自分をよく理解できると、幸せになれる!

「汝自身を知れ」

デルフォイのアポロン神殿に刻まれたこの言葉は、よりよい人生を生きるための指針として、今も役に立つ。

フランスの哲学者アランは、幸福論の中に「汝自身を知れ」と題した章を設け、「一般に誰もが自分には敵があると考えている。だが、そう思い込んでいるだけの話だ」と記し、最大の敵は常に自分であり、私達自身の判断ミスや思い込みこそが無駄な苦しみを生むのだ、と指摘した。

アランの言葉の正しさは科学の世界でも認められつつあり、例えば経営学者であるハヨ・アダムなどは、いくつかの実験の結果、自己の理解が深い人ほど仕事で成功する確率が高く、人生の満足度も高い傾向を明らかにしている。

これは心理学の世界では、セルフコンセプト・クラリティと呼ばれる考え方で、「私は人生で何が欲しいか分かっている」や「私はどのように行動すべきかをハッキリと理解している」と心から思える人のことを意味する。

自分の欲望や行動原理をよく理解できている人ほど幸せで、仕事のパフォーマンスも高いわけである。

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