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英国の伊勢っぽい(?)カンタベリーへ。

4月某日、気温が上がる土曜日になる予報だったので、どこかに出かけようと思って前から行きたかったカンタベリーに行くことにした。なんか結局毎週末どこかに出掛けているので、いつ休んでいるのか自分でもわからなくなってくる。平日か?

ロンドンから東に電車で1-1h半ほど(ルートによる)の距離にあるカンタベリーは英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂のお膝元。英国王室との関わりも深いので、そこだけフォーカスするとなんだか伊勢神宮を擁する伊勢っぽい。名古屋から特急乗れば伊勢までも1h弱前後だし(?)。

とりあえずビクトリア駅までチャリで向かい、9時過ぎの電車に昨日チャイナタウンに行った際に買ったアジア式パン(柔らかい菓子パン系)持参、駅でコーヒーを買って乗りこむ。程よい埋まり具合で快適な1時間半。Duolingoをしたり本を読んだり時々菜の花畑などがでてくる車窓を眺めていたらあっという間にカンタベリーに着いた。電車旅はやはりいい。今回はEast駅に着くが市内にはWestもある。2つの駅で市街地を挟んでいるかたちなのでどっちでもOKっぽい。

Victoria駅
道中菜の花畑が!
着いた〜 

駅に着くと、予想通り暖かい、最高。駅前からすぐに城壁のようなところに着くので、その上を歩いていくことにする。なんか中国の街とかでも昔こういう城壁の上歩いたな〜って思いながらさっそく楽しい。しばらく歩くとバスターミナルのところに出てそこから街に入る。ちょうど直売みたいなのが出ていてフルーツや野菜が並んでいる。(ロンドン比)安くて美味しそう!色々書いたかったが、とりあえず持ち運びしても悪くなりにくそうなミニトマトを購入。早速数粒洗って食べたが濃厚で美味しい。苺も買いたかった。

城壁の上を歩く
安い

とりあえず街をフラフラしてみるが、程よく土産物屋や雑貨屋などもあって飽きないし、古い建物も残っていて歩いていて楽しい。余談だが、伊勢も内宮あたりに古い建物を「再現」した街並みがある。

アンティークショップ
歪んでる?
古い建物も多い

12時からのチケットを公式サイトから予約していたのだが、11時半前に行ってみたら全然Okだった。コロナの時の時間指定で残ってるけど今は制限してないから全然ええで、と受付のお兄ちゃんは言っていた。チケットは1年間有効なのでまた来たら同じもので入ることができるらしい。また来たい。

入り口はカラフル。右側にチケット売り場。昼過ぎは並んでいたのでネットで買うのがいいかも。

中もとっても素敵で、建物自体やステンドグラスもとっても綺麗で1時間半くらいは飽きずにぐるぐるみていた。さすが総本山。宗教の力!

迫力〜!
外廊下の上も面白い
ゲーム???!!
ステンドグラスも綺麗
これかっこよかった

そのあとは門前町の商店街のアウトドアショップとか雑貨屋を物色していたら、さすがにお腹が空いてきたので適当にフラフラしつつご飯を探し、入りやすそうなパブに流れ着いた。暖かい日なので、窓際の席でイギリスらしくCaskエールのハーフパイントをとりあえず頼んで、ちびちびしつつメニューを眺め、パブの一押しらしいチリコンカンを頼んでみた。

チリコンカン、イギリスで食べたことないな。なんなら日本でもないかも。敢えて外食で狙っていく料理ではない気がする。敢えて外食で狙わない料理って結構あって、まぁ多分はそれをメインに出す店がないという問題、つまり目的になるにはやや弱い感じの料理。スタメンだけど、7番とか8番打者みたいな。ロールキャベツとかアジフライとか?けどアジフライは確かちょくちょく専門店ができているとか聞くから昇格かも。言い換えれば家庭料理ということもできるのかもしれない。まぁチリコンカンもその類だろう......とか思いながら食べるチリコンカン(今更だけど響き、いいですね)。

ここのパブ飯のチリコンカン、しっかり辛みもあって、なかなか美味しかったが、米、小麦(ガーリックトースト)、とうもろこし(トルティーヤチップス)の世界三大主食で一気に攻めてくる大英帝国ムーブでお腹いっぱいになった。さすが総本山......。

チリコンカンの上にはサワークリームも載ってた

その後は、同じく世界遺産を構成する英国最古の教会というSt Martin's Churchまで腹ごなしがてら歩いていく。途中でSt Augustine's Abbeyも外からちらり。教会につくとお墓の中に石造りのかわいい教会がある。中に入るとこれまた可愛い地元のボランティアチックなおばあちゃんが、ラミネートされた大判の解説シートを渡してくれる。

素朴な街の教会風ですぐに見終わるが、周囲の明るい墓地の感じと相まって雰囲気が良い。なんで明るい墓地って感じるんだろう、不思議。お化けとかに対してネガティブなイメージがイギリスだとないからかな。そういえばこの後に行ったカフェでもトイレの前の部屋はお化けが出る部屋として保存されていた。

正面でなく側面側にローマ時代の造りが残っているとかなんとか

またフラフラ戻って地元のものを集めたセンスの良い雑貨屋があって徘徊したり、船遊び(パンティング)をしている川沿いを散歩したりして頑張ってお腹をすかせる。スコーンを食べたい気持ちがあったのでお腹を空かせなければいけないのである。それにしても明るくて雰囲気の良い街である。昔から巡礼者が来るところだから、こういう開放感のある雰囲気になるのかなぁ。

パンティング気持ちいいだろうね今日は
街のいろいろなところから大聖堂見えるのシンボル感あってよい
人通りが多い通りに面した民家の窓

たまたま通りにあった博物館にも寄りつつ、まだお腹は大英帝国ムーブによりすいていないが、電車の時間から逆算して、そろそろカフェに入ることにする、いざスコーン。

スコーン、日本では強い意志を持って敢えて食べにいかないと出会わないこともあり(チリコンカン的だ)、ほぼ食べたことはなく、パサパサするパンっぽいヤツ、くらいのイメージしかなかったが、英国ではコラッタ並みに出会うには出会うので(幸いポケモンみたいなエンカウント方式じゃないのでこちらの意思がなければ勝負はしない)、ちょいちょい食べていくうちになんだか好きとまではいかないものの、ちょっと気になる隣のクラスの子くらいになってきてはいる。

ということで、今日は朝からカンタベリーでスコーンを食べる気マンマンできているので多少昼が遅かろうが、世界三大主食攻勢されていようが食べなければいけない。Cream Teaのセットもあったが、1人スコーン2個は無理なので単品でスコーンと紅茶を頼む。んでまたこれがなかなかの大英帝国サイズ。でかい、でかい。なんでこれを1人2個食べる前提でセットにしているのかわからないけど、スコーン以外にも色々載ったアフタヌーンティーセットを杖ついたおじいちゃんおばあちゃんがほぼ完食しているのを目の当たりにすると、まぁみんな食うんだろうな、と納得してしまう。

クロテッドクリームをつけながら、頑張って完食。なぜ頑張っているのかわからないが、とりあえずスコーンを食べた満足感でカンタベリー日帰りトリップを悔いなく終えることができた。ちなみに僕はスコーンが好きというか、このクロテッドクリームが好きなのではないか、という気もしてきた。イギリスだとバターのところもあるけど、クロテッドクリームが大抵出てくる。バターと生クリームの中間のイメージ。

この店は残念ながらデフォルトはバターだったのでオプションでクロテッドクリームにした
お化けの部屋の案内

10時半過ぎに着いて18時前の電車でロンドンに戻ったので、滞在正味7時間くらい。思ったよりフラフラするところもあり、飽きることなくちょうどいい滞在時間だった。イギリスのおでかけの感想の8割を支配する天気に恵まれたのもあるが、ロンドンとはまた違う雰囲気で日帰り旅行にすごくいい場所だと思った。

サッと調べると「伊勢市長がカンタベリーに行きました!」みたいな記事が出てきて、これはなんだかイギリス出張行きたいだけじゃないか、という気はしなくもないが、伊勢もカンタベリーもそれぞれの国家的宗教や皇室/王室と密接な関わりを持つ宗教施設を擁してそこへの巡礼/参拝者を受け入れてきたという共通点は少なからずあるんだろう。ただ、赤福もへんば餅もカンタベリーにはない。くうやもちも二軒茶屋餅も伊勢うどんもない。そう思うと日本はそれぞれの地域の名物とかお土産っていうのが発達した国なんだなぁ、と思うのであった。嗚呼、赤福食べたい。

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