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押し入れが心のサイン。

少し自分を変えたいと思った。

誰かを綺麗にする仕事をしている。
…果たして今の自分の中身ってどうなんだろう。

だいぶ変化を恐れている。

ブレーキをかけているのは自分で
心の中ではこれでいいって思っていたはず。

もやもやと不安が家の押し入れに現れ始めた。

整理するのにもエネルギーがいる。
どっと疲れた。
見たくないものを見てしまったようだった。

自分の唯一のお城が家だ。
色々なものを押し込め始めた時が
見たくないものを見つめるサイン。

見た目を美しくするには
内面を問いただすことが大切なのだと
病院で見た自分の数字。
40歳7ヶ月を見て思う。

今更焦ることなどないのに
えええって
思ってしまった。

もういいか、今更だし。
そう思う自分と
まだまだやれることがある。

諦めと期待と不安が入り混じる時。
そういう時をまたひとつ乗り越えたりして
自分の好きなおばあちゃんへと進化したい。

服を捨てて、
新しいニットとストールを買った。
冷蔵庫の中の期限切れのものを全て捨てた。
いつも何かもうありがとうになったものはないか探すようになった。

古い人格を捨てるかのように
私は新しく生まれ変わりたいのだと思った。

否定するのではなく
これでよかったんだよ、ありがとう。

今はもうなくても大丈夫だよ。
そんな感じなのかもしれない。

私の執着心は一部のものに現れるらしい。

フランス人は10着しか服を持たないという本があるが、狭いからとか色々あるのだろう。

ものを置けるスペースがあることで
色々なものを増やした結果
残るのは始末。

空間を彩りたい。

数年格闘しながら今の私がいる。

ミリマリストでもシンプリストでもない。
私は特に名前などいらないから
暮らしを工夫してもう少し
他のことに時間をかけてみたい。

いつか見たくないものも
心地よく風が吹き抜けるくらいになるだろうか。

明日は9℃寒いらしい。
秋はいろんなもので覆い隠そうとしてしまうから、心は少し見つめてみたい。

金木犀の香りをスゥッと吸い込んで
深く息を吐いた。

私に足りていなかったのは
心の呼吸みたいだ。

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