親が先に学ぶべき!ネットのルール~わが子を守るには…
わが子を守るためには、親が先に学ぶ!
わが子に新しいものを与える場合には、その前にある程度のルールを決めておく必要があります。幼い頃からわが子の観察をしていると、「ここはこだわるかも……」と予想できることがあるはずです。
子どものわがまま、そのすべてに応えることはできないのですから、「約束はこうだったよね?」といって納得させるためのルールが必要です。新しいものといえば、今や日常生活に欠かせないインターネットがあります。ゲームやSNSなどにはまる子も少なくありません。保護者のお母さんたちと面談をしていて感じるのは、「コンピュータやネット環境、SNSが苦手な人が多い」ということ。
発達障害のある子どもでも、小さい頃からネットに触れていれば、「カン」が働いて簡単に使うことができてしまいます。ネット上の「危険」を察知することは苦手でも、SNSのボタンの操作方法などはすぐ見つけてしまうのです。
スマホなど与えるときは、与える前にルールを作っておきましょう。それとともに、保護者もSNSなどを学んでおく必要があると思います。フィルタリング(有害サイトへのアクセス制限)をかけているからといって、それで大丈夫だなどと安心はできません。
たとえば、ご自身が娘さんの年齢で登録をし、体験してみてください。どんなところから、どんなメッセージやメールがくるのかがよくわかります。見えない相手とのコミュニケーションは、判断能力の高くないお子さんたちにとっては危険が大きく、トラブルに巻き込まれる可能性が高いこともよくわかるはずです。
「個人情報とは」、「SNSに写真を投稿する」、「プライベートゾーンの写真をメールでやり取りする」といったことの危険性なども教えておく必要があります。SNS上での「なりすまし」や、写真をアップするだけで自分の住まいがわかってしまうような危険性もあるので、わが子を守るためには子どもよりも親が先にしっかりと学んでおく必要があります。
100%防ぐことはできませんが、被害を受ける確率を低くすることは可能です。さらに、利用に際しては子どもとのあいだに「契約書」を作るのもお勧めです。
どんな視点でルールを決めればいい?
【ルールの例】
❶料金の支払いや契約をしているのは親で、自分は親から借りているという
ことを認めさせ、万が一壊したり失くしたりした場合には弁償させるな
ど、責任を持って利用させる
❷パスワードは親に教える(変更時も)
❸親からの電話には必ず出る
❹利用時間を決める
❺自分の部屋、トイレ、お風呂には持ち込まない
❻自分の、または誰かの裸の画像を送ったり受け取ったりしない
❼個人情報を投稿しない(他人のも)
*何が個人情報なのかも話し合います。
❽ルールを破ったら携帯(スマホ、ネットに接続できるもの)を使えないよ
うにする……など
こうしたルールを話し合って決めておきます。
また、どんな危険があるのか、問題が起きたときには誰に相談するのかなど、トラブルになったときの対応策を考えることも大切です。ルール例の❻や❼などは、場合によっては逮捕される可能性があることも教えます。
ルールを決めて安心してはいけない
皆さんにあらかじめ理解しておいてほしいのは、それでも子どもはルールを破る可能性があるということです。そのとき、❽の「ルールを破ったとき」は、必ず親自身が守れることでなくてはなりません。約束を反故にしては子どもから信頼されなくなります。
家庭によって守らせたいルールはさまざまでしょう。子どもと一緒に「危険なことは何か」「まもらなくてはいけないことは何か」を考え、家族みんなで話し合うことがとても大切だと思います。
―『発達障害の女の子のお母さんが、早めに知っておきたい「47のルール」』より
◆本書の紹介◆
発達障害の女の子の保護者や支援者が気をつけるべき点や、
知っておくべき情報などを全6章、「47のルール」としてわかりやすくまとめたのが本書です。
1章 診断や医療機関の上手な使い方について
2章 親としての心構え、親のとるべき行動
3章 日常生活での支援と療育について
4章 健やかな生活を送るための学校選び
5章 女の子に必要な「学び」-思春期と性教育
6章 療育支援Q&A
「何度注意してもやめてくれません?」
「プライドが高くて注意するとパニックになります」
「新しい場所や新しいことが苦手です」など。
豊富な経験や、専門家からのアドバイスをもとに著者が作りあげてきた「発達障害の女の子たちが幸せに生きていくためのノウハウ」です。
ぜひご活用ください。
―藤原美保(Fujiwara Miho)
健康運動指導士、介護福祉士。株式会社スプレンドーレ代表。エアロビクス、ピラティス、ヨガインストラクター等フィットネスのインストラクターとしてスポーツクラブ、スポーツセンターでクラスを担当。発達障害のお子さんの運動指導の担当をきっかけに、彼らの身体使いの不器用さを目のあたりにし、何か手助けができないかと、感覚統合やコーディネーショントレーニングを学ぶ。その後、親の会から姿勢矯正指導を依頼され、定期的にクラスを開催。周囲の助けを受け、放課後等デイサービス施設「ルーチェ」を愛知県名古屋市に立ち上げる。
100組以上の発達障害の女の子とその保護者をサポートしてきた経験を踏まえ、実践の場からの声を届けるために、『発達障害の女の子のお母さんが、早めに知っておきたい「47のルール」』を執筆。
想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。