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女性アスリートの月経周期と外傷・障害発生との関連性に関する研究を開始しました

ユーフォリアは、2022年10月より「月経周期とスポーツ外傷・障害の関連の検証」プロジェクトを開始しました。

このプロジェクトでは、以下について検証します。

  1. 稀発月経や無月経[注1]などの月経周期異常がある場合に外傷・障害の発生率が増加するか

  2. 月経の頻度が減ると外傷・障害発生率が増加するのか

  3. 正常な月経周期[注2]を有する場合においてもどこか特定のフェーズ[注31]で外傷・障害発生率が増加するか

このプロジェクトを開始した背景には、女性アスリートをとりまく環境にいまだ根強く残る「月経」を軽視する価値観があります。女性アスリートに特有の健康障害を「女性アスリートの三主徴」と総称して呼ぶようになり、予防のための対策について専門家や研究者により発信されることも増えてきた昨今ではありますが、無月経などの月経周期異常と外傷・障害発生リスクとの関連は研究途上にあり、まだまだスポーツ指導者一人ひとりに届いていません。

女性アスリートや指導者の意識を高め、女性アスリートが健康に、そして安全に競技に取り組むためには、科学的根拠に基づく指導・育成が実践されるべきだと考えます。

ONE TAP SPORTSのユーザーにも、数多くの女性アスリートがいらっしゃいます。そのため、ユーザー選手の皆様にもご協力をいただき、そして有効なエビデンスが得られれば実装していくことも視野に入れ「月経周期とスポーツ外傷・障害の関連の検証」プロジェクトを開始することにいたしました。

ユーフォリアの研究開発部門が主体となり、外部組織として設立したユーフォリアスポーツ科学研究所(EIS)の研究者の先生方に参画していただきながら現在プロジェクトを進めています。長期間の追跡調査となる予定ですが、検証結果がまとまり次第、ご報告をいたします。

「月経周期とスポーツ外傷・障害の関連の検証」概要

  • 研究参加者:大学生年代以上の球技系の女性アスリート 300名程度

  • 追跡期間:2022年10月〜2024年1月のうち1年間
    ※参加チームにより開始タイミングが異なります

  • 集計方法:研究参加チーム・選手の同意のもと、ONE TAP SPORTSに入力された月経情報、外傷・障害情報、練習参加情報を集計

  • 検証内容:
    1.正常な月経周期の場合の外傷・障害発生率と月経周期が異常な場合 (稀発月経・無月経) の場合の外傷・障害発生率を算出し比較する
    2.年間の月経回数を5回以下/年、6-9回/年、10回以上/年に分類し、それぞれの外傷・障害発生率を算出し比較する
    3.正常な月経周期を抽出し、卵胞期、卵胞後期 (排卵期)、黄体期ごとの外傷・障害発生率を算出し比較する

  • 研究分担者:
    須永美歌子先生(日本体育大学児童スポーツ教育学部/教授)
    馬見塚尚孝先生(医療法人野球医学 ベースボール&スポーツクリニック理事長)

  • 研究責任者:株式会社ユーフォリア リサーチャー 山中 美和子


[注1] 稀発月経とは月経が39日以上ない状態であり、無月経とは月経が3ヶ月以上ない状態
[注2] 月経周期が24日~38日の場合
[注3] 本研究では月経周期を卵胞期、卵胞後期 (排卵期)、黄体期に分類する




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