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培養魚肉関連企業と特許(イスラエル企業を中心に)

培養肉、細胞培養ミルクと続いて、今回は培養魚肉関連企業と特許について軽く調べてみたいと思います。今回はフードテックに国が全面的に取り組んでいるイスラエル発企業を中心に見て行こうと思います。

今回は以下、イスラエル大使館経済部の情報も参考にさせていただきました。

イスラエル大使館 経済部 フードテック


Forsea

Forseaはウナギをはじめとする魚介類の養殖のプラットフォーム技術を持つ養殖魚介類企業。

https://israel-keizai.org/business/forsea/

私たちは、商業的に実行可能な唯一の水産養殖プロセスを完成させました。
しかし、強みはそれだけではありません。
 -天然魚組成
 -循環経済基準
 -成長因子の大幅な減少
 -より高いスケーラビリティの可能性
 -急速な細胞増殖能力
 -よりシンプルで費用対効果の高い生産
 -無限の魚種の可能性       

https://forseafoods.com/#adv

この企業については、自然の組織形成方法に関するプラットフオームテクノロジーに関する特許があるとのことなのですが、ざっと調査した限りではどの特許か探しだすことができませんでした。

WandaFish

イスラエルの培養魚スタートアップWanda Fishは、培養魚の開発でタフツ大学(アメリカ、マサチューセッツ州)と2つの契約を締結したことを発表した。
Wanda Fishはライセンス契約に基づき、細胞農業をリードするタフツ大学研究者David Kaplan氏の魚細胞培養における知的財産の独占的使用権を獲得した。さらに、2年間のスポンサー付き研究契約も交わされ、Wanda FishはKaplan氏の培養魚生産の研究プログラムを支援する。
細胞農業の第一人者であるKaplan氏とのパートナーシップは、設立間もないWanda Fishの研究開発を前進させる促進剤となる。

https://israel-keizai.org/news/wanda-fish/

私たちは細胞培養、バイオテクノロジー、フードテック、料理デザインなど、さまざまな分野のイノベーション独自のアプリケーションを統合することにより、最高品質で妥協のない養殖シーフード ソリューションを提供することを目指しています。

https://wandafish.com/

特許についてDavid Kaplan氏が発明者のものを、以前紹介したLens.orgで簡単に調べてみたところ、出願は23件、主な出願国は日本、ブラジル、メキシコ、中国で、ほぼ絹フィブロインに関する出願でした。

David Kaplan氏は絹フィブロインについて外科手術時に用いる医療機器の商品化なども手掛けられていたようです。

E-Fishient

E-Fishient ProteinはBiomeat FoodtechとVolcani Centerの共同事業で養殖ティラピアの開発をしています。

https://israel-keizai.org/business/efishient/

こちらの企業についても、ざっと調べた限りでは、公開中の特許出願は見当たりませんでした。


少し趣向が変わり、ドイツ発の企業となりますが、先日NHK BS1スペシャルでも取り上げられていた注目の培養魚スタートアップ企業がこちらです。

Bluu Seafood

魚から一回限りの生検にて成魚の幹細胞を取り出し、細胞株を開発→細胞分離に成功した後、無限の細胞増殖に最適な無血清条件を定義→バイオリアクターにて、栄養豊富な培地にて細胞を培養、成長させる→最終生産段階に必要な細胞バイオマスを形成するために魚細胞がスケールアップする成長面である足場に定着させる→細胞バイオマスが最終消費製品のための新たな食品となる

https://bluu.bio/how-it-works

また、日本国内では以下企業の動向も気になります。

IntegriCulture Inc.

「細胞農業」に注力している企業で、日本企業2社と共同で、魚類の筋肉細胞の培養技術の確立に向けて研究を行うとのこと。


上記記事にもあるように、水産資源の不足も昨今の環境・食料問題の一つとなっており、日々の食卓が魚介類と深い関係にある日本においては、是非こういった水産資源不足解決にもつながる研究に個人的には力を入れてほしいところです。


*エトワール国際知的財産事務所 

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