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【出版のミライ⑬】情報に価値はない?

【エッセンシャル出版社の考える「出版のミライ」⑬】

情報の有料・無料、情報の使い方、アウトプットの仕方の狭間で考えました。

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

私が、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。

【プロフィール】

大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。
エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

今回のミライ会議は、「情報の活かし方」について考えました。


優良な情報をインプットすることは重要であるという考えがある一方で、100万円の価値がある情報をインプットしても、皆がそれ相当の価値にできるわけではありません。

でも今の時代は、いい情報の集め方やどんな有益な情報を手に取るかが中心となっています。ただ、実は本当に大事になる、差になってくるのは、「どう活かすか」「どう自分の中で消化・昇華させるか」ということではないでしょうか。

これだけSNSやネットが普及している中で、無料でもある程度の情報は得られるようになってきています。更に言えば、無料の情報でもその活かし方次第で、全然、効果・成果が違うということです。

更に、世界に目を向けて考えてみます。インターネットの普及で、世界中でほぼ平等に情報が得られるようになっている、世界が均一化してきていると感じています。以前は国によって、問題の質が違う、課題の質が違うということがあったと思います。しかし、現在では、世界の状況は、どこもすごく似てきているのではないでしょうか。

たとえば、いじめの問題は日本で注目されていて、日本は特殊なように思うかもしれないですが、実は、世界中の学校や職場で多く起こっている問題です。そして世界中で、「いじめをどう乗り越えるか、いじめられてからどう乗り越えてきたか」という話が数多く出てきています。

それらのことも考慮すると、「情報の活かし方」は、世界共通に発信できるテーマであり、世界共通で必要とされていることなのではないでしょうか。

では、情報の活かし方について、よく学習目標を立てるときにも使用される、「タキソノミー」(ベンジャミン・サミュエル・ブルームさんの研究グループが考えた、教育の目標を分類した論)を元に考えてみます。

1、知識(改訂版…記憶する)
2、理解(改訂版…理解する)
3、応用(改訂版…応用する)
4、分析(改訂版…分析する)
5、統合(改訂版…評価する)
6、評価(改訂版…創造する)

簡単に言うと、上記のような指標です。言葉を見るだけでも、このような段階を経て、何となく理解度が深くなっていくことがわかると思います。

ここで差になってくるのは、分析、統合、評価、創造の部分だと思うのです。この4~6の部分の質を高めることを、私たちはアウトプットの質を高めると定義しています。

では、アウトプットの質を高めるために、情報や知識など聞いたり学んだことを、分析・統合・評価・創造=、つまり「熟成」させたり、「自分というフィルター」を通したりするには、どのようなことが大切なのでしょうか。

これらは、いわゆる「お勉強」をしていないとできないということではないとも思っています。むしろ、「遊びやゲームの中」でこそ培われるものなのではないかな?とも思います。

先日読んだ記事(ある書籍をもとにした記事)ではこのように書かれていました。

3歳を迎える頃には、親(おしゃべりなグループ)からしょっちゅう話しかけられていた子どもは、親(無口なグループ)からあまり話しかけられていなかった子どもと比較して、IQのスコアが1.5倍高かった。

また、この記事では、CDやDVDではなく生身の人間でないと、赤ちゃんにはいい影響がないということも書かれていましたが、そのような内容は以前、NHKの番組などでも紹介され、注目されているようです。五感に働きかけるという意味で、確かに、生身の人間に触れる・感じるということは、子どもの成長に、大きな影響があるのかもしれないです。この研究の条件を見たわけではないのですが、「肌感覚としては納得」する部分が多かったです。

話を戻すと、いわゆる「テストの点数」をとるための勉強方法とは別のところ、つまり、誰もができる「日常生活の中」にこそ、能力を伸ばすコツがありそうです。

私たちが、「優れた人」「能力を発揮している人」が共通して持っている力として、今、考えているのは、

・比喩を入れて話す(Speak)力
・構造を掴む(Overlook)力
・繋げて考える(Connect/Think)力

この3つです。

そして、この3つの力も、「日常生活の中」で鍛えていけるのではないか?という仮説を立てています。

学歴がなくても、親の所得が少なくても、大人になっても、自分次第で伸ばせるチカラ、その本質を発見することができれば、本を出版することで世の中を良くしたいという私たちの想いと、より相乗効果をもたらすことができるのではないか、と考えているところです。

(まとめ)

・無料のいい情報も溢れてきて、世界が均一化している

・情報の活かし方にこそ鍵がある

・情報の活かし方は、何かをしないと学べないものではなく、日常生活の中に能力を高めるヒントがあるのではないか

「情報の活かし方を深く考え、探求・実践」していくことで、私たちが出版社として実現したいこと=世の中に提供したい価値をより濃く提供できるのではないだろうか

書籍を出版する、売るためのプロモーションをすること以外に、本(電子書籍・情報)を手にした後の価値提供についても、考え続けたいと思っています。

そもそも「情報の有料・無料」というテーマについても、まだまだ考えるべき課題として残っていますので、これらのテーマは、引き続き、「ミライ会議」で話しながら、考えていこうと思っています。


想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。