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今週の地域活性化、自治体関連ニュースまとめ(2021/10/25~31)

毎週600~800本に近く配信される地域活性化、自治体関連のニュースに目を通し、個人的に「これは!」と思ったニュースを要約&解説しています。日々多忙な地域、自治体に関わる皆様の情報収集の一助になれば幸いです。

今週は「移動」をキーワードにニュースをピックアップしました。

■「お出かけ市役所」車両で証明書も発行、いわき市が実証実験

福島県いわき市が、市役所機能を載せた車で市内をまわっていく「お出かけ市役所」の実証実験を開始しました。あらかじめスケジュールされた日程で複数の地区を巡回し以下のサービスを利用することができます。

▼「お出かけ市役所」で受けられるサービス
マイナンバーカード新規申請
住民票
印鑑証明書
課税額証明書
所得額課税額証明書
所得額証明書
非課税証明書
納税証明書
資産証明書
課税額証明
畜犬登録関係
大型ゴミ収集手数料納付件交付

車両に地域のイントラネット環境を整備することで実現。市民サービス向上のために手続きの電子化などをすすめる自治体もありますが、こういう手もアリかと思わされる事例です。市民が市役所に出向くのではなく、サービス提供する窓口が市民の方に出向いてサービスを受けられやすくするといった発想の転換が秀逸ですね。

また関連して今週は「バスに選挙の投票機能をつけて様々な地域をまわる」といった取り組みも記事になっていました。

同様の取り組みは高く評化され、現在は33以上の市町で移動式の期日前投票所が解説されています。

行政機能の一部を切り出してサービスを利用する人のそばで展開する方式は今後も様々なサービスなどで目にしそうです。

■個人間カーシェア「エニカ」、ワーケーション利用者向けの車両を設置、24時間800円から

個人間で車をシェアリングするサービス「Anyca(エニカ)」がワーケーション利用者向けの車をLIFULLがワーケーション拠点に設置する実証実験を開始しました。料金は24時間800円からとリーズナブル。

車両を利用したいユーザーはスマホアプリから場所、日時、車種を絞り込み予約。アプリ内のチャットから待ち合わせ場所を決定し車両を受渡します。損保ジャパンと連携した保険や365日対応のユーザーサポートを受けられるため安心して利用することができます。

車両のオーナーはメルカリで出品するように車両の写真、情報を入力して車両を登録。自分の利用予定に合わせて貸出承認ができるので自分が利用しない時間だけ車両を貸し出し、お小遣い稼ぎができます。地方は一家族で車を2,3台所持しているところも少なくないので、車両は比較的簡単に提供できそうですね。

関係人口や移住者増加の切り札として地方から注目されるワーケーションですが、地方ほど公共交通機関が少なく、車が必須。だけどレンタカーは高すぎる....という課題がありました。

ワーケーション利用者はリーズナブルな価格で移動手段を確保できる一方、地域の人々にとっては遊休車両の活用ができるため、両者にとって嬉しいサービスとなりそうです。

■昭文社、ソニーと協業で「仮想世界の音」が交わる新観光サービス、音楽とともに街歩き体験を提案

観光雑誌やデジタルマップ「まっぷる」を提供する昭文社ホールディングスはソニーが提供するSoundARサービス「Locatone」を活用した街歩きコンテンツを開発しました。

第一弾として三重県名張市を舞台にYoutubeで活躍する音楽プロデューサー「KOBASOLO」を起用し、音楽と共に街を周るツアーを開始。自然や寺社、博物館などを音楽とアーティストによるナレーションを重ね合わせて新しい魅力や楽しみ方を発見します。

スマホにLocatoneのアプリをダンロードし、ツアー開始ボタンを押すと、位置情報と連動して特定のスポットを訪れると自動的にその場に応じた音声や音楽が聞こえてきます。ソニーの360度立体音響技術により、臨場感のある音響体験が得られる他、特定スポットでは足音など体の動きに連動した音も楽しめます(スゴイ...)

このようなコンテンツはアニメや漫画作品、アーティストと相性が良く、作品の聖地や舞台、インスピレーションを受けた地域の街歩きコンテンツとして以下のような作品を楽しむことができます。

▼Locatoneで楽しめるアーティスト、アニメ&キャラクター関連作品
YOASOBI
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない
ムーミン
紙兎ロペ
ラブライブ!サンシャイン!!

例えば人気アーティストYOASOBIの新曲「大正浪漫」とその原作小説の世界に飛び込めるコンテンツが展開されており、まるで物語の世界に入ったような体験を楽しめます。

ツアーによってはアプリ内のARカメラ機能を使って、特別なフレームや登場人物と一緒に写真を撮ることもできます。

以前以下の記事内でも紹介しておりますが、現実世界と仮想世界を融合するXR技術等を利用して既存の観光資源に価値や魅力をアドオンする事例が増えてきました。

デジタルコンテンツの力を活用してフィジカル観光資源に価値を与える方法はとても面白いなぁと思うと同時に、より没入感のある体験を提供することが課題になってくるのだろうとも感じました。

■地域と寄付者がつながるオンラインコミュニティ「ふるさと応援サロン2021<東北の秋を楽しむ!編>」開催決定

ふるさと納税サイト「さとふる」がオンライン上で自治体・事業者・寄付者が交流できるコミュニティ「ふるさと応援サロン2021<東北の秋を楽しむ!編>」を実施します。宮城県気仙沼市、山形県尾花沢市から参加。

「ふるさと応援サロン」は、「さとふる」が地域のファン創りを目的に開始したオンラインコミュニティ。事前に送付された地域の特産品を通して、離れた場所でも自治体、事業者、寄付者の三者が交流できます。

寄付者はサメの水揚げ量日本一を誇る気仙沼から送られるフカヒレなどの食材の美味しい食べ方を教えてもらったり、大正ロマン溢れる町並みが美しい銀山温泉から地元ガイドによる温泉街の景色の紹介や食の魅力を伝えてもらえます。

自分が寄付した自治体や生産者から直接街や特産品の紹介をしてもらえるのはありがたいですし、ちょっと脚を運んでみようかという気持ちになりそうですね。実際、「ふるさと応援サロン」も今までに開催した参加者の94%が「次回も参加したい!」と回答する満足度の高いイベントです。

2020年時は北海道、新潟から2つの市が参加。イベント詳細を知りたい方は下記のイベントレポートを御覧ください。


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