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父と娘の日々

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認知症が進行していく、憎たらしく愛おしい父との、尊い日々の記録。
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2021年4月の記事一覧

お父さんは愛の人。

お父さんは愛の人。

今日は寝たきりの父。

薬を飲み始めたからって
そうそう簡単回復するわけではないのだけど
早く解放されたい本人は
いろんな戸惑いを生み出し始める。

それを聞いているのは大変。
はっきり言ってとてもウザい。

私の中からも
いろんな汚濁が湧き出し始め
そんな自分に気づくと辛くなる。

居間でひとり
鉄拳さんのパラパラ漫画を観て
初心に帰ろう、と思い
「お父さんは愛の人」という動画を観ていたら
いと

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ふくらんだ風船は飛んでいく。

ふくらんだ風船は飛んでいく。

今日は元気な父。

仕事のメールのやり取りを
たまたま私に見せてきたので
ちょっと読んでみたら
私のことが書いてあった。

とても傷つく冗談だった。

悲しくて泣いたら
謝ってくれた。

私は頑張り過ぎてると思った。

頑張り過ぎてるから
傷つくのだな。

もう少しゆるめなきゃ。

ケンチャンに父を任せて
遊びに行っちゃおう。

依存と共存。

依存と共存。

自分のことも、ちゃんと労らなきゃ〜と
遊んできたのはいいけれど
私がいないと不安になり
帰ってこないと心配してしまう父は
すっかり様子がおかしくなってしまった。

また戻るのはわかっているんだけど
昼も夜も不安定で
ずっと眠れない父を見ていると
なんとも切なくなる。

今日も明日も、出かける予定あるの?
と聞いてくる。
なんにもないよ
と言うと、良かった〜、って。

依存されると
辛いのは父の方だ

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豊かさを味わう。

豊かさを味わう。

父が、ピーナッツが食べたい、と言ったので
とっておきのピーナッツの
殻を割って出して
ちょうど寒かったので、ストーブの上で
フライパンで炒っていたら
「良い景色だね」
と言った。

そうだよね。
豊かだよね。
こんな風に
ひとつひとつをていねいに暮らしたい。

炒りたてのピーナッツ
とってもおいしかった。

でも、楽しみにしていた父は
喉に残って苦しい、と。

いつもモドカシイのが
我が家の日常。

山を登るようなもの。

山を登るようなもの。

いつまでたっても何をやってても
自信がない。

いろんなことのネックになっているのは
その自信のなさからくるのだと
最近感じ始めている。

どうやったら自信がつくのか
インターネットで調べてみたりしたけど
反発心が強く、あまのじゃくなので
いろいろと素直に取り入れられない。

最近近くの公園まで散歩するようにしていて
小さな公園の芝生の上を
裸足で歩いてみたり
木にさわったりして
街の中でも自然を

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鳥になるには。

鳥になるには。

せっかく治療が始まったのに
その治療すら嫌がる父。

不快な症状が全部
薬の副作用だと思ってしまう。

ちゃんと話を聞いていないと
乗せられそうになるけど
ようく聞いていると
ほとんどの症状が副作用ではなく
まだ効いていないんだ
ということがわかる。

目先の不快感に反応して
目的を忘れてしまう。

うーん、わかるけど
自分もその質があるけど
親とはいえ、自分以外の人のそういうのを
理解させて思い

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パンの神様。

パンの神様。

今日はパンの記念日だそう。

だからというわけではないけれど
2000年からずっとパンがお世話になっていた
東京のレストランにやっとご挨拶に行けた。

私のパン人生は
今と同様に不安定だったけど
元カフェエイト、現在エイタブリッシュは
ずっとずっとそんな私のパンと
根気良くお付き合いしてくれた。

突然終わりになってしまったけど
いつでもまた始められるように
いろいろ考えてくれているのが
本当にあ

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覚えていてほしいことは、忘れられてしまうもの。

覚えていてほしいことは、忘れられてしまうもの。

昨日
居間のソファーで昼寝していた父が
突然泣きながら謝りだした。

いつも夢と現実がごちゃまぜになってしまうのだけど
言ってることを聞いてると
どうやら今の状況について謝っているような
いないような。

自分がだらしないから
病気も治しきれなくて
取り返しのつかないことをしてしまった
みんなに謝らなきゃ、と
ケンチャンにも謝り
母にもお線香をあげて謝った。

父が泣いてるのを初めて見た。

やっ

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たくさんの足で、一歩前へ。

たくさんの足で、一歩前へ。

今日は母の四十九日。

昨日まで寝込んでいた父は
今日は朝から元気元気で
床屋に行く!と言う。

朝ごはんをしっかり食べて
床屋でさっぱりして
お昼もしっかり食べて
昼寝しても
いつもなら撃沈するパターンに見えて
撃沈しなかった父。
できるじゃん。

弟家族もやってきて
ちょうど産まれて1ヶ月の赤ちゃんと初めまして。
小さくてすごくかわいい。

3人の子ども達
みんな同じような顔をしてて
すごくか

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理想と現実。

理想と現実。

もうすぐケンチャンが
2週間京都に帰るので
今のうちにいろいろやっとかなきゃと
今日はお香典返しを積み込んで
母の妹のおばちゃんちに行ったり
いとことお昼を一緒に食べたり
すごく久しぶりに
友達のお母さんと話したりと
いっぱい笑って
楽しかった。

最近は、いろんな人に会って
いろんな話をしていると
いろんな影響を受けて
内側が広がる気がする
誰と話していてもうれしい。

家に帰ったら
また父が大

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太陽が染み込む。

太陽が染み込む。

昨日に引き続き、今日も一日
父は戻ってきてくれなかった。

父が言うところの
「あっち側」に行ってしまった。

説明しても、からかっても
祈ってみても、だめだった。

私は、父を、ちゃんと
信じられていないのかもしれない。

本当のところ
どうなっても良いのかも。
もう投げやりだ。

父の人生は
父の思うように
歩いていくしかないんだもの。

今日は昨日の続きで
友達に会いに行った後
腰越の海を歩

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父と一緒にスタミナ系。

父と一緒にスタミナ系。

父のディープトリップと
ケンチャンの京都行きとで
家族の旅が重なり
私のこころは極まった。

全然極めたくないんだけど
どうしてもがんばってしまうようで
あふれてしまう。

誰でもみんな、自分の思うように
生きたらいいと思うけど
それはきっと、私の本心じゃないんだよな。
相手にわがままも言いたくなる。

それが自分を苦しめてるのもわかるけど。

そんな時に
長野のいとこのお姉ちゃんが電話をくれて

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不思議は楽しい。

不思議は楽しい。

早朝から蚊に起こされた。

ここは、こんな時期から蚊がいるのか。

そんな生活も15年ぶり。

脳の研究をしてる友達が
ミラーニューロンの話を聞かせてくれた。

説明するのは難しいけど
あくびがうつるのはなぜかってことの原理。

父が夜眠れないと
私も眠れないのなら
私がぐっすり寝たら
父も良く眠れるというような。

私がイヤラシイことを考えてると
父の発言もイヤラシかったり。

近い人程そうなる

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40代、老後を考え始める。

40代、老後を考え始める。

昨日、父の病気の勉強会みたいのに
誘ってもらって行ってきた。

誘ってくれた方のお母さんと
うちの父は同じような病気なんだけど
その方は私より20歳年上。

会場に来てる人達も
私より20歳とか30歳とか
上そうな人ばかり。

ざっと見渡した感じ
私のような若造はいなそうだった。

昔から、お母さんくらい年上の人と
遊ぶのが楽しかったけど
こういう場面でも
そんなことになるとは。

ちょっと早いな

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