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【スパイスの科学】見た目は豆なのに酸っぱいフルーツ?タマリンドとは

ほとんど見かけることはないですが、一度はその名前を聞いたことがあるであろうタマリンド。

いったいどんな風味なのか、想像もつかない謎のスパイスですが、その実態はこれまで紹介してきた多くのスパイスと異なります。

今回は、そんな異質な様子を持つタマリンドについて紹介したいと思います。

タマリンドとは

タマリンドの発祥は東アフリカ、マダガスカルではないかと考えられていますが、これまでの長い歴史の中で世界中を旅したスパイスともいえるようです。

2000年以上前にインドに渡り、インド料理には欠かせないスパイスとなりました。そのことからか今ではアジア圏で栽培されているタマリンドですが、その特徴は非常に面白いです。

これまで紹介したスパイスは種子や葉であることが多く、いずれも乾燥させて使っていましたね。

それに対してタマリンドはマメ科のフルーツで完熟したさやから採れる果肉を使います。ペースト状の果肉は圧縮されてブロックとなります。

実際に調理に利用するときはお湯に溶かして、ペースト状にしたものやエキスのみを使います。ちなみにそのままフルーツとして食べることもできるようですね。

これだけでもちょっと異質なスパイスであることがわかりますよね。
またタイではタマリンドジュースとして愛されており、調べてみると意外とヒットしますね。

タマリンドの成分

タマリンドはフルーティな香りのフルフラールとチョコレート風味のフェニルアセトアルデヒドを多く含み、他にも酸味となる酒石酸や柑橘系の香りのリモネンを含みます。

意外にもフルフラールはゴマにも含まれるようで、ゴマとタマリンドというのは相性が良いようです。

タマリンドの硬い種も食べられるようです。ペースト状のブロックから出るエキスを抽出した後に残る種は、水で洗って皮をむいた後、中身の仁をゆでるか油で炒めます。

この種はピーナッツのような香りがするそうです。
タマリンドには高濃度の酸と糖が含まれるため、菌の繁殖を防ぎ、タマリンドブロックは約1年も保存ができるそうです。

最後に

今回は前からちょっと気になっているタマリンドについて紹介してみました。とても面白いスパイスであることはわかりましたが、やはり利用が少し難しそうに感じますね。

あと、インド料理を作る機会がないため、なかなか使えないとなってしまう可能性を危惧してしまいます。そうはいっても一度は経験してみたいですよね。

本当に少量で売っていれば、一度買ってその味や風味を楽しんでみたいところです。もしかしたら新しい料理の幅が広がるかもしれないですからね。

ちなみに東南アジア圏ではごく普通に食べられているようで、フィリピン人から言わせれば知らないなんて信じられないという反応でした。国が違えば食文化も大きく異なるようですね

参考


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