駅で降り、会場に歩きます。この辺りは、江戸時代(17世紀末)に内藤新宿町が築かれ、新宿という都市が始まった場所です。大正時代には四谷区に属し、戦後の1947(昭和二十二)年に新宿区となりました。現在は、新宿駅や都庁のある淀橋エリアが「新宿」の中心地と思われていますが、歴史的な本来の新宿は、この辺りの四谷エリアだと言えます。

 会場に着き、受付で料金を払い、室内に入って飲み物を注文します。ここでは、お酒以外なら追加料金不要で2杯まで頂けるようなので、ネネカさん達はメロンソーダを飲んでいました。

 コンサートの内容は、よる様を中心に3人の歌手が出演され、更にバンドによる生演奏でした。


新宿区 淀橋 歌舞伎町

 終演後、時間のある参加者は(去年と同じように)歌舞伎町の貸切飲食店に移動し、翌朝まで楽しく過ご…そうと思ったのですが、疲労で寝てしまう人も少なくなかったです。何はともあれ、今後も宜しくお願い致します。


5月26日(日曜)
法華題目鈔

 徹夜での飲み会から帰宅し、ネネカさんは寝室に倒れ込み熟睡しました。一方、メグミさん達は、お馴染みの隔月オンライン読経に参加しました。

 本日は、名古屋市 熱田区の僧侶による「何故、易行を実践するのか?」という法話がありました。そして、その答えの一つは「仏の教えが難しいから」というものです。第一に、仏教の思想(法)は質も量も豊富で、だからこそ難解である事が挙げられます。第二に、それを口頭から文字に、そして他国の言葉に翻訳する問題があります。

 古代インドでは、経典を紙に文字で記す習慣が無く、最初は口伝えの記憶しかありませんでした。そこで、仏教徒が一同に集まり、各々が記憶している教えを発表し、当時のインド語(パーリ語やサンスクリット語)に纒めて記録する仏典結集が行われました。こうして文字化された経典が生まれ、それを中華漢語に翻訳した物が、日本に伝来しました。このように、口伝の文字化と翻訳を繰り返す中で、内容が難解になった可能性があります。

 そのため、このような難しい思想が書かれた経典を読破し、その教えを自力で実践するのは「難行」と言われます。それに対して、誰でも簡単に取り組める修行として、神仏や経典の名前を(一種の呪文として)唱える「易行」が考案されました。神聖な言葉には、それを唱える私達自身を、神仏の世界に結び付ける力があると信じられています。

 しかし、呪文さえ唱えれば全て良しというわけではなく、神聖な言葉と触れ合う修行を通して、自らの言葉を正し、そして心と行動を真善美に近付ける努力をすべきです…と、ヒジリお姉ちゃんは付け加えていました。

 約30人が集い、皆で心身を整える良い時間になりました。今年の秋を目途に、オンラインから寺院現地での開催に移行するかも知れないそうです。


大久保
HERO crescent

 さて、今日は忙しい事に(また)新宿区でライブがあるので、永眠中のネネカさんを叩き起こして再出発しましょう。

 今度の会場は、東新宿・新大久保駅にあります。

新宿区 淀橋 大久保町
新宿区 淀橋 大久保町

 休日最後のイベントは「HERO crescent」です。

 「クレスントcréscent」は「三日月・新月」という意味です。また、イスラム教が三日月の旗(新月旗)を用いる事から「トルコ帝国(オスマン朝)などイスラムの軍勢」という意味もあるそうです…と、ヒジリお姉ちゃんが英和辞典で調べてくれました。

 昨晩、よる様の時はメロンソーダを注文していたネネカさん、今度は気分転換で「ブラックコーヒー」を頼んだ所、予想以上に高温な缶コーヒーを受け取っていました。

 さて、今宵の出演者は…。

  • すい

 歌と写真を兼業する、多才な芸術家です。昨晩の、よる生誕ライブでもカメラマンを担当されていました。

  • ざらめ

 先日の渋谷でもお逢いした、とにかく可愛い「ざらめ」様です。イベント名を反映して、今回は「月」に関する曲を歌われました。色々なグッズも販売されていますが、ネネカさん的にはツーショット撮影を優先したい模様。

  • 梨木つむぎ

 毎度お馴染み、このブログでも毎月のように登場して下さる梨木さんです。以前、イベントの写真を収納するファイル帳として、梨木さん物販の公式チェキファイルを購入したのですが、それが既に満杯となっていたので、今夜ここで二冊目を買う事にしました。

 こうして、忙しい二日間の予定が無事に終わりました。ネネカさんに、夕飯を帰りに外食するか相談してみます。

 そういうわけで、大久保通りの韓国料理屋に寄り「チーズマグマ鉄板」とやらを注文。疲れましたが、充実した休日になりました。


5月27日(月曜)
大森池上 夏祭実行委員会

 翌日、月曜の夜。大森池上の公民館では、今年8月の夏祭に向けた第一次実行委員会が開かれました。この夏祭は、郷土のランドマークである大本山寺院の門前町たる池上を中心に、区民が一つになれるようなイベントを目指して2003(平成十五)年に始まり、パンデミックによる休止を経て去年から再開し、今年で19回目になります。

 初回から開催に尽力されてきた、町興会の名誉会長である前区長も臨席され、改めて今年の開催に向けた議題を確認しました。各コーナーの副リーダーを選出する事や、当日の昼食券の配布方法などについて話し合われました。

 ヒジリお姉ちゃん達は、今年も歴史地理(地域の写真や地図などを展示する)コーナーを担当します。

東京 大田区 大森 池上町 徳持
大田区 大森 池上町 徳持

 終了後、本門寺商店街(徳持地域)のエスニックレストランに寄りました。

 メグミさん達と満腹になってから、私達は帰宅しました。

 なお、この頃5月24日(金曜)~27日(月曜)には、西新宿・都庁前(新宿区 淀橋)で「第37回 東京国際ミネラルフェア」も開催されていました。


5月30日(木曜)
「ヨブ記」を読む

 今週の読書会で、ヒジリお姉ちゃん達のグループは「ヨブ記」などを学習しました。

 「ヨブIyob」は『旧約聖書』の「詩書文学」に含まれる物語で、それ自体が一つの世界的文学作品とも言われます。神や悪魔が、人間に課す試練をテーマとしています。

 思想史的には、ヨブ記の物語は「善良なる神が創造したはずの世界に、なぜ罪悪が存在するのか?」を考える弁神論に影響を与え、神の存在を理性的・哲学的に認識しようとする探究に繋がったそうです。

 私達が人生で経験する苦楽には、自分自身のこれまでの言行に由来する内的なもの(自力)と、他者の意志による外的なもの(他力)があると言えそうです。これは、先述の自力難行と他力易行の話にも通じます。そして、修養の道を極めた聖者は、他人事をも自分事として認識できるようになり、自他の区別を超越した境地に達するのでしょう。

 そのほか、参加者は「ヨハネの手紙Ⅰ」(新約聖書)なども拝読していました。

 さて、そろそろ月例診療の時間なので、本を閉じて出発する事にしましょう。私達の旅は、皐月から水無月へと歩み始めるのでした。




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