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先生はティーチングとコーチングを分業化すべき

こんにちは。エデュサポです。

子どもに勉強を教えている時、教師や講師は大きく2つの仕事を同時に行っています。

生徒に知識を伝授するティーチングと、生徒のモチベーションを上げて目標達成へと導くコーチングです。

ティーチングとコーチングは重なる部分もあるのですが、基本的には異なるスキルです

今回は、このティーチングとコーチングを分業化するべきだというお話をします。

私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。

今までの経験を基にお話します。1つの意見として、より良い教育を考えるきっかけとしていただければとても嬉しいです。

分業化と専門化

現代では多くの仕事が分業化され、専門化されてきました。

例えばお医者さんは、内科、外科、整形外科、眼科、皮膚科・・・・と、診るべき部位や内容によって分業化され、その中でより専門的な知識や経験を積み上げなからエキスパートとなります。

もちろん、町医者のようなオールマイティプレイヤーがいることも大切なことですが、分業化することでより専門的な人材を育成することができます。

多くの仕事が分業化される中で、なぜかなかなか分業化されない仕事もあります。

私がいつも不思議に思っていた職業は漫画家です。漫画家は、良いストーリーを作れて、なおかつ良い絵が描ける必要があります。

ストーリーを作ることと絵を描くことって、方向性がかけ離れた技術だと思うのですが、なぜか漫画家ってどちらのスキルも求められます。

音楽であれば、作詞、作曲、歌、楽器、と役割が細分化されていますし、なんなら録音する人、録音したそれぞれの音を調整する人、それぞれの音のバランス調整が終わったものを仕上げる人までいます。

すべてを自分でやってしまう人もいますが、必ずしもすべてを一人でこなす必要はありません。

漫画家も、ストーリーを作る人と絵を描く人を分けることができたら、もっと多くの才能が花開くと思っています。もっと多くの素晴らしい作品がで世に出ると思います。

学校の先生はなんでも屋か

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さて、分業化されないどころか、どんどん仕事の幅が広がってきているのが学校の先生です。

授業をするだけなく、部活の顧問をしたり、学校イベントを行ったり、食事の指導をしたり、子どもの心のケアをしたり、家に帰ってこない子どもを探しに行ったり、通学路の安全を確保したり、その他にも外からは見えない仕事をたくさん負わされています。

もう、子どもに関することはとりあえず学校の先生に任せてしまおうと、あらゆる仕事を投げているように感じます。

オールマイティプレーヤーも必要ですですが、一つのことに特化した専門家は絶対に必要です

人件費をケチってすべての先生に様々な仕事をさせるのは、長い目で見れば大きな損失になります。

授業は授業、部活は部活、食事は食事、子どもの見守りは子供の見守り、外注も含めて分業化し、学校の先生が授業に集中できるようにするべきです。

授業も分業

そして、学校の先生の専門であるべき「授業」に関しても、更に分業化・専門化ができるとより良いと思います。

それが、冒頭でお話した「ティーチング」と「コーチング」です。

特に、昨今は主体性の大切さが叫ばれています。子どもたちに無理やり勉強させ、知識を詰め込ませる教育は時代遅れとなっています。

子どもたちの主体性を育てるためには、知識の伝授(ティーチング)だけではなく、子どもたちが自由に新しいことに挑戦できるように導いてあげる(コーチング)必要があります

成長したことを褒め、挑戦したことを称賛し、つらい時には励まし、失敗した時に一緒に考え、迷った時に生徒の本音を引き出し、生徒のモチベーションを上げながら導いてあげる必要があります。

ティーチングは動画を活用できる

ティーチングに関しては、動画を利用するのが良いと思います。知識の伝授だけであれば、動画は素晴らしいツールです。

私は有名塾講師の動画授業を何度か見たことがありますが、単純にすごかったです。ティーチングを専門とし、長年その技術を研鑽されてきた方の授業は本当に凄いです

わかりやすいだけでなく、退屈しませんし、頭に残りやすいです。その他にも随所に細かい工夫が凝らされていました。

さらに、先生による解説だけでなく、参考画像や参考動画も交えて一つの授業を作成できれば、クオリティをもっと上げられるはずです。

ティーチングに動画を活用できれば、先生全員がティーチングを行う必要がなくなり、先生全員が0から授業準備をする必要もなくなります。

生徒にとっても先生にとってもプラスに働くはずです。現状、動画によるティーチングは技術的には簡単に導入できますが、法律の壁がありそうです。

ただし、動画を垂れ流しただけでティーチング完了とはなりません。生徒の学習態度を確認したり、生徒の理解度を測ったり、理解度によってどの動画が適切かを考える必要があります。

この辺りのことも、もう少しAI技術が発展すれば、人が行う必要はなくなるかもしれません。

コーチングは双方向でなければならない

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ティーチングは先生から生徒への一方通行ですが、コーチングは必ず先生と生徒の双方向コミュニケーションになります

生徒の考えや言葉を引き出しながら指導する必要があるからです。

1人の先生に40人の生徒では多すぎます。生徒同士が意見を出し合うことも考えると、生徒は20人から30人程度が適当だと思います。

コーチングもそのうちAIがやるようになるかもしれません。しかし、それはかなり先の未来になるでしょう。現状では、人間にしかできない仕事です。

コーチングに人員を割くべき

動画を活用してティーチングの専門家が知識の伝授を行い、対面でコーチングの専門家が生徒の主体的な学びに導くというのが理想だと思います

そして、ティーチングは動画を活用すれば人員を大きく削減することができます。その分、双方向コミュニケーションが必要なコーチングにより多くの人員を割くべきだと思います

もちろん、そもそも先生に授業以外の膨大な業務を背負わせるのは論外です。それではティーチングとコーチングの分業以前の問題です。

新しい技術を取り入れて業務を自動化したり、予算を投じて業務を外注したりして、まずは先生に授業に集中できる時間を確保してもらう必要があります。

まとめ

保守的な教育界も、デジタル技術の活用に向けてようやく動き出しました。

一方で、人材(先生方)の活用については、まだまだ他の業界より10年か20年程遅れてしまっているように感じます。

予算の問題があるのでしょうが、長い目で見れば今すぐ予算を投じて動き出すべきだと思います。

先生が本職である授業に集中できるようになり、さらに、その授業もティーチングとコーチングに分業できるようになると、生徒の学びにとっても先生のスキル向上にも良い方向にはたらくと思います。

その結果、子どもたちが自ら考え行動できるようになり、その子どもたちが未来の素敵な人材に成長してくれたら嬉しいと思いました。

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