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日記 【911の記憶】

こんにちは。今日は9月11日ですね。アメリカでは20年前のこの日に、ニューヨークはマンハッタン島の金融街にあったワールドトレードセンタービル、別名ツインタワー、が米国同時多発テロによって崩壊した悲しい日だ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ワールドトレードセンター_(ニューヨーク)

この日の事は良く覚えていて、夜にイギリス人のマネジャーから電話が掛かってきてテレビを見るように言われた。その時は私もテレビを持っていたので、ニュースを付けたら信じられない光景が飛び込んで来た。

あの世界一の経済力を誇るアメリカの、世界一競争力の高い街ニューヨークのマンハッタンで、そのシンボルのひとつだったツインタワーに飛行機が2機も突撃した。その後沢山の人が逃げ場を失ってビルから飛び降りたり、あんなに高層で立派なビルが崩れ落ちる等、壮絶で非現実的な出来事だった。大昔に観た『タワーリングインフェルノ』という高層ビルの大火事の映画を思い出したが、それよりもシューリアルな映像だった。

↑はトランプJRさんがTelegramでシェアしていたツインタワーの写真。こんなに立派なビルだった。

たまたまその時父がアメリカに行っていて、全ての飛行機の便がキャンセルになってしまって日本に戻って来れない可能性もあった。なので、その日はニュースを確認しながら朝までずっと起きていた。父の便は飛行機の便がキャンセルされる前に飛んでおり、無事に戻ってくることが出来たのだが。

私自身は、911の1年前にワールドトレードセンターに行ったばかりだった。ニューヨークはその頃は大好きで何回か遊びに行っていた。当時『Sex and the City』という、マンハッタンで生きる女性のテレビシリーズが流行っていて、私も私の女友達もみんな夢中になっていた。お洒落で女性が自由に生き生きとしているニューヨークに憧れた。

その時は、当時アメリカの金融機関に働いていた日本人元同僚と、彼女の現地のアメリカ人の友達数人とでワールドトレードセンターの北タワー106と107階にあった「Windows on the World」というレストランに食事に行ったのだ。

今みたいに写真がiPhoneに保存されている訳ではないのでその時の写真が実家のどこかにまだ存在するかは不明だが、心の中にはその時の事が刻まれている。ロウアー・マンハッタン、皆んなでわくわくしながらエレベーターに乗った。106階なんて高い場所にある、ちょっと大人で背伸びしたレストランでの豪華なランチ。その思い出のワールドトレードセンターが、崩れて瓦礫の塊になってしまったのだ。そこで働いている人達も含めて。衝撃だった。

そして、同時多発テロ事件の約1ヶ月後に、又私はニューヨークに居た。丁度休みがあったので、危ないよと言われながらもニューヨークに行く事にした。あのキラキラと輝いていた街がどうなってしまったのか見てみたかったのだ。

飛行機に乗る際のセキュリティ・チェックがそれ以前とは比べ物にならないくらいに厳しくなっていた。それまでステンレス製だったナイフやフォーク、スプーンは911の事件を機にプラスチックになった。機内に飲み物も持ち込めなくなった。

タクシーでマンハッタン島に入ったら、何処に居ても逃げる事の出来ない油と鉄が混じった匂いが追いかけて来た。車の修理工場の様な匂いが、本当にマンハッタンの街中を覆い尽くしていたのだ。自信に溢れて物おじをしなかったニューヨーカー達の中には、不安が漂っていた。『Sex and the City』のキラキラは息を潜めていた。

私がその頃働いていた会社の米国オフィスは、ワールドトレードセンターの斜め前だったので、わざわざオフィスに行って窓から崩れて無くなってしまったワールドトレードセンターの跡を見物させてもらった。

アメリカはブッシュ(息子)政権の元、アフガニスタンに空爆を始めていた。その時は、飛行機をハイジャックした犯人の中にアフガニスタン国籍の人は一人も居なかった事実さえ知らなかった。

もう20年も経つのだ。今夜はテロと戦争で亡くなった人達に祈りを捧げたい。

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