【ジブンとの話し方】自分の中には、色とりどりのさまざまな「ジブン」がいる。
言葉には、2つのベクトルがある。
「相手」に向けて、相手と話す、相手に伝えるための
コミュニケーションツールとしての言葉。
「自分」に向けて、自分と話す、自分を掘り下げ、
自分を深めていくための探求ツールとしてのコトバ。
つまり、「相手」との話し方と、「自分」との話し方。
私たちは、学校教育を始め、
多くの機会で、他者と話すための言葉は学び、磨き、活用してきた。
一方、自分との話し方は、学校で教わったこともほぼなく、
自分とどう話していくのかについては、かなりそれぞれが我流で
振り返る機会もほとんどんないことが多い。
「自分の声を聴け」「自分の声に耳を傾けよう」というような
メッセージはたくさんあるが、どうやって聞き、聞いたことで、
自分とどう対話するかは、曖昧であることも多い。
「自分との対話」
自分の中には、色とりどりのさまざまな自分がいる。
「多重人格としての自分」という思想家・田坂広志さんの言葉にもあるように。
「個人から分人へ」という作家・平野啓一郎さんの著作にもあるように。
「自分の中にいるオーケストラのような沢山の自分」というメンタルトレーナー花咲ともみさんのメッセージにもあるように。
外側において、色とりどりの沢山の他者と会話するように、
内側において、色とりどりのさまざまな自分と対話する。
優しい自分、冷たい自分、強い自分、弱い自分、
自信のある自分、不安のある自分、
ブレない自分、惑う自分。
会社のメンバーとしての自分、仕事やプロジェクトのメンバーとしての自分、家庭での夫としての自分、友人としての自分、親に対する子供としての自分。
様々な自分は、常に他者との関係性で引き出されるように、
外側で、誰かとの関係性で引き出された自分と、
今度は、内側で、その自分ともう1人もしくは複数の自分が対話する。
生物多様性が必要なように、社会には多様性が求められるように、
自分の中には、「自分多様性」の状態であることが、
よりよい自分という場の条件なのだと思う。
多くの経営者が師と仰ぐ、伝説のメンター、大久保寛司さんの言葉。
「指を自分に」
それは、個人的には、全ての機会を、
「自分との対話」へと導く言葉であるような気がしている。
大久保寛司さんが著書「あり方で生きる」でも書かれているように、
「人は多面体である」ということ、そして、「指を自分に向けることで、全てにおいて、自分に主導権が置かれる」ようになる。
自分がこの世界を創造している。
ひとりひとりが、自分の関心を通して、
自分にとっての世界は立ち現れている。
ならば、全ての変容は、
極論すれば、それが自分には関係ないように見えることですらも、
自分によって、創造されうる。
「指を自分に」
その言葉は、普段他者に向けて使っている言葉のベクトルを外から内へと変換させ、自分との対話が始まるスイッチなのだ。
いつの時代も常に、「自分との対話」から、
新たな世界の創造、自分と周りの変容は始まっていく。
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想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。