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リスクをいつ取りに行くか―追い込むときと労わるときのバランス感覚


私は百人一首が好きで、いちばん好きな歌が、

永らへば またこの頃や しのばれむ 
憂しと見し世ぞ 今は恋しき

84番目の藤原清輔朝臣という人がつくったものです。
私は20代のころ、一日に何回もこの歌を自分の頭の中で詠んでいました。

意味を簡単に説明すると、「今は大変だけど、あとから振り返ると、
あんなこともあったけど、今はこうしていられるのだから大丈夫だよ」
という内容です。結局すべては時間が解決してくれる。結局すべては時間が解決してくれる。

〝Take it easy.〞でいたほうがいいということでしょうね。

挫折するとつらいし、無理にリカバリーしようとするよりは、
「そういうこともあるさ」と淡々と受け入れて、
時の流れに身をゆだねるというのも悪くありません。

私は病気のときに飲んでいた薬の副作用とかで鬱になったこともあります。
鬱のときにいちばんつらいのは、「頑張れ」といわれること。
頑張れないから鬱になっているのですから。


ただ、それもいつかは解決します。
人によっては3ヵ月の場合もあれば3年かもしれない。
もっと時間がかかる人だっているかもしれないけど、いずれにせよ、
自分が弱っているときにはあまり追い込まないほうがいいです。

逆に、強いときこそ徹底的に追い込んだほうがいいし、
リスクを取りに行ったほうがいい

それで失敗してしまっても、また「そのうちどうにかなるさ」
みたいな割り切り感というか、そのバランスが大事なのだと思います。

―木村尚敬( Kimura Naonori )

木村さん 9 250

株式会社経営共創基盤 パートナー
取締役マネージングディレクター
1968年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。レスター大学経営大学院修了、ランカスター大学経営大学院修了、ハーバードビジネススクールAMP修了。経営共創基盤にて製造業を中心に経営改革や事業強化など、様々なステージにおける戦略策定と実行支援を推進する。主な著書に『ダークサイド・スキル』(日本経済新聞出版社)がある。

 教育界の革命児 高濱正伸さんとの異色のコラボで『SD20 20歳からのセルフデザイン』を上梓。

◆SD20の紹介◆
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本気で働こうという若者たちを思いながら語り合った熱いメッセージです。

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▽木村さんの生い立ちとその歩みはこちらの記事で



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