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【成果を再定義】する・・・「成果の本質」と「未来予測の確率を上げる」方法 #016


■未来予測の学術研究


アメリカはワケのわからないところで、マジメに学問として大学で未来予測を立てる研究、仮説検証をしている。
結論を書くとある分野の未来を予測するのに、合理的に考えられる人なら誰でも行う、

①十分なデータ、情報を集める
②複数の仮説を立てる→予測を組み立てる

を行う。
多くの経営者なり学者がここでストップして、自分の仮説を実証しようと確証バイアスによる証拠集めをして→「エビデンスだ」という無茶があったりする。

未来予測の研究では、予測を組み立てた後が大事で

③その分野や物事をリアルタイムで追う
④リアルタイムの情報に基づいて未来予測の内容をアップデートする

これをすると、どんどん精度が高まり、未来のことでありながら高確率での予測が可能になる、という。
聞いてしまえば当たり前のことだし、逆に競馬で馬がスタートしてから状況を見極めてゴール手前で確度の高い予測をする・・・・と言っているようでもある。少しズルい気もする。

しかし未来はそもそも不確定なものだし、ドラッカーも「未来を正確に予測したと主張する人の嘘」を取り上げている。彼らは、正確でなかった未来や、見逃した未来に触れない。
確実な未来に近づくには『未来予測の更新をする』という、全うで当たり前のことをする必要がある。


■目標設定や成果設定を正しく行える人は限りなくいない


自分でビジネスをやっているとか、経営者として長く活動しているという人はすぐに思い当たるはずだ。例えば「今月の売り上げ目標」がその通りになったことなどない、ということに。または、思うような人材が採用できるなど夢のまた夢だと。

目標の売上額に達しなかったときはもちろん、超えた時も「外した」となることに注目してほしい。「当てる」ことは目的ではないかもしれないが、目標を越えれば喜べるしいい結果を出した・・・・というのは【成果】から考えると予想外の結果しか生まれなかった、ということに他ならない。

個人の目標をTODOリストに書いたことがあるだろう。毎日、昨日から残っているTODOがあるはずだ。こういうのは全て、行動さえ行っていればいいという雑な考え方で、成果のことが全く考えられていない。
成果とは良く言って「目安」であり、目安であるがために適当に定められるものだ。不足か十分以上かどちらかに偏る。多くの場合、売り上げなり個人の目標なり『達成されないネガティブ』を喚起するし、運良く目標以上の成果が手に入ったら、翌月にはさらに高いハードルを立てる。毎月成果を超えることなどできない。そのためいつか必ず『目標とは達成されないネガティブ』であり『成果を上げれなければクズ』だという戒律に変わる。


■成果は未来予測と同じで更新される必要がある


そもそも成果が何か?という定義がない。設定するものだから設定する・・・という具合になっている。

【成果】とは本質的に「現実化することができる範囲」のことを指す。売り上げだろうが、結婚生活だろうが、子供の教育だろうが変わらない。このため制約的に決まる条件がある。

■成し得る成果には必ず天井がある。つまり有限である
■成果とは未来である。成し遂げた成果は結果になる
■未来であるために予測をアップデートしなければならない
■予測は結果から想定する。理想から作るものではない
■または天井の高さを知っていればその範囲から設定する

そして、これが重要なことだが
■成果をコントロールできるというのは幻想で、最終的な成果は不確定要素によって決まる

すでに項目↑の中にあるが、成果は未来なので予測更新が必要になる。
例えばある営業マンの今月の売り上げを1000万に設定したとしよう。月中で300万に到達しているなら、その月の天井はおそらく700万程度になるはずだ。
さらに25日の時点で700万になっているのなら、もう50万上乗せしてもいいし、その月はこれでいいと打ち止めにしてもいい。最終的に『設定した金額と同額をゲットした』となるように組む。

なぜこれが大事なのか?

成果は「目安」として扱われていると書いた。
違う。成果とは『成される結果』である必要がある。
成されなければ設定した意味がない。いつも約束したようにはならない習慣を身につけることになり、量産することになってしまう。

だが同時に「不確定でコントロールできない」とも書いた。
だから極力確定に近づけ、コントロールできるところはできるように組み立てていくものだ。

それを可能にするのが、

①過去の結果をフィードバックした傾向分析(現在、明日の結果もデータとして蓄積され続ける)
②行動と成果の関係のフィードバック
③フィードバックを受けての改善と新しい試みのテスト
④都度成果を再設定する

という方法になる。
これを抜きにした「もっと高み(高い売り上げ)を狙うんだ」というのはガキのワガママな欲望にすぎない。
力とは何か、成果とは何かがまるでわかっていない。


■成果の再定義、再設定


成果を再定義する時に必要な考え方がある。

ひとつ目は定めた成果の背景ごと再定義するという考え方だ。
例えば、売り上げ1000万と設定したが微調整によって操作するのではなく、5000万などと設定し直す。このことによってこれまでの方法では決して解決できず、別の発想をする必要に迫られる。
能動的な行動の成果を設定したなら、受動的な行動の成果に切り替える、というのも背景ごと成果を再定義することになる。

ふたつ目は現実的な再定義をする時に遅れを計上する
物事は決めてから遅れて行動が始まる。行動が始まってから、遅れて成果が生まれる。これが遅れだ。遅れは物理的にそうなるものなので、人為で何かをどうにかすることは基本的にできない。遅れを計上し直し、適切なペースによる成果を打ち出す。

みっつ目は行動ではなく準備を再定義する
成果は基本として高めるものだ。急ぐあまり準備が不十分なら成果も不十分になる。最大の成果を得るには、その成果に見合った準備が必要で、必然的にかかる時間や労力も決まる。準備は組み立てと言い換えてもいい。突貫工事のビルが後々大きな問題になることは誰でもわかる。
成果を最大化する準備がどのようなものかをまず定義する。その上で現実に合わせ、スピードを上げる必要があれば「何を、どのように減らせば効果的に高い成果が得られるか」を再定義する必要がある。そのかかる時間と労力で、得られる成果を得るべくして得る。

あとは現場の状況や業界の動向、同業他社や社会情勢などを加味して全体的に再設定する。成果の再定義は雛形的だが、成果を再設定するときは不確定要素もできる限り正確に検討に入れる。そしてまた再定義、再設定をする。


■それでも成果は思い通りに上がらない、が・・・


ここに書いたことは合理的なこと、そして原則だ。
何事も合理どおり、原則どおりに進まない。だからこそアップデート、再定義、再設定が必要だし、合理的に進まないからといって「目安」で「雑」にする方がいいとも言えない。

だが成果の扱いに慣れてくると、思い通りにならない成果と、どうにかなる範囲の成果の区別がつくようになる。この区別は合理的にではなく感覚的に行うようになる。
何が可能で、何が不可能か、試したことがなかろうが少し違う分野であろうが正確に判別がつくようになる。これはつまり【成果という物事に通じてきた】ということだ。缶詰職人がハンマーで軽く2度叩いただけで、規定より1グラム多いか少ないかすぐにわかるのと同じだ。
成果にコミットすることで技術的に判断する力が身に付く。

こうなると正確に成果を取ることは難しいながらも、大きく外すということはなくなる。そして1年など中期で中央値を見れば、かなり正確に成果を扱うことができることに気がつくはずだ。




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