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07.第3の扉 金の卵を産み落とす

強みを生かし、卓越する接客者が住むパラレルワールドの法則を身につけると、その結果として一流の顧客が生み出される。

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童話「ジャックと豆の木」で、主人公のジャックは牛のデイジーと引き換えに、魔法の豆を手に入れる。ジャックのお母さんは、怒ってその豆を窓から捨ててしまう。
真夜中豆は芽を出し、豆の木となって雲の上まで伸びて行き、ジャックは蔓を登って、雲の国のお城にたどりつく。
そのお城で召使をしているおばあさんに親切にされたり、巨人に見つかって追いかけられたりしながら、ジャックは巨人の持ち物である金の卵を産み落とすガチョウと、ひとりでに音を奏でる金のハープを盗んで地上に持ち帰る。

この童話に登場するガチョウが金の卵を産み落とすように、卓越する接客者は仕事を継続していく中で、一流の顧客を生み出す。

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一流の顧客が何であるか、それは卓越した接客者の中でも答えは一様ではない。
提供するサービスが何であるかによっても変わるし、お客が個別化されていることによっても変わる。
個別化されていると、あるお客が一流の顧客であることと、別のお客が一流の顧客であることの意味や定義が変わることがある。

「一流の顧客」に正しい答えはない。
しかし、卓越した接客者に共通する答えの傾向はある。

まず彼らは、自分の中に自分なりの答えを持っている。
一流の顧客が何であるかを知っている。
これは素晴らしい接客者のほとんどが「一流の顧客は何ですか」という質問に答えることができないのとは大きく異なる。
卓越した接客者は「一流の顧客とは何ですか?」という質問に対して、自分がどうあってほしいか、どうあってくれれば嬉しいかということには全く価値を置かなかった。
たとえば、「お客さんを紹介してくれる人」「口コミをしてくれる人」などという回答はしなかった。

幼児教育のカウンセラーを行う先生は、「一流の顧客は何ですか」の質問に対して、次のようなシンプルな答えを出した。

「伝えたことを完璧にこなす人」
「子供のことを真剣に考え、きちんとした愛を持っているお母さん」

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一流の顧客がいつ生まれるのかはわからない。
しかも何を指して一流の顧客と呼ぶかは、様々な条件によって変化する。
しかし卓越した接客者は一流の顧客が何であるかを知っている。
そしてガチョウが金の卵を産み落とすように、卓越した接客者からは一流の顧客が必ず生み出される。

ところが、卓越した接客者の中でも積極的に一流の顧客に耳を傾け、深く理解しようと試みている人はいなかった。
これは何を意味しているのか。

一流の顧客がどのような人であり、どのように生み出されるのか、一流の顧客に耳を傾ける意味と方法については次の章のトピックスの最後で見ていきたい。

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ここまでに見た3つの扉(虎はなぜ強いのか、パラレルワールド、金の卵を産み落とす)を開くことで、素晴らしい接客者は卓越した接客者になる臨界点を超える。
卓越した接客者になることができる。



前話: 06.第2の扉 パラレルワールド(並行世界)
次話: 第19章 01.素晴らしい接客者の能力



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