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ブラック企業を見極められる、かもしれない方法

誰もがブラック企業には入社したくないと思っているはずです。しかし、求人広告の段階でブラック企業を見極めることができるのか。そんな不安も抱えているのではないでしょうか。

今回はブラック企業を見極められる、かもしれない方法について。

それは「具体性があるかどうか」です。ここでいうブラック企業とは、過剰労働やハラスメント、低賃金など労働条件・労働環境が悪い企業のことを指しています。

ネット上では、この言葉が入っていたらブラック企業だ!と、まことしやかに記載している記事が散見されます。

その是非は微妙なところですが、特徴としているのは「アットホームな職場」「風通しが良い」「頑張ってぶんだけ報われる」「お客様のためになる」など、具体性のない言葉が羅列されていることです。

具体性のない求人は要注意

なぜならば、ブラック企業は環境が劣悪・過酷なので、具体的な数字や情報を書けば書くほどボロが出るからです。そのためふわっとした、耳障りの良い言葉(だけど、具体性がない)を選びがちです。

■具体的な数字(年間休日、残業時間、有給消化率、産休・育休取得率・復帰率など)
■具体的なエピソード(Aさんはこう変わった、Bさんの意見が取り入れられた、などのインタビュー内容)

具体性とは大きく分けて2つ。一つが待遇や福利厚生などの数字・情報、もう一つが在籍社員のエピソード・インタビューをもとにした情報です。これらは意図的にウソをつかない限り、事実を出さざるを得ないものです。エピソードやインタビューは表現でよく見せるということはあるものの、ないことを書くことはありません。

ただし、具体性がない求人=ブラック企業の求人とは限りません。というのも、具体性がない求人ができる3つの理由があるからです。

(1)営業や求人ライターが聞いていない
(2)採用担当・企業が情報を提供しない
(3)数字・情報が悪すぎて出せない

(1)営業や求人ライターが聞いていない

これは求人主はブラック企業というより、求人代理店がブラックと言わざるを得ないでしょう。本来であれば、クライアント(求人主)が欲しい人材に対して必要な情報を記載すべきところを(わかっていないのか/スキルが低いのか)聞いていないから起こっている状況です。

このパターンに関しては、残念ながらブラック企業か判断できません。もし、求人企業に興味があるが応募を躊躇われるという場合は、複数の転職メディアの求人を見たほうが良いです。求人代理店が複数の転職メディアを扱っているケースもあるので、100%判断できるわけではありませんが、転職メディアによって情報の濃度がかなり違うようであれば、一番具体性のある求人を信用したほうが良いです。

(2)採用担当・企業が情報を提供しない

これについても2つのケースが考えられます。一つが担当者が忙しすぎて営業や求人ライターがコンタクトが取れず、不十分な情報で求人を制作した場合。もう一つは(3)に繋がりますが、条件や数字が悪すぎて出したくない場合。

前者に悪意はないものの、担当者に業務が集中している可能性が高く、あまり働き方改革に積極的ではないという判断ができます(動いているが、改善できていない可能性もありますが)。経営課題に直結する採用にリソースを咲いていないという点で、転職をおすすめできるとはいえないでしょう。

後者は限りなくブラックに近いグレーです。働く環境や待遇、状況がよくないのでブラック企業に近いと言えます。

(3)数字・情報が悪すぎて出せない

今回、該当するブラック企業といえるでしょう。企業側が自分たちの働く環境が悪いと認識しており、それを隠そうとしているからです。もちろん、すべての企業が最初から働きやすい環境ではないですし、環境改善に取り組んでいる会社もあります。

しかし、その場合、「今はこうだが、現在、◯◯という働き方改革に取り組んでいて、ここまで成果が出ている」という話を聞けるはずなので、求人にもそのような内容が書かれているはずです(書いていない場合は営業・求人ライターが…以下略)。

以上のように、まっとうな企業かブラック企業かを見極める方法として、「求人の具体性」を挙げました。本来は求人代理店や転職メディアが指針を示すべきなのですが、現状、そうなってはいません。

さまざまな転職メディアを見ても、有給休暇の消化率(取得率)はおろか、有給休暇の項目そのものの記載がない求人さえあります。求職者が知りたい最低限の情報もカバーしていない求人もあり、求人主もそうですが、それ以上に業界側が明確な指針を提示し、求人を提供すべきではないでしょうか。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。