見出し画像

培養肉等の新たな食品に関する規制等について

培養肉という新しいジャンルの食品がいよいよ米国でも市場に出るとなったときに気になるのは、やはりその食としての安全性かと思います。

培養肉等の新たな食品に関する規制等については、現在まさに色々と議論されているところかと思いますので、今日はネット等の情報を参考にしながら、あくまで個人的見解として、各国での規制等や、現時点で議論されている概要について、まとめてみたいと思います。


各国の審査状況について

2023.8現在、培養肉の販売許可が出ている国は、シンガポール及び米国となります。シンガポールはSingapore Food Agency(SFA)がNovel Food(新規食品)の規制枠組みの中で安全性評価等をおこなっているとのこと、審査情報は非公開とのことです。
培養肉を含む細胞培養食品固有の安全性審査項目としては、培養肉食品の特徴(栄養組成、抗菌剤・成長促進剤、調節因子の残留レベル)、細胞株に関する詳細情報、培地の詳細情報、製造工程における様々な情報等があげられています。

米国ではFood & Drug Administration (FDA) およびUS Department of Agriculture (USDA)で審査が行われているようです。2019年3月に両組織は培養肉を共同管理する協定を発表しており、 この協定に基づき、FDAは、実際に肉になる前の培養肉に至るまでのすべての段階を管轄し、最終的な肉製品には、従来の肉製品と同じ安全基準とラベル表示要件が適用されるとのことです。 このUSDAとFDAの協定は、家畜や家禽由来のすべての培養肉を対象としており、養殖魚介類などの他の培養肉製品はFDA単独の監督下にあるとのことです。

なお、フードテックに関するヨーロッパ発の企業は、スタートアップ含め多い印象ですが、欧州の培養肉販売許可に関する動きは、現時点では米国、シンガポールに後れを取っている印象です。
イタリアでは、培養肉等の合成食品といわれるものを禁止する法案を支持したとのニュースもありました。引き続き今後の動向について、注視していきたいです。

日本国内の状況について

日本において、培養肉の安全性に関する法律として真っ先に思い浮かぶのは、食品衛生法になるかと思います。食品衛生法第7条では、新しいタイプの食品について、その販売を禁止する措置が定められています。しかし解釈によっては、同法7条が非常に緩い規制ではないかとの議論もあるようです。
一方、同法13条において、市販される食品や添加物の生産方法などに関する規格を定めた「食品、添加物等の規格基準」を厚生労働大臣が策定できるとの定めがあり、遺伝子組み換え食品については、この13条を根拠に事前審査のルートにのっているとのことです。培養肉も遺伝子組み換え食品と同様の仕組みで、日本国内で事前審査のルートにのることになるのかどうか、今後の動向が注目されます。

今回は主に培養肉の食としての安全性の面から、各国の規制動向を見てみました。

参考資料:

*Clean Meat – How an Emerging Technology Will Be Regulated:https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/technical-documents/technical-article/food-and-beverage-testing-and-manufacturing/regulatory-compliance-for-food-and-beverage/regulating-clean-meat

*【寄稿】 培養肉に関する法規制と、日本における安全性の保証について:

*細胞培養食品について:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001021172.pdf

*西村あさひ法律事務所(AFLP News Letter No. 10):

https://www.nishimura.com/sites/default/files/images/82421.pdf


*事務所へのご依頼はこちらをご覧ください。

*エトワール国際知的財産事務所 

*lit.link(SNSまとめサイト)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?