見出し画像

誰も知らない無線LANの話

私たちは当たり前のように無線通信を使っています。中でもお家や旅行先で自分で設定するWiFiというのが馴染み深いのではないでしょうか。

しかし、なぜスマホやPCはケーブルでつながっていないのにデータが送られてくるのでしょうか?よく考えてみるとなんだか相当すごいことが起きているような気がしますよね。

私たち人間だって情報を受け取ろうと思ったら音や光といった物理情報をセンサーである耳や目で受信する必要があります。きっと、スマホやPCも空間中に存在する目にも見えないし音も聞こえない何かを受け取っているはずです。

ということで、今回は無線LANの紹介をしてみたいと思います。

無線LANとは

無線LANというと私も含め多くの人がWiFiを想像すると思います。

しかし、実際はWiFiというのは無線LANの規格の一つとして作られた方法のようです。しかし、現代では無線LAN対応製品のほぼすべてがWiFi対応になっているので、厳密にはイコールではありませんが、ほぼ一緒といっても困ることはないようです。

無線LANはあたりまえですが、その名の通り無線です。つまり、空間中に何かしらの方法で情報を飛ばさなければならないわけです。そこで使われるのが電磁波です。

電磁波というと難しい印象を抱く方も多いかと思いますが、光も電波も電磁波の一種なんですね。ただ、人間の目にも見えない周波数帯の電磁波を使えば、色もなく透明なのに情報を伝達することができます。

無線LANでは2.4GHz帯か5GHz帯の2つの周波数帯を使います。とはいえ、周波数帯といってもよくわからないですよね…

電磁波はその名の通り電場と磁場が垂直に交わって波の形を作り上げます。

Wikipediaより引用

この波の細かさが周波数ですね。そしてある特定の周波数の時、私たちの目には光(可視光)として認識されるわけです。この周波数が広い2.4FHzあたりの電磁波を使うか、もしくは5GHzあたりの電磁波を使うのが無線LANということになります。

私たちは気づいていませんが、WiFiを使っていれば空間中には、これらの波長域の電磁波が飛び交っているということですね。

それでは、もう少し無線LANの原理について見ていくとしましょう。

チャネル

周波数”帯”というだけあって無線は多少幅を持った電磁波を利用します。しかし、1回の通信でその幅全体を使うわけではありません。それぞれの周波数帯には、対応するチャネルというものが用意されています。これはテレビのチャンネルを変えるのと同じように、いくつかの異なるチャネルを選んで使うことができます。

例えば2.4GHzタイでは13チャネルが用意されており、その内重ならない3つのチャネルまでなら同時に使うことができます。重ならないというのはどういうことなんでしょうか。

1つの通信で使用するチャネルは約20MHzの幅を持っており、その幅に含まれる他のチャネルを同時に使用することはできません。つまり、単純な例を示すと1,2,3チャネルは重なっているため、同時に使用することができないというわけです。

一方で、1,6,11チャネルという組み合わせを選べば、それらは互いに重ならないため同時に使用することができるということになります。

2.4GHz帯の電磁波電子レンジやBluetoothなどでも使用されているようです。また2.4GHz帯は障害物に強く屋外でも使用できるという利点がある一方で、電子レンジや無線などの他の機器による干渉が起きることが多いんですね。

そのため、場合によっては他の機器の通信と混戦してしまいつながらなくなるということが起きます。おそらく経験したことがある人もいるのではないでしょうか。

そして、もう1つの帯域として5GHz帯が挙げられます。5GHz帯ではW52, W53, W56の3つの周波数帯域を使います。なんだかわかりにくいですね。


図で見るとわかりやすいと思いますが、W52, W53, W56というのはチャネルが位置する周波数帯を表しているだけです。

そしてW52, W53はその帯域の中に4つのチャネルを持ち、W56は11のチャネルを持ちます。さらに、5GHz帯と明確に異なる点として、合計19チャネルは全て同時に使用することができるんです。

ここまで見ると5GHz帯最高じゃんと思われるかもしれませんが、弱点もあります。5GHz帯は物理的な特性上、障害物に弱く屋外での使用に制限があります。さらに、レーダー波を検知するとW53とW56はチャネルを自動的に変えなければなりません。これをDFS機能というようです。

この機能が発動されると、一定時間W53とW56が使用不可能になってしまうという弱点があるんですね。最近では5GHz帯の使用が増えてきているようですが、まだまだ改良の余地はありそうですね。

そもそも必要のため、このような仕様になっている可能性もあるので必ずしも悪いのかどうかはもう少し勉強してから結論を出したいべきでしょうか。

最後に

今回はおそらく通信関連のお仕事をしていなければ誰も知らないであろう無線LANの話を紹介しました。主要なところは説明できたかと思いますが、無線技術はまだまだ奥が深いんです。

ということで、次回は無線LANの通信方法について紹介したいと思います。

参考文献



この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?