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今週の地域活性化、自治体関連ニュースまとめ(2021/09/27~10/3)

毎週600~800本に近く配信される地域活性化、自治体関連のニュースに目を通し、個人的に「これは!」と思ったニュースを要約&解説しています。日々多忙な地域、自治体に関わる皆様の情報収集の一助になれば幸いです。

今週はアニメによる地域活性化、スマートシティ、ワーケーション関連の記事をピックアップしました。

■ファンの応援でアニメ聖地の課題を解決する「アニメふるさと納税」を10月中旬にリリース

アニメのクラウドファンディング等を手掛ける「アニメファンド株式会社」が、ふるさと納税の仕組みを利用してアニメの聖地である自治体を応援する仕組み「アニメふるさと納税」を10月中旬にリリースします。支援者は返礼品としてアニメグッズや聖地の名産品を入手することができ、寄付金は自治体のアニメ聖地推進事業に利用されます。

アニメファンからすると、自分が応援する作品の関連グッズを入手できる上、聖地の活性化にも繋がるというまさに一石二鳥の仕組みですね(素敵)

アニメ製作側は舞台である自治体と一緒に作品を育てたいという想い、自治体側も聖地を盛り上げ多くの方に来てもらいたいという願いがありますが、大々的なコラボレーションをするには費用や企画等の手間がかかるのが課題でした。

アニメファンド株式会社 が 資金調達や企画、コラボレーション支援等を担うことでこれを解決。ふるさと納税という地方を応援する仕組みを活用することで、誰も無理せず損をしない形での地方創生の実現に取り組みます。

アニメ聖地の可能性

興味の無い方にはめっぽう興味がない話題かもしれませんが、アニメの聖地による地域活性の力は無視できません。実際に、『アニメ業界と地域の発展を願いつつ、“世界から選ばれる地元と日本”に貢献する』をミッションに、一般社団法人アニメツーリズム協会 が発足され、成田空港にはアニメの魅力を発信するエリア ”成田アニメデッキ” がオープンしています。

聖地巡礼による経済効果の例

○茨城県大洗町 ✕ ガールズ&パンツァー

作品放送時期は2012年ですが、今も多くのファンがに大洗町を訪れ、聖地巡礼が目的の観光客は1年間に15万9,000人、経済効果(直接効果)にして2.7億円にものぼるとされています。

2011年3月の東日本震災以降、大洗町が観光客の減少等で打撃を受けたことを知った製作者が大洗町をアニメの舞台に選定。アニメ人気をきっかけに、大洗町へ訪れるファンが増加しました。

また同自治体や地元事業者も実際に作品を見た上で、アニメで出てきた創作物を街中に再現したり、キャラクターの等身大パネルの設置したり、地域住民がファンとのコミュニケーションを欠かさなかったりと作品ファンをの心を掴む取り組みで、多くのファンを『作品のファン』から『大洗のファン』へと変えています。

○静岡県沼津市 ✕ ラブライブ!サンシャイン !!

聖地巡礼による経済効果約60億円。作品放送後、同市観光案内所の訪問者数は3年間で8.8倍に増加しました。

数多くの聖地が集積する東京ではなく、他アニメの影響を受けづらい静岡県沼津市が舞台になったことで同作品の単独商業展開やイベント開催に繋がっています。

自治体側は沼津市内を巡るスタンプ企画や公共交通機関のラッピング、クラウドファンディグを利用したキャラクター絵柄のマンホール設置による市内の回遊等多彩な事業を展開。都心からのアクセスや物価の安さから沼津市へ移住までしてしまったファンも一定数いるといいます。

アニメ関連の返礼品をリターンとして用意することで、今までふるさと納税や地域に興味がなかった層がふるさと納税を実施することが予想されます。「アニメふるさと納税」というユニークな取組みは地域活性化の起爆剤になるかもしれません。

■スマートシティ11分野の最新トレンド。都市交通やMaaS、自治体行政のスマート化に注目

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会 Society5.0 の取り組みの目玉として注目される「スマートシティ

AIやIoT等の先進的技術を取り入れ、市民生活の質、都市活動の効率性の向上を図り、新たな価値の創出を目指す取り組みが注目されています。

トヨタが静岡県裾野市に開発中の Wooven City が話題になり、多くの方が耳にするようになったのではないでしょうか。

本記事では世界で進んでいるスマートシティの取り組みを下記11のカテゴリーに分けて紹介しています。

▼スマートシティ注目の11カテゴリ
・ 都市交通のスマート化
・ MaaS
・ 自動配送サービス
・ スマートパーキング & EV充電インフラ
・ エネルギーと資源の効率利用
・ クリーンエネルギー発電
・ 環境モニタリング&ゴミ処理
・ レジリエンス
・ スマート公共サービス
・ 地域活性化&観光
・ 都市開発シミュレーション

面白いなと思った企業をちょこっとだけ紹介(詳細は元記事をご確認下さい)

Matternet
ドローンによるオンデマンドのデリバリーソリューションを提供。配達ドローンと、独自のドローン制御&配送システムの開発により、受発注の管理から配送ルートの検索、オペレーションまでを一元管理。

PLATIO
高性能の太陽電池を埋め込んだ、負荷や衝撃、傷に強い再生プラスチックを活用した舗装材を開発。追加的な設置スペースを必要とせずパネルを設置できる上、屋根に設置するソーラーパネルに比べてメンテナンスが容易で、デザイン性にも優れる。

Bigbelly
太陽光で稼働するスマートゴミ箱。内部センサーでゴミの収集量を把握し、適宜ゴミを上から押し込むことで通常の8倍のゴミを収容する。ゴミ箱が一杯になると、管理システムに収集タイミングを通知。収集情報を元に、ゴミ箱の配置を最適化することも可能。

スマートシティの実現を目指す自治体や企業は必見の事例集。是非ご確認ください。

■「地域とのつながりをつくる実験」全国オンライン行脚へ

株式会社AnyWhere が関係人口を可視化するオンラインイベントを開催します。同社はコワーキングスペースやシェアオフィスで繋がることができる「ヒト」を軸に全国のワークプレイスをキュレーションする「TeamPlace」を運営。

フリーランス人口の増加やテレワーク普及を背景に、コワーキングスペースやシェアオフィスの利用が増加していますが、このようなワーキングプレースにおける魅力の1つに「利用者同士のつながり」があります。しかし実際には海外映画のように、ワーキングスペース内でふらっと勝手に交流がうまれるかというとなかなか難しく、利用者同士を繋がりやすくする仕組みが必要です。

同社は全国のワーキングスペースの情報と、そこと繋がりがあるヒトのプロフィールをリスティングしており、繋がりたいヒトやワークプレイスと繋がることができます。

本イベントの狙いは関係人口のモチベーションやスキルを可視化することで繋がりをつくり、ワーキングスペースの活性化やリピーターを増加させること。繋がる個人のモチベーションやスキルが明確になれば、地域プロジェクトの募集やイベント開催がしやすくなり、ワーキングスペースが地域のハブのような存在になることを目指すようです。

■九州4県・広域連携による周遊型「バケワーク」の実証実験を開始

九州周遊観光活性化コンソーシアムが九州4県9市町と連携し、レンタルキャンピングカーを活用した周遊型観光・ワーケーション「九州バケワーク」のモニターを募集します。

「ワーケーションがまだ新しい概念なのにバケワークとは.....?」となってしまいそうですが、バケワークとは「周遊観光中にちょっと仕事もできる!」をコンセプトに移動・滞在手段としてレンタルキャンピングカー(寝具セット付)と、車泊スペース(電源付。車内もしくは、近くでWi-Fi利用可)をセットにし、本来は車中泊ができない施設を拠点に周遊観光や地域体験を促進する実証モデル。 「九州バケワーク」パスポートの提示により、温浴施設やコワーキングスペースなどの提携施設で割引等のサービスも受けられます。

都市一極集中から地方分散、休暇の分散化対策等の社会変化に備えて、交流人口・関係人口の受け皿となる地域のワーケーション環境整備や、広域観光ルート創造につなげるようです。

欧米では車中泊をしながら旅行をする「VAN LIFE(バンライフ)」が既に定着していますが、日本でもじわじわと広がりをみせています。この領域のスタートアップとしてはキャンピングカーレンタルのマッチングや車中泊可能なスポットが探せるサービスを展開する「Carstay」が有名ですね。

同社も今週、広島県三原市でバンライフによる地域活性化を目的とした実証実験、「三原車内寝泊計画(みはらしゃないねとまりけいかく)」を開始していました。


キャンピングカーで各地を周遊するバンライフをしながら合間にちょろっと働くというコンセプトはワーケーションの新たな手段として注目です。


【注意】
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