遭難時にはチョコレートを!
仕事でちょっと疲れた時、ついつい食べたくなってしまうチョコレート。
しかし、高エネルギーなチョコレートは、動脈硬化症や肥満などの原因となる食品に挙げられ、健康に悪いものと位置づけられている。
神様の食べ物、王侯貴族の飲み物、万病の治療・予防に効果があるものとされていた頃に比べるとひどい扱いだが、チョコレートは本当に健康に悪いのか?
まず、チョコレートに含まれる栄養素から紐解いてみる。
カカオ豆からいくつかの工程を経て作られたドロドロのカカオマスに、ミルクや砂糖、ココアバターなどが混合されたものがチョコレート。
カカオマス100g中の成分は、脂質が50g以上。
次いで17gの食物繊維、その他にタンパク質、糖質が多く含まれている。
食物繊維17gの約半分はリグニン、そしてタンニンが約4g含まれ、ポリフェノールの多い食品であるということがいえる。
その他、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラル類やビタミンEも含まれている。
製品化されたチョコレートは、そこに含まれているカカオマスの量によって栄養素の量が大きく違ってくるので、一概にはいえない。
日本食品標準成分表に表示されているミルクチョコレートを例にとると、100gあたり558Kcal、脂質34.1g、糖質55.8g、タンパク質6.9gとなっている。
このようにミルクチョコレートは、間違いなく高エネルギー、高脂質、高糖質が揃い踏みしているような食品。
その一方で、食物繊維も6.9gと豊富に含まれており、ミネラルやポリフェノールの供給源ともなる。
このような高栄養素である特性からチョコレートは、軍隊や災害用の常備食に採用され、遭難時の非常食としても有効なのである。
ちなみに、ホワイトチョコレートは、食物繊維は0.6gと少ないことも知っておきたい。
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