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ジョージアで食べておきたいジョージア料理を知るための10皿

あけましておめでとうございます。この10皿シリーズ、今年も描き続けて行きたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

さて、昨年は、このシリーズをずっと続けていくために世界の料理を徹底して食べ続けていたわけですが、ナイジェリアやカメルーンのボリューム感のある料理を食べ過ぎたり、ラオス料理を1人丹念に研究するあまり食べ過ぎたり、かなり太り続けております!

また前回、初めて10皿の禁を破り、未承認国家「アブハジア」について書いて美化してしまったので、ちょっと本国ジョージアに申し訳ないなと、後ろめたい気持ちで新年を迎えてしまいました。

そこで!この食べ過ぎ問題と「アブハジア」問題を一気に解決すべく、2015年のジョージア旅行の写真を使ってジョージアの10皿を書いてみようかなと思い立ちました。ここ最近この国の料理は、話題になってはいるものの、未だ本格的なジョージア料理店が誕生していません。なので、それに先行して10皿やるのは、悪くないかなと思った次第です。そしてなんと...

2021年明日1月19日からシュクメルリ鍋定食復刻!というわけで、やるしかないと確信させていただきました。

ジョージアの代表的な料理は出て来ますが、いくつかは私がたまたま出会った料理です。この国は、食材も料理の種類も本当に豊富なので、こんな10皿では収まりきれないくらい魅力的な料理が沢山潜んでいます。メジャーな10皿というより、あくまで個人の体験としての10皿だと思ってください。

他にも、ニューヨークでのジョージア料理体験や、ウクライナのキエフで食べたジョージア料理のことなども含めて、書いてあります!

①ハチャプリ-Khachapuri (ხაჭაპური)

ジョージアを代表する料理と言えば、まずこれが頭に浮かびます。日本でも、先日あるお店で期間限定で本格的で美味しいハチャプリを提供したり、なんちゃってなハチャプリを提供するパン屋さんも出現するなど、今日本でもジワジワきている注目の1皿です!

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どーん!アジャラ・ハチャプリ

この卵とバターが乗った船のような形のハチャプリは、アジャリアというジョージア西南部の地域で作られたことから、アジャラあるいはアチャルーリ(Acharuli/Adjaruli)ハチャプリと言う名前になっています。

思えば、ジョージアに行ったのは、これを食べに行ったと言っても過言ではありません。トビリシのちょっとファミレスっぽいモダンなお店で食べましたが、すっごくクオリティ高かったです!

お店の詳しい様子は、私のこちらの旅行記を見てください。

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食べ方ですが、卵をくずして中のチーズとまぜまぜしながら、パンの端をちぎってつけながら食べます。この料理の何が美味しいかといいますと、ポイントはチーズです。日本では、おそらく手に入るのが難しいスルグニチーズとイメレティチーズが入っていて、このちょっと塩辛い感じが卵と絡まって、ふわっふわのパンを美味しくいただけるというものなのです。

こんな感じのチーズになります。ジョージア以外では、モッツァレラとフェタチーズを代用して作っているハチャプリも多いとか。ちなみに、このイメレティチーズの誕生したイメレティ地方のハチャプリもあります。

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このタイプのイメレティ・ハチャプリが、ジョージアで一番一般的なもののようです。ただ、アジャラタイプの方が映えるからか、ハチャプリと言うとそっちが紹介される場合が多い気がします。

このハチャプリも、同じように先の2つのチーズが中に入っています。アジャラよりもチーズが軽めに入っているので、普段食べるならこちらの方が軽めでいいかもしれません。

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ハチャプリは、こうしたチーズの入っている料理で、メニューを見ると中に入っているものが豆だとロビアニだったり、ポテトとチーズでハビジニだったり、色々と呼び名が変わっていました。地域で、色々なハチャプリのバリエーションもあって、なかなか覚えるのが大変です。

こちらのサイトにハチャプリの主な種類が、綺麗にまとめられていたので、ご参考までに。

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ジョージアの町を歩けば、このように至るところにハチャプリなどを焼くパン屋さんがあり、食欲をそそられて買いたくなってしまいます。ジョージア旅行は、そんな欲望との戦いの旅なのです。

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ちなみにアブハジアでもハチャプリを食べました。これは、アブハジアの首都で食べたアジャラ風のようなハチャプリです。卵が入っていない状態でした。サイズがちょうど良く朝飯に食べるのに丁度よかったです。

Georgia-Tblisi6のコピー

これは、2001年にニューヨークのジョージア料理店で初めて食べたハチャプリです。サイトを見て照合すると、ミングレル・ハチャプリかと思われます。中に凄まじい量のチーズが入ってて食べきれなかったのを覚えてます。

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それを食べている当時の私。痩せてました。。。

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その後、2016年にニューヨークのブルックリンにあるロシア人街「ブライトン ビーチ」を訪れました。すると、このように普通にハチャプリをスーパーの店頭で販売しています。この頃には、マンハッタンにもジョージア料理が出来てたりして、日本より一足早くジョージア料理がジワジワきてたんだと思います。2001年の頃は見かけなかった風景です。

日本でも、ロシア料理店などでたまに見かけるようになったハチャプリ。本国ほどではなくても、ニューヨークレベルでハチャプリを気軽に食べられる環境になって欲しいなあと願い続けています。

②シュクメルリ-Shkmeruli (შქმერული)

一方、ニューヨークレベルを越えて、日本で定着した感のあるジョージア料理も本国で食べていました。まさか数年後、日本にブームが来るとは、思ってもいませんでした。

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ご存知シュクメルリです。松屋で食べた方も多いと思います。

ただ、1人前なんですが、鶏が1羽分くらい入っているのではという量でした。そのくらいの大きさになります。その大きさはさておき、なんかちょっとスープの見た目が松屋のものと違いませんか?

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こちらは、私が2019年12月に食べた松屋バージョン。黄色がかった色とスープのドロドロ感は、本国のものにはありませんでした。

私の松屋シュクメルリの印象は、チーズが濃厚に入ったニンニククリームシチュー。私は、コッテリしていてとても好きですが、向こうで食べた味とは、結構違うなあと思いました。

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わかりにくいかもしれませんが、松屋版にあったスープの上のチーズが見当たりません。どちらかというと牛乳とバターの味が強かったです。もちろんニンニクはガッツリ効いていますが、スープ自体はサラっとしています。その中に香ばしく揚げてある鶏がゴロゴロとワイルドな感じです。

松屋版は、このニンニク加減を生かし、うまく日本のご飯と合うようにアレンジしたようで、松屋のサイトにもそんな風なことが書いてありました。

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ジョージアでは、こんなパンと一緒に食べます。このパン、何気にジョージアで食べた中で一番美味しかったです。それだけシュクメルリとパンの相性が良いものだからかもしれません。

日本というジョージア料理不毛地帯に、よくぞ松屋さんは、このシュクメルリを上手くアレンジし、これだけメジャーな料理にしてくれました。超リスペクトです!

③ヒンカリ-Khinkali (ხინკალი)

この料理もジョージアを代表する料理。存在は長いこと知ってはいました。

旧ソ連圏の色々な餃子をニューヨークで食べてはいたので、ジョージアにもあることは知ってはいました。ただ、ロシアのペルメニやウクライナのヴァレニキなどを食べた感想として、美味しいけどそれほど個性的とは感じたことがなかったのです。

結果、ニューヨークのジョージア料理店では、この料理を食べなくても良いだろうと、長年食べずにいたのです。

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「ジョージアにはヒンカリって餃子があるらしいよ。」

と食べずに知ったかぶりして早15年以上、初めてジョージアの地に降り立ちました。

「せっかくジョージアに来たので、気軽にヒンカリでも食べておくか。」

そんな知ったか高飛車な気分で、トビリシの観光地にあった手軽なカフェで休憩がてら、ワインのツマミとして人生初のヒンカリを注文したのです。

「ほう!これがヒンカリね。どれどれ...」

と心の中でつぶやきながらナイフとフォークで割ってみちゃいました...

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「じゃばああああ... 」

中からスープが飛び出して、皿の上はスープまみれ!スープをつけながら平静に食べましたが、心の中では慌てていて味がよくわかりません。

すると、隣のおいちゃん達や美人のウェイトレスさんたちが、クスクス笑っています。

「兄ちゃん!そんな感じで食べちゃダメだよ!」

全員から一斉にダメ出しです。

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なんとヒンカリは、手で食べる料理だったのです。皮のてっぺんが、つまめるようになっていて、そこを持って、スープをこぼさないように食べるのが基本なんだそうです。

フォークでスープ丸出しで食べた時とは、当然ながらスープの旨味の度合いが全然違います。小籠包同様、スープと一緒に食べると本当にめちゃくちゃ美味い!小籠包を初めて食べた時以上の感動がありました。ヒンカリは、旧ソ連圏の中でも格別に個性的な餃子系の料理だったのです!

また、食べ方や食感だけが個性的なのではありません。今まで食べたことのない味つけでもあったのです。このベーシックな牛肉のヒンカリには、なんとも言えない爽やかな味わいが。どこかアジアを思わせるような...

それは、パクチーでした!

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写真は、トビリシのお店で注文した、ハーブ盛り合わせ。これだけ見ると、まるでベトナム料理のフォーの付け合わせのようです。

ジョージアでは、このように緑野菜やハーブが好んで食べられています。そんなハーブの中でも、よく使われていたのがパクチーです。このヒンカリには、パクチーが醸し出す爽やかなな味わいとどっしりした肉、それらを流し込む肉汁スープが混ざり合うことで、幸福な衝撃が仕込まれているのです!

こちらのレシピを見ると、パクチー(Cilantro)が入っています。いくつかのレシピをみましたが、だいたい入っているものが多いようです。

これを一度味わってからと言うもの、ヒンカリを食べたい衝動に何度も駆られました。でも、せっかくならヒンカリをメインに提供する店で食べたいと思い、ロンプラを見てヒンカリ専門店に行きました。次の3枚の写真が、それです。

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映えません。。。

実は、どれも中身の違うヒンカリです。外観からは、全部一緒に見える上に中身によっては、しぼんだ感じのものもありました。ポテトやマッシュルームなど結構色々あります。でも結局、王道の牛肉が一番美味しかったです。

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本当は、このメニュー(違うお店)の写真のような感じで、素敵な写真が撮りたかったのですが、同じ中身じゃないとそうはいかないみたいです。このメニューを見ると揚げヒンカリもあるみたいですね。とにかく皮が厚いので、お腹がすぐいっぱいになります。

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取っ手は、このように残すのがマナーと言われました。日本人からすると、かなりもったいない感じですが、郷に入っては郷に従えです。

④ニグジアニ・バドリジャニ-Nigvziani badrijani (ნიგზვიანი ბადრიჯანი)

以上の3皿は、日本でも結構知られるようになったメジャーなジョージア料理と言っても良いでしょう。しかし、こちらもかなり代表的な料理だと思います。そして、あんなに美味しい美味しいと言っていたハチャプリやヒンカリよりも、私が一番に推すジョージア料理がこちらなのです!

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こちらは、ジョージアの前菜3種盛りです。紹介したいのは、この手前の大きな分量のペーストではなく、左上にあるペーストをナスで巻いたものの方です。良い写真がこれしかなかったので...

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いつまで経っても名前を覚えないニグジアニ・バドリジャニという料理です。胡桃とガーリックにハーブが色々入ったペーストを、揚げた薄切りのナスで巻いた前菜です。もう無敵の美味しさです!ハーブの味加減が絶妙で、まったりクリーミー。そして、このナスの焼き加減とオイルの使い方が超絶でした!この写真のバドリジャニを食べた時は、泣きそうになるくらい感動しました。お店はズグディディにあるレストランです。(お店の場所は4Travelを見てね!)

ナスと胡桃がこんなに素晴らしい組み合わせになるということを発見したジョージア人の料理のセンスがとにかくヤバいです。この国は、こうした中東のマッザ(メゼ)のような前菜料理がとにかく豊富です。中東とはまた違うセンスで、こんなすごい前菜をいくつも作っているのが、本当に感動ものでした。

ちなみにマッザ(メゼ)については、こちらフムスの4皿目に書いてますので、まだ見てない方は是非ご覧ください。

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こちらも同じ料理ですが、やはり店によっては上手い下手があります。これは、トビリシのカフェで食べたバドリジャニですが、はっきり言って不味かったです。レシピの分量などを間違えると如何にジョージアと言えどもハズレるのです。

ある時、ジョージアに旅行した知人に料理の感想を聞いたことがありました。当然、すっごく美味しかったという答えが返って来ると思ったら、

「塩辛くて不味くて全部不味くて大変だったよ。」

なんて不幸なんだ!とただただその一言に衝撃を受けました。私もハズレの店は、何軒か出会っているので、ジョージアで店選びは、結構大事なんだと思いました。

でも、当たりを引いた時の感動は、生涯忘れられない至高の体験を得られるのです。それをこのニグジアニ・バドリジャニは教えてくれました。そんな思い出深い1皿です。

⑤チャカプーリ-Chakapuli (ჩაქაფული)

こちらは、私が生まれて初めて食べたジョージア料理です。2001年にニューヨークのジョージア料理店を訪れた時に食べました。

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こちらは、トビリシで食べたチャカプーリです。肉とタラゴンの葉や様々な緑ハーブ系が入っていて緑色野菜が好きな私には、たまらん味付けなのです。こんだけ緑の葉っぱがたくさん入っているのに、苦味とかはそんなになく、逆にさっぱりしています。それでいて、旨味もしっかり!野菜と肉の味付けのバランスが抜群な料理です。

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肉が何を使っていたか、ちょっと忘れてしまいましたが、牛か羊が定番なので、羊なら忘れないので、多分、牛でしょう。

ウィキを見ると、ジョージア料理の定番の一つだそうです。

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ちなみに、こちらが2001年のニューヨークで食べた羊のチャカプーリです。当時、イエメンの羊料理が一番の大好物で、羊が大好きになったばかりの時でした。なので、羊と言えば中東というイメージ。そんな時に、中東からかけ離れた調理法の料理に出会いびっくり!世の中には、まだまだ見知らぬ味の使い方をする料理もあるんだと驚いたのを、今でも覚えています。

⑥シーラプラヴィ-Shilaplavi (შილაფლავი)

こちらは、他の料理に比べてシンプルで、味付けも他のジョージア料理と一線を画している気がしました。どこか別の国の料理ではないかと思ったくらいです。

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トビリシにあるサムゴリ市場の大衆食堂で朝食に食べたシーラプラヴィです。ネットで、この名前が正式名称のように出ていたのですが、私が教わった料理名は、シーラでした。プラヴィという名前は、中央アジアのプロフから来ている模様です。

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リゾットというか、お粥のような感じの食べ物です。朝食に食べました。牛肉が入っています。ただのシンプルな塩味かと思いきや、八角のようなスパイスが効いていて独特の旨味がありました。たかが朝食のお粥でも、この味に対するひと工夫がジョージア料理のすごい所です。

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ちなみに、ジョージアでは、パンがメインなので米料理にはそこまで出会いませんでした。こちらは、きゅうりと米のサラダのようなもの。メスティアの宿でいただきました。他の米を使った料理としては、スープに入っているものを食べた程度です。

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ちなみに、料理と一緒にある飲み物ですが、紅茶のように見えて実は、コニャック!こちらの写真の方々から一杯ご馳走になりました。狭い食堂なので、言葉がわからなくともすぐ仲良くなり、私が、彼らに混ざったために、ジョージア名物の「ガーマルジョス(乾杯)」が何度も行われることに!

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一番奥の方がタマダ(乾杯の音頭をとる方)となって、何度も語りを入れながら、祝杯をあげるようにガンガン飲んでいきます。みんなは、イッキなのでコニャックのボトル一本がものの10分くらいで空いてしまっていました。私は、さすがにちょびちょびでしたけど。素敵な食堂なので、サムゴリ市場へ行ったら是非訪れて欲しいお店です。

⑦チャシュシュリとオストリ-Chashushuli & Ostri

この二つの料理は、ネットで調べると同じ料理としている場合もあれば、違う料理として扱っているレシピもありました。食べた感想から言うと、前者がスープ、後者の方がこってりしたシチューと言う感じの料理です。

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こちらは、チャシュシュリです。大好きになったズグディディのレストランで食べました。4皿目に紹介したバドリジャニと他のペーストなどの前菜が、感動的な美味しさだったので印象が薄れていますが、普通に美味しいトマトビーフシチューと言う感じでした。でも、見た目そのままの味だったので、驚きはあまりなかったです。

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肉と一緒に色々な野菜も入っているのが特徴です。食べがいがあります。量が日本の普通のシチューの2倍くらいあるので、当然食べきれず持ち帰りました。具沢山だったので、翌朝も食べやすかったです。

ネットで調べると、この料理に使われている肉は、鶏肉、牛肉、豚肉、マッシュルームを使ったものなど色々あるようです。

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オストリは、ソ連時代のロープウェイでお馴染みのチアトゥーラにある食堂で食べました。このお店、大通りぞいの地下にあって薄暗く、ちょっと古風な作りの居酒屋風な感じの店でした。なので、写真がちょっと暗くピントがいまいちです。

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ネットで調べたら、オストリは、辛いという意味があるそうです。その名の通りピリッと辛味のきいた、コッテリ目のビーフシチューです。

日本だったら、牛肉使っていたら、同じビーフシチューという扱いになりそうですが、レシピを見ると作り方が結構違うようです。おそらくジョージアには、凄まじい数のスープやシチューが存在すると思われますが、それをすべて把握するのは、相当大変そうです。

ちなみに、オストリを食べたロープウェイの町の様子がこちら。途中、この居酒屋についても書いています。

⑧プハリ-Pkhali(ფხალი)

ふたたび前菜です。バドリジャニに負けず劣らずの美味しさでした。

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これは、トビリシのお店で頼んだ、前菜3種盛りです。この真ん中の緑色の丸いものがプハリになります。ほうれん草と胡桃のペーストです。

ネットでレシピを見ると茹でたほうれん草と胡桃がメインで、そこにパクチー、フェヌグリーク、ワインビネガー、にんにくを、塩や胡椒などで味付してフードプロセッサーにかけているようです。フムスのほうれん草版みたい!でも、こっちの方がバランスが難しそうです。そして、なぜかゴルフボール状にしてお皿に盛るのが特徴のようです。

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ペーストなので、このようにして食べるため、ゴルフボール状にする意味はちょっとわかりません。一個丸々食べるにはちょっと大きいので。向こうの人は、もしかしたら丸っとたべちゃうのかもしれないですね。

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とにかくジョージア料理は、こうした緑野菜がふんだんに使われています。そして、かならずパクチーがアクセントとなっていたりします。市場を眺めるとこんなにたくさんの緑色野菜が並んでいるのを見ると、いかにジョージアの人がこうした緑野菜が好きかが分かります。

日本でパクチー需要が増えている今、パクチー農家さんからもジョージア料理を仕掛けたら、松屋のシュクメルリとともに一気に流行るんじゃないかと思っています。イタ飯ならぬ、ジョージア飯(グルジアだったらグル飯とか言って流行りやすかったかもですね)ブームが来て欲しいですね。

⑨アジャプサンダリ-Ajapsadali(აჯაფსანდალი)

こちらも結構定番のジョージア料理のようですが、名前の割に、味つけに関してはそこまでインパクトはありませんでした。でも、名前が好奇心をそそられて良いので入れました。

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このアジャプサンダリは、ようはラタトゥーユのジョージア版みたいなものかと思います。ただ、これもパクチーがかかってます。また、色々なスパイスも微妙に効いているので、そこにジョージアの風土を感じさせます。

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多分、これもアジャプサンダリだったと思います。ネットで調べると、レシピによって固形っぽい和え物から、シチューっぽい感じのものまで、色々な作り方があるみたいだったので、これもそうかと思います。

この写真は、ジョージアではなく、ウクライナのキエフにあった今は閉店してしまったMiminioというジョージア料理店です。

このお店の名前は、この映画から取られています。ちょっとしたテーマレストランのようでした。この映画、日本でも知られるカルト映画「不思議惑星キンザザ」の監督が1978年に公開した作品で、ヒット作だったようです。

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そんなテーマレストランだったので、味の方が不安でしたが、こんな料理も結構お手頃(ウクライナ人にとっては結構なお値段だったかも)な価格で、美味しくいただけました。写真は、ジョージア料理盛り合わせセット。

詳しくは、こちらの旅行記に書いてあります。

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あと、ウクライナ美人の方々が、この映画のコスプレをしてウェイトレスをしています。なんとも不思議惑星な感じでした。

ちなみに、プライベート感覚でこの写真を撮ったのですが、その時は、とてもフレンドリーにお話もしてくれて笑顔なのですが、お店で仕事をしている時は、一切笑顔を見せず、料理の説明などもブスッとしていました。ウクライナでは、日本とサービスが真逆なのが面白いなと感じたお店です。

⑩スヴァネティ地方の料理

さて、10皿目ですが、選べないのでスヴァネティ(スヴァン)料理でまとめさせていただきました。この地方ならではの3つの料理を最後に紹介させていただきます。

こんな場所です。ナウシカの風の谷のロケ地とも言われています。

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まずは、クブダーリ(Kubdari)。ハチャプリのパンよりどっしりしていて、塩分強めでハーブで炒めた肉が入ってます。調べたら羊か豚、あるいはそれらを混ぜてるそうです。食べた時は、牛肉のみとばかり思っていました。筋っぽい部位が結構あって、その食感も良かったです。

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中は、こんな感じです。油っぽいので、3枚でお腹いっぱいになります。

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タシミジャビ(Tashimijabi)という料理です。一見、マッシュポテトかポレンタのような料理かと思われますが...

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マッシュポテトとチーズを混ぜ合わせた料理でした。結構伸びたので、チーズの分量多めのようです。味は、想像通りですが、シンプルで美味しいです。家で簡単にできそうだなと思いました。

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クパティ(Kupati)というソーセージの料理。色々なハーブが入ってます。かなりどっしりとしたソーセージで肉肉して好みです。

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油がちょい多めなので、途中からトケマリ(ジョージアの定番プラムソース)をかけて食べましたが、酸っぱいものがそんなに得意でないので、個人的には、ソーセージのみの方が好きかもです。

あとがき

さて、今回は、数年前の経験をベースにジョージア料理の記事を書いてみました。最近では、多くの人がジョージア料理のことに興味を持つようになり、やっときたか!と感じる今日この頃です。

そんな中にあっても、未だ一軒もジョージア料理専門店がないのが非常に残念。絶対これから来るはずなので、料理人の方や起業家の方、是非作ってください。良いシェフが作れば、絶対人気のレストランになること間違いないですから!

そんな中で、シュクメルリは一石を投じてはくれていますが、本格的なジョージア料理からは、かなり離れたものなので、これを機に多くの人がハマって、他のジョージア料理に興味を持ってくれると嬉しいです。

日本のクックパッドでは、すでにいくつものジョージア(グルジア)料理のレシピがあがっていて、現状、こうしたレシピを見て作るのが、一般的なジョージア料理を体験する方法のようです。(他にもいくつかのロシア料理店が提供しています)

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写真は、2011年にウクライナのキエフでジョージア料理を堪能している私です。キエフ最後の2日間、2連続で同じジョージア料理に通いました。女性が綺麗だったので、またお会いしたいなあと言った理由もあったのですが、それ以上にジョージア料理の美味しさにやられたからです。この写真で、

「次に旅行に行く国はジョージアだ!」

と心の中で決意しています。そして、その時の想いと、明日2021年1月19日から始まる松屋のシュクメルリが合わさったことで、今回の10皿を書く動機が生まれました。本当に松屋さんリスペクトです!明日食べに行くぞ!

カフェ・バグダッドさんが提案された「世界を知るための10皿」という企画に乗り、様々な国の料理を取り上げていきます。料理を通じて、移民の方々や、聞きなれない国に親しみをもってもらいたいと考えてます。今後はYouTube「世界のエスニックタウン」と連携した企画をアップしていきます。